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ネパールみどころガイド

エベレスト街道

Everest Highway

世界最高峰エベレスト(8,848m)を筆頭にローツェ(8,516m)、マカルー(8,463m)、チョー・オユー(8,201m)の8,000mを超える4座をはじめ、ネパールの名だたる高峰がそびえるクーンブ山群。1953年、エベレスト(ネパール名はサガルマータ、中国名はチョモランマ)にエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイが南面のネパール側から初登頂に成功。 ローツェは1956年にスイス隊が、マカルーは1955年フランス隊が、チョー・オユーは1954年にオーストリア隊がそれぞれ初登頂を果たしています。エベレスト街道は、その名の通り世界最高峰エベレストを擁するクーンブ山群のトレッキング・コースです。歩くのが好きな方であればどなたでも楽しめるハイキングコースから、エベレストを眼前に仰ぐことのできるカラパタール登頂コースまで、それぞれのレベルに応じたルートを組むことができます。

ルクラ~ナムチェバザール/ Lukla – Namche Bazar

ルクラはエベレスト街道のトレッキングの玄関口です。カトマンズからの国内線でスリリングな滑走路に降り立つと、いよいよトレッキングの始まりです。 ルクラの集落を過ぎるとドゥード・コシの谷間と石垣に囲まれた家々や段々畑が広がり、このルートが生活街道であることも頷けます。 ドゥード・コシ沿いの谷間をいくつかの吊橋を渡りながら歩き、ジョサレのチェックポイントで、サガルマータ国立公園の入山手続きをします。ドゥード・コシとボーテ・コシが合流する高度感のある吊橋を渡ると、高度差600mのナムチェ坂が始まります。ここから樹林の山腹を登っていきます。標高差がありますので急いで歩くのは禁物です。天気がよければ、坂の途中でほんの少しですが初めてエベレスト(8,848m)が顔を出します。

ルクラ空港の滑走路
ドゥード・コシ川にかかる吊橋
吊橋を渡る

ナムチェバザール/ Namche Bazar

ナムチェバザールは、標高3,446mでシェルパ族が聖山とするクンビラ(5,761m)山裾に広がるエベレスト街道で一番大きい村です。トレッカーの宿泊施設なども快適で、山中に身を置いていることを忘れてしまいます。土曜になると市場が開かれ、エベレスト街道のシェルパが日用品や食料を求めて集まってき、交易の村としても栄えています。 見晴らしのよい丘には博物館もあり、サガルマータ国立公園の植物や動物、シェルパの生活ぶり、登山史などの貴重な資料が展示されています。

シャルパの里ナムチェバザールとその向こうに聳えるコンデリ(6,187m)

エベレストシェルパリゾート/ Everest Sherpa Resort

エナムチェバザールの裏山を登ったシャンボチェの丘の絶景地に建てられたのがエベレストシェルパリゾートです。 標高3,800mのこのホテルからは、エベレスト(8,848m)、ローツェ(8,516m)、アマダブラム(6,812m)など白銀のヒマラヤの大展望が広がります。宿泊することにより朝日や夕日に浮かび上がる山々を堪能して頂けます。刻々と変化する姿を目に焼き付けながら、贅沢なひと時をお過ごしください。

ロッジの中庭からの展望
レストランからの展望

ナムチェバザール~タンボチェ/ Namche Bazar - Tengboche

ナムチェバザールからタンボチェまでは、高度差約400mの行程です。 まず、ナムチェバザールからギャンツマまでは気持ちの良い尾根を歩きます。ナムチェより20分ほど歩いた尾根沿いより「母の首飾」の意味を持つアマダブラム(6,812m)、ヌプツェ(7,864m)の頂稜越しには待望のエベレスト、その右側には尖峰ローツェが現れます。プンキテンガを過ぎるとタンボチェまでの急坂の登りとなります。1時間程の樹林帯を登ると視界が開け、タムセルク(6,623m)、カンテガ(6,776m)が頭上高く展望できます。その後も樹林帯を登ること1時間、前方に仏塔門が現れ、そこを抜けるとアマダブラム(6,812m)と僧院が目に入り、ようやくタンボチェ(3,867m)に到着します。 この僧院はエベレスト街道で一番大きなもので、年に一度満月の日に開かれるマニリムドゥのお祭りでも知られています。

