ダルバール広場/ Darbar Square
「ダルバール」とは「宮廷」という意味です。その名のとおり、マッラ王朝時代にはカトマンズ王国の中心部でした。王たちが美しさを競い合って建てた広場なので、その建物の装飾の美しさには目を見張るものがあります。広場に立ち並ぶ20数棟にも及ぶ寺院にはいろいろな時代のものが混在しています。このように古くから王族の由緒正しい場所であるダルバール広場では、今でも王族の戴冠式や即位式が行われます。この広場には生き神の住むクマリの館を始めとする見どころが多くあります。また、周囲にはハヌマン・ドカと呼ばれる旧王宮もあり、いつも観光客で賑わっています。広場の近くには庶民のバザールもあります。
ダルバール広場
クマリの家/ Kumari Bahal
1757年にカトマンズ最後のマッラ王朝の王、ジャイ・プラカース・マッラによって建てられた、生き神と信じられているクマリが住んでいる館です。2頭のライオン像がその入り口を守っています。クマリはタレジュー神(ドゥルガ)の化身であると信じられており、ネワール・サキャ族の由緒正しい家の出身の、少女の中から選ばれます。他の地域にもクマリは何人かいますが、このカトマンズのクマリが最も重要なクマリであるとされます。団体で訪れ、いくらかお布施をするとクマリは顔を見せてくれますが写真を撮ることはできません。年に一度、国王もクマリに会いに来て、祝福のティカ(おでこに赤いしるしをつけてもらうこと)を受けます。年に一度のインドラジャトラの祭りでのクマリの山車巡行は必見です。
クマリの暮らす館
クマリのポストカード
シヴァ・パールヴァティ寺院/ Shiva-Parvati Mandir
18世紀にゴルカ王朝のバハドゥール王によって建てられたもので、2階の窓からシヴァ(破壊の神)とパールバティ(その奥さん)の彩色された木彫りが町を見下ろしています。寺院の入り口には寺を守る白いライオンの像があります。
シヴァ・パールヴァティ寺院
ハヌマン・ドカ(旧王宮)/ Hanuman Dhoka
「ハヌマン」とはヒンドゥー教の猿の神様「ドカ」とは門のことで、ハヌマン像のある門がもともと「ハヌマン・ドカ」と呼ばれていましたが、今では旧王宮もその付近もすべてハヌマン・ドカと呼ばれています。旧王宮は17世紀に造られたもので、ネワール建築の集大成とも言えるすばらしい装飾を目にすることが出来ます。今、王族はここには住んでいませんが、現在でも外国の要人が訪れたときには、行事のために使われています。ハヌマン像は1672年にマッラ王朝の王、プラタップ・マッラによって作られました。像の横にある金のドアが旧王宮の正門にあたり、2頭のライオン像がその入り口を守っています。
ハヌマン・ドカの塔
内部は精巧な木彫で埋め尽くされています
カ-ラ・バイラヴ/ Kala Bairav
カトマンズにある石像の中では最も大きいものの一つで、シヴァの化身であるカーラ・バイラブの像です。シヴァの破壊神としての化身で、目を見開き、首に頭蓋骨のネックレスを巻き、人間の皮を羽織って、人々を恐れさせる外見をしています。 カーラ・バイラブの前でうそをつくと即座に死んでしまうと信じられており、17~18世紀には、政府はこの像の前に犯罪の容疑者を連れてきてその罪を白状させていたといいます。
カ-ラ・バイラヴ
タメル / Thamel
言わずと知れた、カトマンズのバックパッカーの拠点として賑う地区。いわゆる安宿、ゲストハウスが集中し、カフェやネパールの土産や登山用品を売る店が軒を連ねます。バックパッカーの情報交換の場でもありましたが、最近はおしゃれなショップなども多く出店され、ネワール建築のブティックホテルなどもあります。
活気あふれるタメル地区
パシュパティナート / Pashupatinath
カトマンズから東に5km、ガンジス川の支流であるバグマティ川の川岸にあるネパール最大のシヴァ寺院。インドのヒンドゥー教徒にとっても重要な寺院で、インド亜大陸にある四大シヴァ寺院の一つでもあります。 シヴァラートリー(シヴァ神の誕生日)の日にはインド・ネパール中の巡礼者がこの寺院に詰め掛けます。破壊神であるシヴァは様々な化身を持ちますが、「パシュパティ」もその化身の一つです。 この場所には879年からシヴァ寺院があったことがわかっていますが、現存の寺院は1697年にマッラ王朝のブパティンドラ王によって建てられたものです。しかし、キラテシュワール寺院にある最古のシヴァ・リンガから推測するに、紀元前3世紀には最初の寺院が建てられたのではないかと言われています。パシュパティナート寺院は23.6mの高さをもち、寺院の四面には金色の扉が付いており、扉の両側にはヒンドゥー教の神々の像があります。 女性の力をあらわすグヘスワティ寺院は1653年に修復されたもので、父親のために火の中に飛び込んだと言う神話を持つ、シヴァ神の一人目の奥さんのサティデヴィ(カーリー)のための寺院です。この寺院にはヒンドゥー教徒以外は入ることはできません。
ラジュラジェシュワリ寺院は1407年に建てられたものですが、こちらもヒンドゥー教徒以外は中に入ることが出来ません。他にもゴラクナート寺院、ヴィシュワループ寺院などの寺院があります。橋の近くにはアルエ・ガートという火葬場があります。ヒンドゥー教徒はここで火葬されるのですが、一番川の上流にある火葬場は王族のものなので庶民は使うことはできません。また、火葬場は写真を撮ることは厳禁ですので気をつけてください。中に入ることは出来ませんが、バグマティ川の対岸から寺院の様子が良く見えます。ここにも猿が多くいるので、食べ物を入れたビニール袋を持ち歩いたり、物を食べたりすると危険なのでやめましょう。シヴァラトリ以外の祝日では、エカダシ、サンクランティ、ティージ、プルニマ(満月の日)などに多くの人が参拝します。
パシュパティナートのガート
荼毘に付し、祈る人々
シヴァ神の生誕祭・シヴァラトリ年に一度シヴァ神の生誕を祝うお祭りで、シヴァ神が地球上に降り立つ唯一の日とも言われます。この日には、ネパールやインドでは夜通しで祈りの歌や踊りが行われ、人々はシヴァ神を祀る寺院に集まります。 ネパール最大のシヴァ寺院であるカトマンズのパシュパティナートは、ネパールだけでなく隣国インドからも何万という人々が巡礼に訪れ、ひときわ賑います。神の名を唱え、神を想い礼拝する事で人生が清められると信じられ、人々は口々にシヴァの名を唱えながら参拝します。
修行者サドゥ