アンナプルナ山群と
ダウラギリ山群
Annapurta Himal & Dhaulagiri Himal
エベレスト街道と並んで人気の高いアンナプルナ・ダウラギリの両山群のトレッキング・ルートをご紹介します。真っ赤なシャクナゲに彩られる春のアンナプルナ・フラワーハイキングから、圧巻の氷壁・氷河に囲まれたベースキャンプの位置するヒマラヤの懐深くに入り込むコースまで、バリエーション豊かなトレッキング・ルートを詳しくご案内します。
エベレスト街道と並んで人気の高いアンナプルナ・ダウラギリの両山群のトレッキング・ルートをご紹介します。真っ赤なシャクナゲに彩られる春のアンナプルナ・フラワーハイキングから、圧巻の氷壁・氷河に囲まれたベースキャンプの位置するヒマラヤの懐深くに入り込むコースまで、バリエーション豊かなトレッキング・ルートを詳しくご案内します。
アンナプルナ周遊トレッキングのスタート地点となるフムデにはカトマンズより航空機で入ることができます。 フムデ(3,280m)からマナン(3,440m)までは約3.5時間の行程。 フムデよりマルシャンディ川沿いを1時間程歩くと、左手後方にアンナプルナⅢ峰、Ⅳ峰、Ⅱ峰が姿を現します。 川の橋を渡るとムーンジ。ここにもロッジの前にアンナプルナビューポイントなる看板が立っており快晴なら素晴らしい展望です。 山腹にへばりつく大きなゴンパがあるブラガを過ぎると、マルシャンディ川沿い最大の村マナンに到着。ここからは正面に氷河を抱いたガンガプルナ(7,455m)が高く聳えます。
マナン(3,440m)からヤクカルカ(4,018m)までは、約3.5~4時間。マナンのチョルテンでルートは別れます。左手へルートを取るとティリチョ湖方面へ。2時間程歩いたグンサングに到着です。後方にアンナプルナⅢ、Ⅳ、Ⅱ、ガンガプルナの素晴らしい展望が広がります。 さらに1時間程歩いた一軒のバッティ(茶店)に到着します。通常、ここで昼食を取ります。右手にはチュルー西峰、セントラルの展望。この辺りより標高3,000以上でした生息しないヤクを見ることができます。 そもそもヤクカルカはヤクの放牧小屋という意味です。
ヤクカルカ(4,018m)からトロンフェディ(4,450m)までは、約4時間の行程。いよいよマルシャンディ川最奥の宿泊地です。 ヤクカルカよりチュリ・レダーまでは1時間。トロンフェディではなく、その先のハイキャンプに宿泊し峠越えに挑むトレッカーはヤクカルカではなくこの村に宿泊することが多いようです。 チュリ・レダーを過ぎると、前方にトロンピークや、ヤカワ・カン(6,482m)が仰げるこの2つのピークの谷間がトロンパス(5,416m)です。 右手には、チュルー西峰が素晴らしい姿で聳えています。
マルシャンディ川がジャーゲン・コーラと名称を変えた水流の橋を渡り、山腹へ上がり一軒の茶店に到着。ここからは、前方にプルカン(Purkhung:6,120m)、プトゥンヒマール(Putrun Himal:6,466m)、ゲンジャン(Genjang:6,111m)の雪峰が姿を現します。トロンフェディには昼には到着できるでしょう。
トロンパス越えは、このコースのハイライトである一方で、最大の難関でもあります。 長い一日になるので、まだ空に星が瞬いている頃に出発するのが望ましいです。1時間半程で4,800mのハイキャンプに到着。その後、広い窪地状を回りこみ峠状の場所に出ると一軒の茶店に到着です。日も昇り太陽が心地良い時間です。 お茶休憩を取り最後の力を振り絞ります。山腹の丘陵を登り、また山腹を繰り返すこと6回程で何本ものタルチョがはためく峠にようやく到着です。峠からは、左後方にチュルー西峰、北側には岩峰のヤカワ・カン、登路を振り返れば、プトゥンヒマール、ゲンジャンの雪峰が間近に仰げます。 峠からの下りは、途中雪の斜面などもあるので十分に注意しながら下ります。約1,600mの標高差をムクティナートまで下山し長かった一日が終わります。
