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エジプトみどころガイド

ナイル川流域Ⅲ(アスワン~アブシンベル、ヌビア地方)

The Nile BasinⅢ Aswan - Abu Simbel & Nubia region

ナイル川上流に位置するこのエリアは、ヌビア地方とも呼ばれます。かつてこの地方に暮らしていたヌビア人たちは主に傭兵や商人の姿で、多くの墓の壁画やレリーフに描かれています。 1970年のアスワンハイダム建設によるナセル湖の出現で土地のほとんどが水没して以来、多くの人々はアスワン、コム・オンボや スーダンへ移住していますが、今でも独特の伝統、建築様式、言語を守り続けています。

アスワン/ Aswan

カイロの南899km、ナイル川の東流域にあります。アスワンは、1年を通して太陽が輝き、乾燥していることが特徴で、暖かい気候に恵まれています。都会の雑踏から遠く離れた静寂な魅力あふれる自然に囲まれています。またファルーカ(帆船)に乗ってのサンセットクルーズや市場で手工芸品や民芸品、香辛料や香水などのショッピングを楽しむことができます。

アスワンハイダム

旧アスワンダムの代替として1970年に作られたアスワンハイダムは全長3,600m、水面からは平均111mの高さがあります。このダムによって時にはいくつもの村を 破壊することもあったナイルの氾濫を避けることができるようになりました。 現在、ナセル湖に 貯水されて灌漑や開墾に利用されるばかりでなく、エジプトの産業化に欠くことのできない電力も生み出しています。古代にはクシュ王国と呼ばれたヌビアは、アスワンから南のカルツームまでのナイル川に沿った地域を 指します。

切りかけのオベリスク

このあたり一帯は古代より花崗岩の石切り場でした。現在、見ることができる未完のオベリスクは高さ41.75m、重さが1152tという巨大なもので、完成していればカルナック神殿にあるハトシェプスト女王のオベリスクより12m程高く、エジプトで最大のオベリスクとなっていたと考えられています。

フィラエ島のイシス神殿

アスワンハイダムの建設に伴い、従来神殿があったフィラエ島は水没してしまい、現在のアギルキア島に移転されました。一般的に現在ではこの島をフィラエ島と呼んでいます。古来よりフィラエ島はオシリス神の島であり、イシス神がホルス神を生んだ島とされています。 神殿にはイシス女神、オシリス神、ネフテュス女神、ハトホル女神、クヌム神、サティス女神が祀られおり、エジプト人のみならず、ギリシア人、ローマ人、ヌビア人たち全員がイシス女神に敬意を表した場所です。しかし、6世紀にこの異教の神殿は閉鎖され、主要な列柱室は聖キリスト教会に変えられることとなりました。

フィラエ島のイシス神殿
イシス神殿のレリーフ
未完のオベリスク

アブシンベル/ Abu Simbel

アブ・シンベルはアスワンの南280km、ナセル湖のほとりに位置しています。ここはラムセス2世こよなく愛したこの土地にエジプト建築の最高傑作アブシンベル大・小神殿を建てました。アスワンハイダムの建設により水没の危機に瀕しましたが、ユネスコなどの世界中の協力により遺跡は現在の位置に移すことに成功しました。

アブシンベル大神殿

高さ33メートル、幅が33メートル。ラムセス2世によって建設されました。大列柱室にはオシリス神の姿をしたラムセス2世の8体の人柱、壁面はヒッタイトとのカデシュの戦いを描いたレリーフで埋め尽くされています。神殿の最も奥にはラー・ホラクティ神、プタハ神、アメン神、ラムセス2世の4つの像のある至聖所があります。1年のうち、10月22日と2月22日の2日だけ、朝日が東から西へ真直ぐに差し込み、一番奥の至聖所の4体の像に光が当たる様に造られています。

アブシンベル小神殿

ラムセス2世が愛した妻・ネフェルタリ王妃に捧げた岩窟神殿です。また、愛と美の女神であるハトホルをたたえて造られました。入口には4体のフェラオ像と、2体の王妃の像が並び、内部は大神殿同様、レリーフで埋め尽くされています。

アブシンベル大神殿
アブシンベル小神殿
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