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エリアガイド

チベットの旅

乾燥した茶褐色の大地、空気の薄い高原地帯、雪を頂く高峰群・・・「天空の世界」チベット。 篤き信仰と大自然がひとつになった独特の文化が何よりの魅力です。中国チベット自治区のみならず、青海省、インド北部、ネパールといった広範な「チベット文化圏」の魅力をお伝えします。

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チベット基本情報

旅の季節

基本的に1年を通じて旅行することができます。 雨季は6月~9月、乾季は10月~5月が目安です。 雨季とはいっても雨が1日中降り続くことはなく、通り雨が降っては止んで曇りが続き、時折晴れ間が訪れます。 いずれの季節も1日のうちで寒暖の差が大きく、夏でも曇天の日は冷え込みますので、ジャンパー等の防寒具は欠かせません。 ベストシーズンは目的によって異なり、ヒマラヤの展望を望むなら短い春や秋、高山植物の花々の観察やお祭りの見学ならば夏、 チベットらしさを味わうならば巡礼シーズンの冬がおすすめです。 西チベットは標高5,000m以上の高所で、冬の間は降雪や凍結により峠が閉ざされ、冷え込みが大変厳しいため、 旅行をするなら春から秋がおすすめです。

○春(4月中旬~5月)

冬が終わり、雨季前の短い春、空気が澄んでヒマラヤの高峰群が展望できるチャンスの多いシーズンです。
晴れていれば暖かく、寺院等の観光にもおすすめのシーズンです。
ただし、朝晩や曇天の日は冷え込みますので、ジャンパー等の防寒具が必要です。

○夏(6月から9月上旬)

日中は天気がよければ日差しが強く、夏服で過ごせます。
朝晩や曇天の日は寒くなりますので長袖の上着が必要です。
この季節は雨季にあたり、山を展望するチャンスは少なくなりますが、草原では高山植物が咲き乱れ、ショトン祭や競馬祭、
各地のゴンパ(寺・僧院)でタンカ(巨大な掛仏)のご開帳や仮面舞踊が催される時期です。
一般的に観光のベストシーズンとされ、ツアーもこの時期に数多く設定されます。 

○秋(10月) 

9月下旬からは暑さも徐々に和らぎ、短い秋を迎えます。
10月はポプラの並木道や砂漠の胡楊が色づく季節。
爽やかで過ごしやすい季節といえますが、天候によっては肌寒く感じることもあります。

○冬(10月中旬から4月上旬)

農閑期にあたるため人々は仕事を休み、巡礼のためラサへ向かいます。
ラサはチベット中から集まった巡礼者で賑わい、観光客も少なく、チベットらしさを実感できることでしょう。
ラサでは朝晩の気温は氷点下まで下がり、風も強くかなり冷え込みますので、ダウンジャケットにフリース、手袋、帽子等の 十分な防寒具が必要です。ただ、風のない晴れの日は暖かく感じることでしょう。
ラサ周辺では、雪が降っても積もることはほとんどありません。

入域許可証

○入境許可証について

チベット自治区では、原則として個人での自由な旅行は禁止されています。 旅行をするには、チベット自治区観光局の発行する「入境許可証」を取得する必要があります。 基本的に個人では取得できないため、旅行会社に取得代行を依頼する必要があります。 この入境許可証がなければ、ラサへ入る航空機やバス、列車のチケットを購入することができません。

○外国人旅行証

チベット自治区に限らず外国人観光客が自由に旅行できる「開放区」と「非開放区」を分けています。 「非開放区」を旅行するには「外国人旅行証」を取得する必要があります。

○中国査証

中国は滞在期間が15日以内ならばビザは必要ありません。

高山病について

チベットの旅行では、高山病は必ず付きまとう問題です。 高所に強い人、弱い人、さらに高山病の自覚症状は人によって様々で、 いろいろな印象や噂が語られているため、混乱を招いているのが現状です。 高所に強い人がよく語る「心配ないよ。ぜんぜん平気だった。大丈夫」という言葉を信用せずに、 「高山病は悪化すると死に至る」ということを肝に銘じて、正しい知識を持つことが重要です。 正しい知識をもって適切な行動をとれば、心配なく旅行を楽しむことができます。

食事・飲み物

○ツァンパ

チベット人の主食。チンコー麦(裸麦)を炒って、挽いて粉にしたもの。いわゆる麦こがしです。 これにバター茶をそそぎ、指で適当な固さに練りながら食べます。好みで砂糖やチーズを加える場合があります。 旅行中に機会があれば挑戦してみてはいかがでしょうか。 

○モモ

チベット風の蒸し餃子。水餃子もあります。

○トゥクパ

チベット風のうどん。ヤクや羊の肉が入ってます。

○ヤクの肉、羊の肉

塩茹でにして、ナイフで切り分けながら、ツァンパと一緒に食べるのがチベット式。


○ギャコック

チベットの宮廷料理で、貴族たちが祝い事のときに食べたというチベット鍋です。 鶏肉、ミートボール、チーズ、各種野菜などいろいろなものが入った寄せ鍋。ラサなどのレストランで食べることができます。これはかなりの美味!

