秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

エリアガイド

タジキスタンの旅

国土の90%は山岳地帯が占め、6,000~7,000m の山々が連なる「世界の屋根」パミール高原を有する自然に恵まれた国です。 北部にホジャンド、イスタラフシャンなどの古都があり、東部には国土の45%を占めるゴルノ・バダフシャン自治州 がありパミール諸族が暮らしています。

タジキスタンみどころガイド

ドゥシャンベ/ Dushanbe

まだ歴史の新しいタジキスタンの首都。名前の通り"月曜日"に市のたつ田舎町でしたが、1920年に、ブハラ・ハン国最後の王がドシャンベに逃れボルシェビキと戦い、反革命軍の拠点となりました。1921年にはボルシェビキに落ち、1925年ソ連タジク自治共和国の首都"スターリナバード"となりました。1961年、再び町の名は"ドシャンベ"に戻りました。80年前に街づくりがはじまり、現在は人口70万人の都会。街路樹に囲まれた美しい町です。

イスマイル・サーマーニー像
9世紀に興ったサーマーン朝の始祖イスマイル・サーマーニー。かつてレーニン像のあった広場に建てられています。ウズベキスタンのブハラを首都としたサーマーン朝ですが、タジキスタンを中心にかつて中央アジア一帯を領土としました。
イスマイル・サーマーニー像
イスマイル・サーマーニー像
国立博物館
2001年に新しく作られた博物館。ペンジケント、ブンジカット等の古代ソグドの都跡からの出土品と壁画、タフテサンギンからのグレコバクトリア時代の出土品、アジナ・テペ仏教寺院遺跡から出土した13メートルの涅槃仏等、必見の博物館です。
国立博物館外観
アジナ・テパ出土の涅槃仏(国立博物館)
タフテサンギン出土の象牙の鞘(国立博物館)
ペンジケント出土のソグド人邸宅にあった壁画(国立博物館)

ホジャンド/ Khujand

北部にあるタジキスタン第二の都市。かつてアレキサンダー大王に、「アレキサンドリア・エスハータ(最果てのアレキサンドリア)」と名付けられた古都です。13世紀には、バトゥ率いるモンゴルの襲来を受けます。ソビエト時代はレニナバードという名前でしたが、独立後にホジャンドと名前を改めています。町の中心には、中央アジアの大河シルダリアが流れています。

ソグド州立博物館
タジキスタン独立後、アレキサンダー大王の砦横に建てられた歴史博物館。アレキサンダー大王に関するモザイクの他、モンゴル軍に立ち向かった英雄ティムール・マリクの像が展示されています。
ティムール・マリク像(ソグド州立博物館)
ブーケファラスに跨るアレキサンダー大王のモザイク画(ゾグド州立博物館)
パンジシャンベ・バザール
「木曜日」という名前の通り、かつては木曜日に市が開かれていたバザール。タジキスタンやウズベキスタンからの商品で溢れています。バザール内はナンの香ばしい匂いが広がり、民族衣装「アトラス」を着た女性たちが店番をしている姿も見どころの一つです。
パンジシャンベ・バザールにて
民族衣装「アトラス」を着た女性たち

イスタラフシャン/ Istaravshan

2500年もの歴史を持つ古都。イスタラフシャンはかつてシルクロードの職人バザールとして栄え、現在もその面影を残します。

ムグ・テペ
紀元前4世紀にアレキサンダー大王の攻撃を受け、その後、ソグド人の都が栄え、中世にはルスタム・ベグ王の時代にモンゴル軍の攻撃を受けた都の跡。2002年には"イスタラフシャン2500年祭"が執り行われ、新しくなった城門とセレモニーの行われた舞台が残されています。 ムグ・テペの城門
ブンジカット
カラ・イ・カフカハとも呼ばれるソグド時代の都跡。紀元835年にペンジケント陥落の後、アラブに征服されました。城砦区と市街地、墓地があり、城砦区ではソグド人の邸宅内にあったローマ創生伝説「ロムルスとレムス」の壁画が見つかりました(現在はエルミタージュ美術館蔵)ロムルスとレムスの記念像
職人バザール
イスタラフシャンには小規模ながらも職人バザールが残り、特にナイフ工芸が有名。規模の大きなバザールもあり、豊かなフェルガナ盆地の農作物が所狭しと並びます。
職人バザールのナイフ工芸店
職人街にて

ペンジケント/ Panjakent

ザラフシャン川近くの丘の上にあるソグド人の都市遺跡。西へ東へ隊商を連ね商いをして歩いたソグド人は、各地から取り入れた華麗な文化をこのペンジケントに残しています。 ゾロアスター教を信仰した彼らの拝火神殿跡や、バザール跡やキャラバンサライ跡も残ります。 また、インドから来た隊商達が使ったヒンドゥー教寺院もあり、古代の国際都市であったことがうかがえます。 アラブの浸入により、町全体が焼亡しましたが、ペンジケントで出土した壁画などは、ドゥシャンベの博物館に展示されており、当時の様子を垣間見ることができます。また、ソビエト時代から長年にわたり発掘調査が行われており、壁画や、カロシュティ―文字などで書かれた売買契約書などが出土しています。また、ペンジケント発掘に生涯を捧げたボリス・マルシャーク博士は、ペンジケント遺跡に眠っています。

