仏歯寺/ Dalada Maligawa(Temple of tooth)
キャンディ湖のほとりに建つ、スリランカを代表する仏教寺院。敷地内には、仏陀の歯が祀られている本堂や、シンハラ建築様式の美しい八角形のお堂があります。本堂では1日に3度、礼拝が行われます。スリランカ中から集まった参拝者たちが祈りをささげる熱気、プージャーで演奏される楽器の音色、人々がお供え物をする様子など、厳かな空気を感じさせます。仏歯は4世紀にスリランカへもたらされたといわれており、当時の王都アヌラーダプラの礼拝堂に祀られていました。その後、12世紀に王都がポロンナルワに移り、それとあわせて仏歯も移されます。この頃には、仏歯の神秘的な力によって恵みの雨がもたらされ発展する、という信仰と、仏歯を持つ者がシンハラ王国の王位継承者であるという考えが広まります。そのため仏歯は王都が動くたびに移動し、1590年、最後にキャンディの仏歯寺へとわたっていきました。
仏歯寺
キャンディアンダンス/ Kandyan dance
スリランカを代表する芸能。各地の民族舞踊が組み込まれており、男性ダンサーの迫力あるアクティブな動きや、女性ダンサーのしなやかな仕草と鮮やかな衣装に思わず目を奪われます。現在はお祭りや結婚式で登場しますが、もともとは「コホンバ・カンカーリヤ」という宗教儀礼から始まったもの。王朝時代に、健康、繁栄、病気よけを目的とする祭りの際に宮廷で行われた儀式で、最大の目的は悪霊払いでした。その由来となった伝説があります。始まりはスリランカ建国の王ヴィジャヤがインドからやってきたこと。ヴィジャヤはこの地の鬼神である女夜叉クウェーニィと結ばれ、クウェーニィの助けによって王位に就きます。しかし、後にヴィジャヤはクウェーニィを裏切ります。怒ったクウェーニィは、豹になり宮廷を襲います。二代目の王パンドゥワス・デーウァをも、悪霊の崇りで病気にさせました。そして、インドの王、マラ王がスリランカに招かれて見事に病気を治したといいます。この一連の出来事を再現したものが「コホンバ・カンカーリヤ」です。かつては七日七夜にわたって行われていましたが、現在は少なくなり、宗教儀礼ではなくショーのようなダンスとして残されるようになりました。ショーとはいえダンスは神聖なもの。「コホンバ・カンカーリヤ」の名残が衣装・装飾に残されているという説があります。メインの踊り手は12~13mの紅白の布を腰に纏い、頭にウェスタットゥワという飾りを被ります。胸には華やかなビーズの飾り、耳輪、ブレスレット、音が鳴る足輪、さらに腰布の上に金属製のベルトを巻いています。この姿が、儀礼の崇拝対象であった太陽神を表している、または儀式の主宰者である王の姿であると伝えられています。
キャンディアン・ダンス
ピンナウェラのゾウの孤児園/ Pinnawala Elephant's Orphanage
キャンディから西に30kmほどのキャーガッラという町の郊外にあるゾウの孤児院。ここはジャングルで親を亡くしたり、はぐれてしまった子ゾウ、自然に戻ることができない100頭余りの象を保護している施設です。水浴びするゾウを近くで見たり、子ゾウにミルクをあげる体験ができます。
水場に集まるスリランカゾウ