○バター茶

乾燥したチベットには欠かせない飲み物。チベットの人々は1日何十杯も飲みます。 野菜からビタミンを摂取することが難しい遊牧民にとって、バター茶は大切なビタミン源です。 大きな筒に茶・塩・バターを入れ、棒を上下に動かしてかき混ぜ、鍋で煮ると出来上がり。 このかき混ぜる作業が重労働。最初のうちは、独特の匂いと味で飲みにくいかもしれません。 

○チャン

チベット風の大麦ビール。どぶろくに似ています。

ギャコック チベットの寄せ鍋


トゥクパ


モモ


ホテル・宿泊施設

○高級ホテル

ラサやシガツェなどの大きな町には、立派なホテルが数多くあります。
外資系ホテルチェーンとの合弁ホテル、チベット風建築のホテルなど、それぞれ特徴を競っています。
立地条件や設備などを検討し、お好みに合わせてお選び下さい。
医者がホテルに常駐し、部屋には酸素が設置されている高山病対策が万全のところもあります。 
ツイン・シングルともに400~1,000元以上とホテルによって値段は大きく違います。

○中級ホテル

大きな町にはたくさんあり、交通の要衝となる中規模の町では高級なホテルにあたります。
ホテルによって設備は異なります。お湯の出る時間も決められている場合がありますので、チェックイン時によく確認しておきましょう。
立地条件がよくサービスもよいホテルは、夏のハイシーズンやお祭りの時期は非常に混み合いますので、早めに予約をしておきましょう。
ホテルのランクや部屋の設備によって値段は異なり、ツイン・シングルともに100~400元と開きがあります。

○安宿 

中級ホテルのドミトリー(4人以上の大部屋)、小さな町の唯一のホテル、荒野にぽつんと建つ招待所、これらが安宿にあたります。
チベットのいなかでは、快適なホテルライフを期待してはいけません。
シャワーやトイレは共同、お湯は時間制、シャワーはなくトイレは外の小屋なんてこともしばしば。
部屋に洗面器が置いてあり、お湯は中国製の魔法瓶で朝と夕方に配給されるので、シャワー代わりに洗面器にお湯をためて体を拭く、
これが田舎の宿のやり方です。 
たいていの安宿には食堂が併設されていますので、食事は心配ありません。
毛布やシーツ等の寝具が不足していることがありますので、念のため寝袋を持っていくことをおすすめします。
値段は1ベッドあたり20~40元が目安です。部屋を確保できる場合は、ツイン・シングルともに50~150元程度でしょう。

お土産

仏画タンカや内部に経典が入ったマニ車、チベット族の装身具、珊瑚の化石・山珊瑚やトルコ石など購入することができます。
ラサでは、大昭寺周囲のパルコルにお土産物屋さんが並びます。 お店によりますが、値段は交渉次第。
お気に入りの一品を見つけてください。


  • ラサ市内パルコルの土産物屋

  • マンダラなどが描かれたタンカ

  • ヤクの置物

チベット仏教

 歴代チベットの王は、7世紀から、仏教に基づく国作りを目指してインドから直接、仏教を取り入れていきました。その過程で仏典の言語であるサンスクリット語の経典を正しく翻訳できる言語としてチベット語が確立されていった背景もあります。それゆえに独自にチベット圏で発達していった仏教を総称してチベット仏教と呼びます。 仏教の3つの重要な教えである身・口・意に仏教のラマと呼ばれる仏の化身である活仏(お坊さん=ラマ)を尊崇することから、日本ではかつて俗称でラマ教と呼ばれたこともありますが、正しくは「チベット仏教」と呼びます。チベット仏教圏で独自に発達を遂げた仏教です。さまざまな導師の尽力により、一度ではなく徐々に伝来してきた背景がありますので、いくつもの宗派に分かれていますが、いずれもチベット仏教であることには変わりはありません。 現在では、チベット仏教の4大宗派として、ゲルク派/サキャ派/カーギュ派/ニンマ派の4つに大分され、他に小さな宗派も多々存在します。最大の派であるゲルク派は、14世紀に宗教家ツォンカパにより起こされた宗教改革後に確立された最大派閥でもあります。仏教の最高指導者:ダライラマ、と政治界の指導者であるパンチェンラマを擁す派で、この派に属する主な僧院は6つあります。タール寺(青海省)、ラブラン寺(甘粛省)、デプン寺(ラサ)、セラ寺(ラサ)、ガンデン寺(ラサ郊外)、タシルンポ寺(シガツェ)。

金剛界五仏 左より阿閦如来、大日如来、阿弥陀如来(シャール寺)

