ブータンの旅
1975年に日本から最初の観光団体がブータンを訪れました。これが西遊旅行の第一回「秘境ブータン」ツアーでした。「おとぎの国」「桃源郷シャングリラ」と呼ばれ、伝統とヒマラヤの大自然が見事に融合した美しき国。冬はオグロヅルが飛来するフォブジカ谷、春はお祭り見学など、四季折々のブータンの魅力をご紹介します。
1975年に日本から最初の観光団体がブータンを訪れました。これが西遊旅行の第一回「秘境ブータン」ツアーでした。「おとぎの国」「桃源郷シャングリラ」と呼ばれ、伝統とヒマラヤの大自然が見事に融合した美しき国。冬はオグロヅルが飛来するフォブジカ谷、春はお祭り見学など、四季折々のブータンの魅力をご紹介します。
パロはブータンの空の玄関口。標高は2,300m程度。街の真ん中にパロ川が流れており、そのおかげで山がちなブータンの中では珍しく平地が多い場所です。
インドとブータンの南の玄関口プンツォリン。インド人とブータン人が行き交う賑やかな街です。インドとブータンの首都ティンプーを結ぶ国内最初の自動車道路は1962年に完成しました。
ブータンの首都。標高約2,400m。1950年代に第3代国王ジグミ・ドルジ・ウォンチュクが町の北に宮殿を建設して年間を通じて居住するようになったのに伴い、1955年から恒久的な首都になりました。
パロから首都・ティンプーまでは約1時間弱。空港の街と首都とを繋ぐこの区間にも数々のみどころがあります。ここではその幾つかを挙げてみましょう。
首都・ティンプーを後にし、東を目指します。ホンツォの集落を過ぎると標高を上げて行き、この区間の最高地点ドチュ・ラへ。 ドチュ・ラを過ぎ、山道をぐんぐん下っていくと周囲にはバナナの木等が見え始め、ひんやりとしたヒマラヤの空気から湿気を帯びた熱帯の空気へと変わってきます。
ウォンディ・ポダンから先は中央ブータン・ブムタン地方へと一本道が続いて行きます。 農村、森林、峠を越えブータンの豊かな自然や生活を垣間見ることが出来る道のりです。
「ブムタン」とは街の名前ではなく、チュメ、チョコル、タン、ウラという4つの谷が集まるこの地域の総称です。ブムタン地方は平均して標高約2,000mほどの高地です。
中央ブータン・ジャカルを通り過ぎさらに東へ。 道中の最高地点タムセン・ラ(3,740m)を越え、轟々と流れ落ちるナムリンの滝を見ながら先へ進みます。 ルンツェへの分岐点を過ぎると東ブータンの入り口・モンガルは目の前です。
東ブータンへの入り口・モンガルからさらに東へ。標高2400mのコリ・ラまでは山道を登っていきます。 チャ・ザムという場所をまっすぐ進むとそこは木地師の里タシ・ヤンツェ。
タシ・ヤンツェは1992年にタシガンから独立した新しいゾンカク(県)。ブータンに数多くある手工芸品の中でもブータンの食卓にはかかせない漆器の産地であることで有名です。
九十九折の道を走り進みますが、この区間も美しい谷の風景が望めます。途中、ブータン最大の川・ダンミチュが流れ、流れの急な渓谷が穏やかな川になっていく様子が見られます。
タクツァン僧院までの道のりについて、一般的なハイキングの行程に合わせ、写真を交えながらご案内します。
名称 | ブータン王国 Royal Kingdom of Bhutan ドゥック ユル DrukYul (雷龍の国) |
面積 | 38,394㎢(九州とほぼ同じ面積) |
人口 | 約75.4万人 |
首都 | ティンプー Thimphu |
時差 | 日本との時差 -3時間 |
公用語 | ゾンカ語(国語) ほか英語、ネパール語、多数のブータン語方言が使用されています。 ブータン方言としては、公用語で西部で用いられるゾンカ、中央ブータンで用いられるブムタンカ、東ブータンのシャーチョップカが主。 |
通貨 | ヌルタム(インドルピーと等価で使用されています) |
ヒマラヤ山脈南部に位置する内陸国ブータンは寒いというイメージを持ってしまいがちです。
しかし標高によって3つの気候帯に分かれ、気温も大きく異なります。
年間を通して温暖。
観光客が多く訪れる西部のパロや首都のティンプーは緯度が沖縄とほぼ同じで、標高は2,000m強。
日本人にとっては、夏は避暑地のようで冬は雪はあまり降らず、過ごしやすい場所と言えるでしょう。
ただし、内陸の地形のため朝晩と日中の気温差が大きいので、ご注意ください。
では、ブータン中部の四季について詳しくご紹介します。
ブータンは、国が観光政策を決めています。貴重な外貨獲得手段の1つとされていますので、他のアジア諸国の査証とは違い、国が旅行費用を決め、その決められた旅行費用を支払うことにより、査証を発行するという形を取っています。
