タクラマカン砂漠
Taklamakan Desertタリム盆地に広がる砂漠で、面積は約30万平方kmと世界で2番目の大きさです。 タクラマカンとはウイグル語で「死」や「無限」などを意味する合成語で、昔は一度入ったら出られない死の砂漠と捉えられていました。しかし1980年代から石油や天然ガスの油田の調査が始まり、今では中国のエネルギーを支える存在として注目が集まっています。
天山南路の輪台と西域南道のニヤを結ぶタクラマカン砂漠を縦断する道路。油田開発の一環として1991年から作られたこの道路は97年に一般人にも開放されました。全長は約500kmで広大なタクラマカン砂漠を感じることが出来ます。最近では緑化計画を推し進めており、道路に沿って人工的にタマリスクなどの植物を植え4キロごとにあるポンプ小屋から毎日地下水を供給しています。また砂漠を横断するように流れるタリム河の近くには胡楊の木がたくさん見られ、秋にはきれいに黄葉した姿も見ることが出来ます。
もともとは新疆西部の開発や石油などの天然資源の運搬を目的として1970年代前半トルファンから工事を始め1984年にコルラ、1999年にはカシュガルまで開通した鉄道です。新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチと中国最西端カシュガルを結んでいるため、市民の重要な足となっています。 天山南路に沿うようにして走る列車の車窓からは天山山脈の雄大な山並みや、荒涼とした大地に生活する人々の様子などを見ることが出来ます。 南疆鉄道は普通の椅子の座席から、寝台車「軟臥」まで選べます。「軟臥」は4つの寝台がひとつの個室になっていて、中にはテーブルがあり、湯が入ったポットや清潔な枕や布団までついています。各車両の間には洗面台やトイレがあり、定期的に服務員が掃除をします。 また、食堂車両も付いていて、羊肉や野菜が中心の清真(イスラム教)食堂ですがメニューの種類は豊富で、お酒を飲むことも出来ます。 大声でお喋りを楽しんでいたり、大きな荷物を抱えカップラーメンをおいしそうに食べている現地の人々との交流や、車窓の景色を眺めているだけであっという間に目的地に着きます。
ヤナギ科の落葉高木。ポプラの仲間で和名を「コトカケヤナギ」と言います。胡楊の葉は他の植物と違い、「針のような細い葉」と「卵円形」のものと成長過程で、その形態を変えるおもしろい植物です。 中国では新疆が主要な自生地で、タクラマカン砂漠周辺で見ることができます。乾燥や塩分、強風にも強く、建築材・家具や紙の原料としても利用されています。 10月は胡楊の黄葉のシーズン。黄色に色ずいた胡楊に砂漠の景観はまるで絵画の様です。