チベット用語集

○寺院に関する単語

ゴンパ: 僧院

ラカン: お寺やお堂。

ツォクチェン: お寺の中の大集会堂。読経などのために僧侶が集まる場所です。

ドゥカン: お寺の集会堂。 

マニコル マニ車: 筒の中に経典を入れたもの。1回転させると1回お経を読んだことになります。マニ車の大きさは様々で、寺院にある巨大なものから、巡礼者が手に持ってくるくる回している手軽なものまであります。

トルマ: バター、ツァンパ、砂糖で作った色鮮やかな供物。あまりに精巧に出きているため、トルマと気が付かないものもあります。ラカンの中のショーケースに飾られているものをよく見かけます。

タンカ: 掛け軸に描かれた仏画。チベット仏教のお祭り(法要)では、ゴンパに保存された巨大なタンカの御開帳がメインイベントとなります。

チャム: お祭り(法要)のときに僧侶が舞う仮面舞踊。この舞踊を観ることで、仏教の教えや教訓が分かりやすく理解できるよう、物語になっていることがよくあります。

○僧侶について

ラマ(又はグル):本来は「師」の意。直接の師、その宗派の開祖などを指します。一般的には僧侶のことをラマと呼んでいます。チベット仏教では、師であるラマと弟子の師弟関係は非常に重んじられ、ラマへの帰依をまず第一に説きます。

リンポチェ: 高僧。活仏でなくとも学識の高い僧をリンポチェと呼ぶことがあります。

ゲシェ: 仏法論理学僧の最高位。博士。僧の一番下の位であるタパからスタートして、何度も試験などを繰り返し、勝ち抜いた末にようやく到達できる位です。

ケンポ: 僧院長。僧院で一番偉い人。

アニ: 尼僧。

ギャワ・リンポチェ(勝者)、 キャムグン・リンポチェ(尊い守護者): ダライ・ラマのこと。ダライ・ラマは観音菩薩の化身とされるチベット最高の活仏。チベット仏教の最高権威として、またチベットの政治的指導者として君臨してきました。現在のダライ・ラマ14世は1959年のインドへの亡命後、ダラムサラに亡命政府を樹立して活動を行なっています。

○祈りで使う単語

マントラ: 真言。尊格(神様)ごとに決まっている祈りの言葉。
一番有名なものは「オム・マニ・ペメ・フム」

オム・マニ・ペメ・フム: 観音菩薩のマントラ。「おお宝珠と蓮華に幸あれ」の意。

タルチョ: 経文が印刷された祈祷旗。風に乗って仏法が行き渡るように、峠や湖のほとり、屋根の上など風通しの良いところに掲げられています。 

ルンタ: タルチョに馬の絵が印刷されているもの。ルンタが風にたなびくと、馬が風に乗って駆け抜け仏法を世に広めてくれると信じられています。このほか、小さな色紙に印刷されたものもルンタといいます。峠では大きな掛け声とともに、このルンタの束をばら撒きます。

オボ:
石を積んだ神を祀る塚。峠や湖のほとりでよく見かけ、マニ石が置かれタルチョやルンタが飾られている。白石を積んだものをラツェといいます。 

チョルテン: 仏塔、ストゥーパ。土地の神や高僧を祀るためにも建てられます。巨大なチョルテンは、内部をコルラしながら頂上まで上がることができます。

コルラ: 聖なる場所や寺院などの周囲を、祈りながら歩くこと。祈りの対象は、ジョカン(大昭寺)、ポタラ宮、ラサそのもの、カイラス山など様々。チベット仏教では必ず時計回りに歩きます。五体投地をしながらコルラをする人もいます。チベットの土着信仰であるボン教では、反時計回りに歩きます。

マニ石: 石や岩にマントラや仏画を描いたり、彫刻したものをマニ石と呼びます。「オム・マニ・ペメ・フム」の文字を彫ったマニ石は、チベット文化圏のいたるところで見かけることができます。

キャンチャ: 五体投地。チベットの礼拝方法。全身全霊を投げ出して、仏法への帰依を示します。まず両手を合わせ、初めは頭に、次に口に、そして胸にあてた後、手を離して地面にうつぶせになり、手を前方へいっぱいに伸ばします。これを繰り返して前へと進みます。

カタ: シルク製のスカーフ。経文が記されているものもあります。お祝いや別れのときに、相手の幸せを祈りながらカタを首にかけます。高僧から祝福を受ける際には、カタを自分で持参してかけてもらいます。 

サン: 香草。法要や祝日のときに香炉で焚きます。 

○地形・地名について

:峠 ツォ:湖  :山や丘  チュ又はツァンポ:川 
プゥ:チベット 
ギャナ:中国、漢族はギャナ 
ギャカル:インド 
リピン又はジャペン:日本
  • タルチョ

  • ルンタ

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