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シルクロードみどころガイド

敦煌とその郊外

Dun Huang

タリム盆地、ゴビ、ツァイダム盆地に祁連山脈に囲まれたシルクロードのオアシス都市。 紀元前には月氏や匈奴に支配され、前漢代には西域への軍事拠点として、西涼、北魏には河西四郡のひとつ「沙州」として栄えました。砂漠の大画廊として有名な「莫高窟」、かつての関所跡「玉門関」、「陽関」など数多くの見所が残されています。

莫高窟/ Mogao Caves

敦煌市内から東南に25km。鳴沙山の東麓に南北1.5kmにわたって石窟がつくられています。前秦の366年から元代まで1000年にわたって開削が続けられました。現存しているのは、492の石窟、延べ4万5000㎡の壁画、2415体の彩色塑像、5つの木造建築とその規模は中国現存の石窟で最大です。特に壁画は仏像・仏教史、経典、神話など保存状態もよく残されています。 1987年に世界文化遺産として登録されています。開放される石窟は、修復等で訪問時期によっても変わりますが、約40窟。一般開放窟の他に、入場券とは別途料金が必要となる特別拝観窟が見学できます。

96窟正面 内部には大仏が安置されています
275窟 交脚菩薩像
57窟「美人窟」の別名を 持つ美しい観音菩薩像
莫高窟の東にある仏塔と三危山
431窟の外観  外壁の漆喰装飾、木造建築が残されています

鳴砂山と月牙泉/ Singing Sand Dunes & Crescent Lake

敦煌市内から南に6km。 東西約40km、南北20km続く砂丘。鳴沙山とは、ある大将が軍隊を率いて出征の途中、強風が吹き黄砂が天を覆い、全軍が埋もれてしまった後に山中から鼓笛の音がするようになったことから名付けられたと言われています。 鳴沙山の北麓にある三日月(月牙)の形をした泉が月牙泉です。

月牙泉
鳴沙山

玉門関/ Yumen Pass

敦煌市内から西北に80km。東西24m、南北264m、高さ9,7m。西・北面に門が設けられています。前漢の武帝の時代に西域北道への関所として、長城とともに築かれました。
「玉門関」の名前は、新疆ウイグル自治区のホータンで産出された「玉石」がここを通り、中国へ入ってきたことに由来し、スタインが「玉門都尉」と記載された木簡を発掘したことから史書に記載された遺跡であることが特定されました。漢代に西域に汗血馬をもとめた李行利が遠征に失敗し、玉門関まで戻ってきた際に武帝が怒りのあまり門を閉じたというエピソードは有名です。

陽関/ Yang Pass

敦煌市内から西北に75km。玉門関の南(陽)に位置することから陽関と呼ばれます。 西域南道への関所として築かれ、唐代の詩人・王維が「君に勧む 更に尽くせ 一杯の酒 西のかたの陽関を出ずれば故人なからん」と謳っています。かつての門の跡はなく、漢代の烽火台が残されています。

漢代の長城/ The Great Wall

西は玉門関の西方から疎勒河の南岸に沿って延々と築かれた漢代の長城。 2000年にわたって風触されたため現在残された部分は少なく、玉門関付近で最も保存状態の良い長城を見ることができます。砂と葦や紅柳、胡柳を層にして固め、間に烽火台がつくられました。

西千仏洞/ Western Thousand Buddha Caves

敦煌市内から西南に35km。党河の北側に北朝から西夏代まで19の石窟が現存しています。 壁画と塑像は莫高窟と同系列ですが、破損が多く保存状態は莫高窟に劣ります。

楡林窟/ Yulinku

瓜州(旧:安西)市内から南に70km。開削年代ははっきりしていませんが、25窟の「光化三年」との記載から唐代の開削とされています。 東崖に30窟、西崖に11窟の計41窟の石窟に仏陀・菩薩・仏教説話、供養人・官僚・庶民などの現実世界を反映させた壁画、100体余りの彩色塑像が残されています。

「敦煌」映画セット

1988年に公開された日中合作映画「敦煌」の撮影に利用されたセットが残されています。映画の原作は井上靖の小説「敦煌」。 セットはともかく、完成した映画は西夏時代のシルクロードの華やかな雰囲気が感じられるおすすめの作品です。
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