ペンジケント遺跡
ペンジケント出土のカロシュティ―文字の木簡

ゴルノバダフシャン/ Gorno-Badakhshan

タジキスタンの国土の45%を占めるゴルノバダフシャン自治州。パンジ川の対岸のアフガニスタンを望むワハーン渓谷や、ヒンドゥークシュの山並みと数々の史跡が残る所です。アーリア系のパミール諸族の人々は「パミール人(パミーリー)」と呼ばれ、独自の文化と言語を持ちます。 ヴァンには仏教寺院の基壇が残されており、かつては仏教の中国伝播のルートであったこともわかります。

ヴァンの仏塔跡
パンジ川沿いに広がる扇状地
パンジ川の流れ
パンジ川対岸のヒンドゥークシュの景色

パミール高原/ Pamir Mountains

アフガニスタン、中国、キルギスと国境を接する「世界の尾根」パミール。 キルギス族の放牧とユルトの広がる世界です。ホルグとオシュを結ぶパミールハイウェイの峠付近に咲き乱れる花、高原に点在する湖は神秘的な美しさが広がる世界です。

カラクル湖(標高3,900m)
パミールハイウェイの最高地点アク・バイタル峠(4655m)
パミール川沿いに咲く花々
ロバで移動するキルギス族

タジキスタン基本情報

概要

名称 タジキスタン共和国
Republic of Tajikistan
面積 142,600K㎡(日本の約4割)
人口 約1,000万人(2022年)
首都 ドゥシャンベ Dushanbe
時差 日本との時差 -4時間
主要言語 公用語はタジク語。 ロシア語も広く使われています。
通貨 ソモニ

旅のシーズン

国土の大半が山岳地帯で、国土の半分以上が標高3000mを超える山岳国タジキスタン。雪の影響の少ない6月~9月が旅のベストシーズンになります。それ以外の時期は峠の積雪や凍結のため、通行できなくなります。

ビザ(査証)について

査証は不要です。旅券の残存有効期間は出国時6ヵ月以上です。

駐日タジキスタン共和公大使館
〒141-0021 東京都品川区上大崎1-5-42
領事部 電話:03-6721-7455  FAX:03-6721-7499

食事・飲み物

  • ● 中央アジアの代表的な食べ物として、串焼き肉のシャシリク、ピラフ、蒸した餃子のようなマントゥが挙げられます。各国とも、旧ソ連の構成国だったため、ロシアの影響も強く、ボルシチやポトフなども召し上がれます。
  • ● お茶は、日本のほうじ茶のような「チャイ」がほとんどで、大きな陶器製のポットに、日本のお茶碗のような器で飲みます。
  • ● イスラム教を信仰する人が多いのですが、戒律はさほど厳しくなく、お酒は自由に飲めます。ビール(ロシア産含む)、ワイン、ウォッカなど、様々なお酒を召し上がれます。
  • ● なま水(水道から出る水)は絶対に飲まないでください。ミネラル・ウォーターは簡単に手に入ります。
  • ● バザールは果物などが豊富ですが、食べ物の衛生面に関してはご自身で十分にご注意ください。また、民家泊で食事の提供が ある場合は、衛生面で疑問を持つ限りは丁寧に断るなど、ご自身でしっかり管理なさってください。

  • 蒸した餃子のようなマントゥ

  • 中央アジアのピラフ

  • ラグメン

旅の注意事項

●写真撮影
イスラムの戒律はあまり厳しくありませんが、保守的な女性は写真を撮られることを嫌がります。その他の人は気軽に撮らせてくれることがほとんどですが、撮影の際は、女性・男性を問わず必ず本人に確認してから撮影しましょう。各国の国境、軍事施設、橋の撮影は禁止されています。

●服装
 
モスクの見学の際には、女性・男性を問わず夏季であっても肌を露出した服装はやめましょう。街中やホテルでは全く問題ありません。イランのような女性の服装の制限はありません。

●遺跡の見学
各地の遺跡は、ほこりが多いので、スカーフやマスク等のほこり除けをご用意ください。

●高山病
タジキスタンのパミール高原では、高山病の影響が考えられます。人によっては吐き気や頭痛などの症状が出ることもありますので、水分を多めに摂り、お風呂やシャワーは避けしょう。症状がひどい場合にはすぐに高度を下げる必要があります。

●お手洗い
ホテルは洋式のところがほとんどですが、地方のレストランや民家等ではイスラム式で紙を使わず水を使います。トイレット・ペーパーは備えていない場合が多いので、ポケット・ティッシュを多めにご用意ください。

●博物館
各地の博物館は、写真・ビデオとも撮影が禁止されています。

エリアガイド一覧

PAGE TOP