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チベットみどころガイド

ラサ

Lhasa

チベット自治区の区都。チベットの政治的・宗教的中心地。 チベット語で、「ラ」=神々・仏を、「サ」=は土地を意味します。また、別説では古くは「ラ」=ヤギ、「サ」=は土地、「ヤギの地」とも言われ、かつて大きな池があったこの地を埋め立てる石を運ぶのにヤギを用いたという伝説(この建国伝説を語った壁画がジョカンで見られます)に由来しています。7世紀にチベットを統一した吐蕃王国のソンツェンガンポ王により、チベット(当時は吐蕃王国)の都として定められました。現在はジョカン(大昭寺)を中心とした旧市街(チベット族居住地区)と、ポタラ宮西側に近年開発が進んでいる新市街(漢民族居住地区)とに分かれています。ラサの南側にはキチュ川(ラサ川)が流れ、ラサの北側の山腹にはデプン寺やセラ寺などの大僧院があります。

ポタラ宮/ Potala Palace

チベットの人々から「ツェ・ポタラ(最高の王宮)」と崇められてるポタラ宮。「ポタラ」とは「補陀落」を意味し、観音菩薩の住まう場所、つまり観音浄土を表しています。7世紀にソンツェンガンポ王がマルポ・リ(紅丘)に宮殿を造ったとの伝説から、ダライ・ラマ政権を確立し、チベットにおける聖俗の最高権威者となったダライ・ラマ5世が、ここにポタラ宮の建設を始めたのは今から350年前。建築には50年の歳月を要し、完成したのは1695年のことです。後にダライ・ラマ14世がインドへ亡命するまでの約250年の間、チベットの政治・宗教の中枢として機能してきました。
東西約370m、高さ110mの宮殿は、政治を執り行う白宮と宗教儀礼を司る紅宮から成ります。宮殿内部は迷路のように入り組んでおり、極彩色の壁画で彩られています。壁画にはチベット建国史や神話、人々の暮らしぶりなどが描かれており、かつてのチベットの様子をご覧いただけます。ポタラ宮は1994年に世界遺産に登録されました。

【ポタラ宮 観光順所】
①入り口:手荷物のX線検査を行います(マッチやライターや液体物は持ち込めません)。また、パスポートの提示が必要です。
②入り口を入ってすぐの白い建物は2003年まで民居でした。現在は廃墟となっています。
③坂道と階段を約300段、標高3,765mまで20分ほど昇るとデヤンシャル(広場)です。
④デヤンシャルから白宮の屋上まで上がり、白宮の観光。ダライラマの王座や寝室があります。
⑤紅宮の見学のポイントは4箇所。チベット仏教の奥儀・カーラチャクラの金銅製の立体曼荼羅、ソンツェンガンポ王の洞窟、白檀でつくられた観音菩薩の祀られるポタラ宮で最も聖なる場所・聖観音洞、5世ダライラマの霊塔です。

※現在、ポタラ宮の観光は1日の観光客の人数を制限しています。観光開始時間は購入したチケットに記載されています。特に夏期は大変混雑するため、観光ご希望の方はツアーでの参加がおすすめです。
※ポタラ宮前広場では、ポタラ宮の前で五体投地をする人々やポタラ宮の全景を撮影することができます。ここから地下通路を通り、ポタラ宮へ向かいます。

ポタラ宮
ポタラ宮の周りでコルラする人々
夏季、ライトアップされた 夜のポタラ宮殿
那曲から巡礼に 来た巡礼者
五体投地でポタラ宮へ来た巡礼者

ジョカン/ Jokhang

7世紀創建。チベット仏教界で最も神聖な場所だと考えられており、門前には常に信仰篤いチベットの人々が祈りを捧げています。 五体投地によりつるつるに磨かれた門前の敷石を見ると、遙か昔から人々の信仰を集めてきたことを実感することができます。寺はパルコル(八角街)と呼ばれる巡礼路に囲まれており、マニ車を片手に時計回りに巡礼する人々の姿を見かけます。 伝説によると、チベットの大地の下には羅刹女(鬼女)が伏せていると考えられていたため、古代吐番王国の初代国王ソンツェン・ガンポがその鎮圧のために、羅刹女の心臓部にジョカンを建てたといわれています。歴史上では、ソンツェン・ガンポ王の2人の王妃、ネパール出身のティツンと、唐から嫁いだ文成公主が、王の菩提供養のために建てたと考えられています。 ジョカンは2000年に「ラサのポタラ宮歴史地区」として世界遺産に追加登録されました。

ジョカン前広場
ジョカンの前で五体投地する人

ノルブリンカ宮殿/ Norbulingka Palace


歴代ダライ・ラマの夏の離宮。 ダライ・ラマ7世の時に建てられて以来、歴代のダライ・ラマがここで夏を過ごしました。
ノルブリンカ最大の宮殿はダライ・ラマ14世が建てたタクテン・ミギュル・ポダンです。1959年3月17日に14世はここからインドへと亡命しました。中に展示されている時計は、ダライ・ラマが宮殿を出た当時の時間をさしたまま止まっています。
現在、広大な敷地は人々の憩いの場となっています。ノルブリンカ宮殿は2001年に「ラサのポタラ宮歴史地区」として世界遺産に追加登録されました。
ノルブリンカ宮殿

デプン寺/ Drepung Monastery

ゲルク派最大規模の寺院。ゲルク派の開祖ツォンカパが高弟の一人に命じ、1416年に建てられました。 岩山の傾斜に沿うように建てられた寺院には7つの学堂があり、最盛期には7700人の学僧が学んでいたといわれています。寺院内部のガンデン宮殿には、ダライ・ラマ5世がポタラ宮殿を建築するまで歴代ダライ・ラマが居住していました。現在は800人の学僧が学んでいます。

大集会堂
山の中腹に建てられたデプン寺
屋根の上の宝輪
寺院横の山には ツォンカパと二大弟子が描かれている
大集会堂の釈迦牟尼像

セラ寺/ Sera Monastery

デプン寺、ガンデン寺、タシルンポ寺と並び、ゲルク派4大寺院のひとつに数えられます。 1419年ツォンカパの没年に完成。明代の永楽帝の時代により奉じられた経典や仏像は今もセラ寺の宝物となっています。また、日本人とも縁が深く、河口慧海や多田等観が修行したことで知られています。

セラ寺、僧侶の問答の様子
セラ寺のショトン祭り

アニ・ツァングン寺/ Ani Tsankhung Nunnery

ラサの旧市街、大昭寺(ジョカン)の南側にある尼寺。本堂がひとつあるだけのお寺で、ご本尊は十一面千手観音です。 本堂に隣接する場所には、ソンツェンガンポが瞑想したといわれる部屋も残っています。

アニ・ツァングン本堂
お経を作る尼さんたち
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