ムクティナート(3,760m)からジョムソン(2,743m)を経由しマルファ(2,670m)までは、約7時間。 キンガを過ぎると右足元に緑の集落が見え始めます。この村はカグベニ。この村を経由し秘境ムスタン王国方面へ行くことも可能です。ジョムソン方面はそのまま直進し、エクレバッティに向かいます。右側にはカリガンダキが流れています。 エクレバッティからは、ひたすら川原沿いの道をジョムソンを目指して歩きます。ジョムソンはジョムソン街道の拠点となる村で、飛行場もあります。 さらに2時間ほど歩くとリンゴの故郷、マルファに到着です。途中ニルギリ北峰がきれいに展望できます。
マルファは、狭い石畳道の両側に並ぶ白壁の家が独特な雰囲気を醸し出す居心地の良い村です。村中央の小高い場所にあるゴンパでは毎年10月にチベット仏教の仮面舞踏の祭りが行われます。かつでチベット潜入を果たした河口慧海もこの村で身をひそめていました。 マルファからトゥクチェまでは約2時間。手前より前方にダウラギリレンジが見え始めます。3月頃になると、道中に桃やリンゴの花が咲き乱れ、心地良いトレッキングとなります。 ラルジュンより川原を歩き、カリガンダキに架かる橋を渡り、谷を回りこむと、コケタンティに到着します。途中、ラルジュン手前よりニルギリ三峰がきれいに展望できます。 河口慧海記念館 河口慧海記念館 コケタンティからカロパニまでは山腹を登り返し、レテまでは急坂を下ります。車道の長い下りを2時間程歩くとようやくガサ(2,010m)に到着します。
ガサ(2,010m)からタトパニ(1,190m)までは、約5~6時間の行程。ガサより樹林帯の急坂を下り、コップチャパニへ。カリガンダキの橋を渡り、しばらく歩くとルクセチャハラへと到着します。 ここからタトパニまでは、ほぼ車道が整備されており歩きやすい道になります。途中左手にアンナプルナⅠ峰(8,091m)とバラハシカールBraha Shikar(7,647m)を仰ぎ見ることができます。 その名の通り「熱い水」を表すタトパニは、村で温泉を管理しています。タトパニのロッジから河原を降りると石で囲まれた四角い浴槽の露店風呂があり、ここでゆっくりとトレッキングの疲れを癒すことができます。
タトパニ(1,190m)からゴラパニ(2,874m)までは、約8時間の行程。 タトパニから30分ほど歩くとベニー方面への分岐があります。ここよりゴラパニ方面へは進路を左に取り、急坂の石段を登り始めます。2時間ほど石段を登ると視界が開け目の前に棚田が広がります。ここはガーラと呼ばれる村。棚田では麦と米を周期を変えて作っています。村を回りこみ、1時間程登るとシーカ(1,925m)に到着します。シーカからは、後方にダウラギリとトゥクチェピークの展望が広がります。 春には、シーカを過ぎると一面にシャクナゲが広がり、花のトンネルをいくつも通り抜けながらチトレ(2,390m)へと進むことができます。2時間ほどでチトレに到着します。チトレのロッジからは、ダウラギリ方面の山々がきれいに展望できるので、ここで1泊するのもお勧めです。 チトレからゴラパニまでは約1時間半の登りです。春には、ここでもシャクナゲが満開で、後方にダウラギリ方面、左手にアンナプルナサウス、ヒウンチェリとシャクナゲとの素晴らしいコントラストを眺めながら歩くことができます。
ゴラパニに滞在するのであれば、好展望地プーン・ヒル(3,198m)へ、御来光を見に行くのをお勧めします。ゴラパニからプーン・ヒルまでは約1時間の行程です。