ブータンでは地方ごとに言葉が違います。ブータン方言としては、公用語で西部で用いられるゾンカ、中央ブータンで用いられるブムタンカ、東ブータンのシャーチョップカが主。南ブータンではネパール語が主流です。 現在、ブータンでは、小・中学校から高校、カレッジまで、国語(ゾンカ)以外のすべての学科の授業が、英語を通じて行われています。観光で訪れる町では、すべてといってもよいくらい英語で用は足ります。ホテル以外のバザールでの買い物や、町のレストランでも英語が通じなくて困る、ということはまずありません。小学生や中学生も英語を理解しますので、ちょっとした会話も大丈夫です。ブータン人の英語の発音も日本人には聞き取りやすいので、ヒヤリングで困るということも少ないでしょう。ただ、これは主要訪問地の話で、トレッキングなどで奥地に行くと、ゾンカも通じない村もあります。なにしろ谷ごとに言葉が違うといわれる国ですから、言語の通用度も多様です。
ブータンの国語のゾンカとは、ゾンカクで話される言葉(カ)という意味です。現代の口語に対応できるようにゾンカ語の開発委員会が設置され、単語・綴り字などの整備が進み、1980年代になってやっと国語として定められたばかりです。旅行者はゾンカ語が話せなくても困ることはなかなかありませんが、それでもいくらか覚えていくとブータンがぐっと近く感じることでしょう。ゾンカ語は文法が日本語とよく似ていますので日本人にとっては意外となじみやすい言語です。いくつかおぼえておくと便利なものをご紹介します。
クズ ザンポー - こんにちは
いわずと知れた「おはよう」から「こんばんは」までをカバーする便利な挨拶の言葉です。どんどん使いましょう。目上の人やお年寄りには末尾に敬意を表現する「ラ」をつけて「クズ ザンポーラ」を使うとよいでしょう。
シンベ - おいしい
食事がおいしいとき、使うと喜ばれるでしょう。語尾をあげると疑問形になります。
ミジュ - もう十分です
「ミジュ」は直訳すると「もう足りました、満ち足りました」という意味です。お腹がいっぱいでもういいです、というときに使います。
ガデ チ モ? - これはいくらですか?
ディージエーの前にほしいものの名前をおくだけで使えるので便利です。「チャ-イ ディージエー」(チャーイをください)、「イエ ディージエー」(これください)、「サーブン ディージエー」(せっけんをください)、「ターリー ディージエー」(ターリー=定食をください)などなど。
ラ ソー - さようなら
OK、わかりましたを表現するもの同じ「ラ ソー」ですが、手を振りながら「ラ ソー」と言うと、さようなら、になります。
ダ ジョゲ - 行きましょう
ガイドさん、ドライバーさんに、次の場所に移動するときに使うと便利です。「ジョゲ」だけ覚えておけば、「ジョゲ ジョゲ」と重ねて使っても意味が通じます。
タシ デレ - 乾杯/おめでとう
お祝いの時、また乾杯の時に使われます。直訳の意は「あなたに幸あれ!」
カディン チェ - ありがとう
「とっても ありがとう」は「ナメサメ カディン チェー ラ」です。
織物
ボンチュー
うるし塗りの器
ゾン:チベットを起源とするブータンの特徴的な建造物の一つで、要約すると「要塞」「県庁」+「宗教的施設」を兼ねた施設のこと。
ラカン:字義は「神殿」。普通の寺院で仏教の拝殿。
キンレイ:大講堂
チョルテン: 仏塔、ストゥーパ。土地の神や高僧を祀るためにも建てられます。巨大なチョルテンは、内部をコルラしながら頂上まで上がることができます。
ダルシン:経文旗。縦長の布地に細かい字でびっしりと経文が書かれている。風に乗って仏法が行き渡るように、峠や湖のほとり、屋根の上など風通しの良いところに掲げられている。
タンカ:掛け軸に描かれた仏画。
コルラ:「ぐるりと回り歩くこと」を意味するチベット語
マニコル・マニ車:筒の中に経典を入れたもの。1回転させると1回お経を読んだことになります。マニ車の大きさは様々で、寺院にある巨大なものから、巡礼者が手に持ってくるくる回している手軽なものまであります。
ツェチュ:ブータンのお寺・僧院それぞれが年に一度、特定月の10日を中心に3日間~5日間ほど行う法要のこと。僧たちによって踊られる躍動的な仮面舞踊「チャム」、村人の素朴な歌や、民族舞踊などが披露され、大変にぎわいます。
チャム: お祭り(法要)のときに僧侶が舞う仮面舞踊。この舞踊を観ることで、仏教の教えや教訓が分かりやすく理解できるよう、物語になっていることがよくあります。
グル・リンポチェ(パドマサンバヴァ):インド人の高僧で、ブータンに仏教を伝えた人物。
シャプドゥン・ンガワン・ナムゲル:ブータン建国の父。ゾンを初めて作った、釈迦の化身とされる僧。「シャプドゥン」僧の最高位を意味する。
ジェ・ケンポ:大僧正。
ラ:峠 ツォ:湖 リ:山や丘 チュ又はツァンポ:川
ターキン:「体は牛、顔は山羊」と言われる、ウシ科に属すカモシカの仲間。ブータンでは北西部か北東部の奥地の標高4,000メートル以上の場所に生息。宗教的な歴史や神話と深いつながりをもち、ブータンの国獣に指定されている。
マニ車
ダルシン
プータンの国獣・ターキン
陸路でインドからブータンへ。ティンプーに2連泊し、「冬の都」プナカも訪問。民家を訪問し、焼き石お風呂「ドツォ」の入浴や、伝統料理も楽しむ。