ソコトラ島
Socotraインド洋に浮かぶイエメン領のソコトラ島は、今から2000万年前にゴンドワナ大陸から分離したと考えられています。苛酷な気象条件の中で長い年月の間に動植物は独自の進化を遂げ、アラビア半島に位置するイエメン本土とは全く異なる生態系が作り出されました。島の植物は900種を数えその内300種が固有の植物です。爬虫類は24種、鳥類は8種の固有種が現在確認され、生息する昆虫の多くもソコトラ島の固有種という特異な島なのです。
ソコトラ島で最も大きな町。町の13km西側には1999年に空港が建設されました。島の中で唯一ホテルのある町でもあります。町の南側にはハギール山地が聳えています。採れたての新鮮な魚が並ぶフィッシュマーケットや島の名産であるハチミツ屋さんは是非訪れたい所です。
カランシアの村のすぐ北側に広がる美しいビーチとラグーン。真っ白な砂浜にコバルト・ブルーの海、潮の満ち干によって作り出されるラグーンは息を呑む程の美しさ。ラグーンでさえも特異な生態系を残しており、自然保護区に指定されています。キャンプ場もあり美しいラグーンを眺めながらのキャンプ体験も可能です。
ハディボに次いで2番目に大きな町。住民の多くは漁業に従事しており、たくさんの漁船が浮かんでいます。ここからボートで1時間ほど移動するとシュワブ・ビーチと呼ばれる美しい砂浜を訪れることもできます。
島の中央部に広がる標高600~800mの高地。この辺りは島のシンボルでもある竜血樹が数多く観察できる事で有名です。ディクサム高地にあるシェバホン村では世界的な絶滅危惧種エジプト・ハゲワシが数多く観察できる他、展望台からは渓谷を挟んだ対岸に無数の竜血樹が林立する不思議な景色を眺める事ができます。
島の北東部に位置するホムヒル山。その中で特異な生態系を維持する地域が自然保護区に指定されています。悪路の急坂を登りきると乳香の木、ユニークなボトルツリー、竜血樹が一度に観察できる類稀な場所が広がっています。山肌は一面にびっしりと竜血樹によって埋め尽くされ、圧巻の眺め。イエメン本土ではほとんど見ることができなくなった乳香の木や様々な形をしたボトルツリーを観察できたりと飽きる事がありません。
美しい海に囲まれたソコトラ島の中で、海岸から直ぐに珊瑚礁が広がっているのがディハムリ海洋保護区です。ソコトラ島周辺は海の生態系も多様で、生息している海洋生物の種類は紅海とほぼ同じと考えられています。ここにもキャンプ場があり、ゆっくりと滞在したい方はシュノーケリングを楽しみ、キャンプすることもできます。
小さなピラミッドの様なスナガニの巣がたくさん観察できるビーチ。どこまでも美しい砂浜が続いています。また、モンスーンの季節に強風によって岩肌に砂が吹き上げられ、砂丘が作り出されています。
リュウゼツラン科。ソコトラ島の固有種。島のシンボルとも言える植物。この植物から取れる樹脂は「竜血」と呼ばれ、古代には貴重な輸出品でした。ローマ帝国時代でも止血剤や鎮痛剤として使われていたといいます。ディクサム高地やホムヒル保護区で数多くの竜血樹を観察することができます。
東部アフリカを原産とするキョウチクトウ科アデニウム属の植物。2つとして同じ形のないユニークな容姿が特徴で、ピンク色の美しい花からデザートローズとも呼ばれています。
ソコトラ島には8種類の乳香の木が生息しています。乳香の木からとれる樹脂は古来からヨーロッパにて宗教儀式に利用され、非常に高価なものでした。焚いて香として、又は香水の原料、漢方薬としても用いられ古代のイエメンは乳香の輸出によって莫大な富を築き「幸福のアラビア」と呼ばれたのです。