トルファン(吐魯番)と
その郊外
Turpan
ウルムチから所要2時間30分とアクセスの良さと見所の多さから観光客に人気がある町。
-154mの艾丁湖をもつ低地・トルファン盆地は夏の暑さでも有名です。ウイグル族が多く暮らし、葡萄の産地としても有名なトルファン。中心街から少し出るとウイグル族の葡萄農家が点在しています。
トルファン市から東へ45㎞。紀元前1世紀の漢代から13世紀にモンゴル軍により滅ぼされるまでの間、新疆における政治・経済・文化の中心地の一つでした。 大きさは東西1,600m、南北1,500mのほぼ正方形で、内部は宮城、内城、外城の三つの部分から構成され、現存する遺跡には日乾しレンガが使われています。仏塔跡には仏巌も残っており、かつて玄奘三蔵がインドへ仏典を求める旅の途中に、国王・麹文泰の勧めで説法をしたという伝説が偲ばれます。
トルファン市内から北東へ50km。火焔山の横を流れるムルトゥク河の断崖にある石窟寺院。 麹氏高昌国の6世紀からつくり始められ、元代まで続けられました。最盛期は9世紀の高昌ウイグル王国の時代。現存する83の窟は多くはこの時代に造られましたが、現在見学可能な窟は6窟。 20世紀始めにドイツのルコック調査隊が壁画を本国に持ち帰ったために、仏像や壁画はその一部のみしか残っていませんが、当時のウイグル族の生活や仏教文化を知る上で貴重な資料となっています。
トルファン市内から南東へ36km。6~7世紀に栄えた麹氏高昌国時代の唐代の西州の墓地群。家族ごとに埋葬されていて、石で境界線が定められています。 どの墓も地中に傾斜した墓道と土洞の墓室からなり、内部からは大量の陶器、文書、絹織物、泥人形など約3000が出土しました。全体で500基に及ぶ墳墓が発掘されていますが、現在見学可能な墓は以下の3基のみ。210号(夫婦のミイラが現存している)、215号(新疆地方では見られない鴨や花の壁画が描かれているので、おそらく南方地方の商人の墓と考えられる)、216号(金人、石人、木人などの儒教の教えが描かれている)。
トルファン盆地の中部にあり、平均海抜は約500m、全長は約100km、幅は平均10km。最高峰は勝金口近くの851m。極度の乾燥地帯で、夏には地表から立ち上がる陽炎によって燃え上がる炎のように見えるので火焔山とよばれるようになりました。「西遊記」では孫悟空が鉄扇公主と戦う舞台とても有名です。 2006年7月31日午後3時ごろ火焔山の地表気温が70度近くまで達したとのニュースが中国国内紙に報じられたことがります。
トルファン市内から西へ16㎞。前漢時代の車師前国の都で屯田地として辺境防衛の重要地であった都市遺跡。 唐代になると都は高昌国に移りますが、引き続き安西都護府とよばれる軍事基地が設置されました。 現存する遺跡は高さ30mの断崖上の台地に位置しており、南北1km、東西300mの規模があります。 遺跡入口には展示室があり、交河故城の模型が置かれています。遺跡見学前に見ておくと全体の様子がよく理解できるでしょう。遺跡内には日陰がほとんどないので帽子や水を忘れずに。
トルファンの葡萄栽培の歴史は2000年前に遡るともいわれ、その収穫は新疆一です。品種は何百もあり、その中でも良質なものとして白葡萄、馬乃子、紅葡萄など十数種が上げられます。 葡萄溝は火炎山西側の峡谷にあり、長さ8km、幅500~2000mにわたり、広大な葡萄園が広がっています。夏の間は葡萄の収穫、そして干し葡萄を作る作業が見られます。町から少し足を伸ばすと葡萄栽培をするウイグルの農家があり、民家の入り口を除くと奥から葡萄園へつながり、2階には葡萄を乾かす乾燥室を持った家もたくさんあります。ワインも有名です。トルファンの滞在中に一度試してみてはいかがでしょうか。