ハドラマウト地方
Hadramaout Regionかつての隊商ルートに位置し、交易の中継として古くから栄えてきたワディ・ハドラマウト最大の町セイユーン、かつてのハドラマウト王国の首都で、「砂漠のマンハッタン」と評されるシバームなど、古くからの町並みが残ります。
ワディ・ハドラマウト最大の町で、人口は約45,000人。かつての隊商ルートに位置し、交易の中継として古くから栄えてきました。英国の支配時代は北ハドラマウト地域の首都となり、現在では世界遺産の町シバーム観光の拠点となっています。 また、町の中心には1920年代にこの地域を支配したアル・カシリ王国の王によって建てられた宮殿が残り、現在では博物館として観光客に開放されています。王宮前にはセイユーンの旧市街が広がっています。スークには香辛料や日用品が並び、買い物に来る人々で賑わいをみせています。
3世紀頃から栄えたハドラマウト王国の首都となり、乳香の道を通じて運ばれる物産品の交易でその繁栄は16世紀まで続きました。シバームの独特の建築はサナアの旧市街とは一味違い、泥で造った日干し煉瓦が利用されています。熱砂と暑さが特徴のこの地では砂嵐を防いで、日陰をうまく利用するために建物を高層化し、密集させたのです。建物は5~8階建ての高層建築で、高さは平均で30m、その町並みから「砂漠のマンハッタン」と呼ばれています。
タリムはハドラマウト渓谷の中の重要な町のひとつです。セイユーンの東35kmに位置し、17~19世紀の間イエメンにおけるイスラム教スンニ派の中心地として栄え、現在でも365程のモスクがあるとされています。
町の中には1930年代に東南アジアとの交易で富を築いたアルカフ一族が建てた宮殿跡が残っています。建築様式は他のハドラマウト様式とは異なり、インドネシアの建築様式の影響を受けていると言われています。現在、そのうちの一つが博物館となり、観光客に開放されています。
ワディ(枯れ川)に位置するハジャレイン。山の斜面に聳える様に住居が並び、美しい景観が望めます。この町は養蜂で有名で、町の中には蜂蜜屋が軒を並べており、観光客にも人気のお土産となっています。
ハドラマウト地方の中心地セイユーンと、南部港町ムカッラを結ぶ道中では雄大なワディの風景が楽しめます。途中、ワディ・ドアーンの展望地では、ナツメヤシの木々が広がるオアシスの美しい眺めが広がります。