ナムチェバザールにて
遠くにローツェと アマダブラムを眺める
エベレストとローツェの展望
タンボチェ手前の仏塔門
タンボチェ僧院
タンボチ僧院とコンデリ

タンボチェ~パンボチェ~ディンボチェ/ Tengboche - Panboche - Dingboche

タンボチェからディンボチェまでは標高差483m。タンボチェからデボチェまでは下り、イムジャ・コーラの吊橋を渡り、チョルテンを過ぎると荒涼としたパンボチェ村に到着します。 パンボチェの集落は上下に分かれますが、ここでは下村を通り、イムジャ・コーラ沿いにゆるい登りが続きます。右手にはアマダブラム(6,812m)が圧倒的な迫力で聳えます。途中道が分かれ、左坂方面はペリチェ、右側へ進路がディンボチェ方面です。 ディンボチェ(4,350m)では、ローツェの南壁が展望できます。

アマダブラム
ディンボチェ村の後ろに聳えるローツェ南壁(右)とヌプツェ(左)

ディンボチェ~チュクン/ Dingboche - Chukhung

ディンボチェから、イムジャ・コーラ沿いを歩き、最奥のチュクン(4,730m)を目指します。 途中、ヌプツェ(7,864m)、ローツェ、アイランドピーク(6,160m)やマカルー(8,463m)が前方に迫り、ヒマラヤ襞(ひだ)で有名なカンレヤムウなど絶好の展望が広がります。 ディンボチェに2泊し、高所順応を兼ねてチュクンまでぜひ足を伸ばしてください。

ヒマラヤ襞で有名なカンレヤムウ

ディンボチェ~ロブチェ/ Dingboche - Lobche

ロブチェまでは標高差600m。まずはディンボチェの裏山の急登を30分ほど登ると視界が開けます。ここから昼食場所となるトゥクラまでは3時間ほどの行程です。 午後は、トゥクラパスを越えます。この峠からは前方にロブチェピーク、後方にアマダブラム(6,812m)、左手にチョラツェ(6,440m)、タウツェ(6,542m)の展望が広がります。 ロブチェはヌプツェ(7,864m)を仰げる標高4,930mの宿泊地です。標高も5000m近いですので朝晩の冷え込みは一段と厳しくなります。

トゥクラパスからのアムダブラム
ロブチェへ向かう途中左手にはタウツェ
ロブチェから見たヌプツェの夕焼け

ロブチェ~ゴラクシェプ / Lobche - Gorakshep

いよいよ、エベレスト街道最奥の宿泊地ゴラクシェプ(5,288m)へ。距離にすると4.5kmほどですが、標高が5,000mを越えますので苦しい行程となります。 ひたすらアブレーションバレーを北に進むと前方に「乙女の峰」を意味するプモ・リ(7,165m)が姿を現します。その後、一つの急坂を登ると目の前にクーンブ氷河と、左から合流するチャングラ氷河に到達します。チャングリラ氷河末端を横断し、サイドモレーンを歩いていくとゴラクシェプ(5,288m)に到着です。ロブチェからは半日の行程です。

プモ・リ(7,165m)
ゴラクシェプの後ろに 聳えるヌプツェ

カラパタール登頂 / Kala Patthar

三角形の容姿が美しいプモ・リ(7,165m)の手前に見える黒褐色の丘陵が、標高5,545mのカラパタールです。このコースのクライマックスの最良の展望地で、エベレスト、その右にヌプツェ(7,864m)、ロブチェピークからプモ・リ(7,165m)、眼下にクーンブ氷河が広がり、彼方にはアマダブラム(6,812m)、カンテガ、タムセルクをはじめとするクーンブヒマールが林立します。長い行程を歩いてきた者だけに許される格別な空間です。

カラパタールからエベレストとヌプツェ
カラパタールよりアマダブラム北面、カンテガ、タムセルク、クーンブ氷河を展望
夕日に染まるエベレスト(カラパタール)
カラパタールより仰ぐエベレスト(中央)とヌプツェ(右)
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