ツェタン
Tsetanチベット語で「猿の地」を意味するツェタン。チベット人は観音菩薩の化身である雄猿の子孫という、民族族発祥にかかわる伝承神話に由来します。雄猿は羅刹女(悪魔)に結婚を迫られそれを断ると、羅刹女は「この世界の生き物を全て食べてしまうぞ」と脅します。雄猿は観音菩薩に相談したのち、結婚を受け入れます。その後、羅刹女と間に6匹の猿が生まれました。子孫繁栄していくうちに、食料が足りなくなります。猿たちが観音菩薩に相談すると、麦をまいて育てることを教わりました。それからも観音菩薩は猿たちに知恵を授けていきます。猿たちは知性をそなえ、豊かな感性をもちはじめると、次第に尻尾が無くなり言葉も話すようになり、チベット人の祖先になったとされています。ダライ・ラマの夏の離宮ノルブリンカと冬の宮殿ポタラ宮には、この発祥神話を物語る壁画が残っています。