シリア北部・中部
Northern & Central Syriaトルコとの国境に近いシリア第2の都市アレッポがある北部や、現存する十字軍の城の中で最高傑作とされる要塞クラック・デ・シュバリエなどが残る、シリア中部のご紹介です。
トルコとの国境に近いシリア第2の都市アレッポがある北部や、現存する十字軍の城の中で最高傑作とされる要塞クラック・デ・シュバリエなどが残る、シリア中部のご紹介です。
シリア第2の都市アレッポはシリア北部の中心都市です。アラビア語ではハラブと呼ばれ、歴史はダマスカスに劣らず古く紀元前6,000年に遡ります。ヨーロッパとメソポタミアを繋ぐ交易により町は栄え、長い歴史の中でギリシャ、ローマ、ペルシャ、十字軍など様々な侵略を受けることとなりました。 アレッポの町は世界遺産に指定されている旧市街、高級ホテルが立ち並ぶ新市街、また、19世紀末にトルコ人の虐殺から逃れてきたアルメニア人が居住するキリスト教地区があります。旧市街には石屋根に覆われ、迷路の様に入り組んだスークや隊商宿キャラバンサライ、8世紀に建てられた大モスクなど見所が集まっています。 旧市街のすぐ東側にはアレッポのシンボルとなっているアレッポ城が聳えています。また、ウガリット、エブラなどシリア北部の遺跡からの展示品が充実した考古学博物館も見逃せません。
東西1kmにも及ぶ巨大なスークは石屋根に覆われ、迷路の様に入り組んでいます。スパイスや金細工、絨毯、衣料品などの商店が所狭しとひしめき、シルクロードの時代から変わらぬ活気を見せています。特にアレッポではオリーブ石鹸が有名で、古代にはクレオパトラがシリアを訪れた際に持ち帰ったといわれています。最近では観光客の人気のお土産となっています。
ダマスカスのウマイヤ・モスクとほぼ同時期715年にワリード1世によって建設された。もともとこの場所にはコンスタンティヌス帝の母であるヘレナが巡礼にきたことを記念する大聖堂があった場所で、8世紀にモスクに建て替えられました。
アレッポのシンボルとなっている要塞。もともとはハダテ神の神殿があった宗教的な場所であったが、12世紀の十字軍の侵略の際は難航不落の城塞として、戦略上の重要な拠点となりました。その後もモンゴルやティムールなどによる侵略の度に破壊され、再建を繰り返してきました。
ウガリット、アイン・ダラー、エブラなどシリア北部の遺跡から発掘された貴重な展示品が揃う博物館。入り口にはテル・ハラフから持ってこられたユニークな顔をした黒い石像が置かれています。
現存する十字軍の城の中で最高傑作とされる要塞で、アラビアのロレンスも絶賛したと言われています。1099年エルサレム奪回を目指す十字軍がここを占領し、強固な砦に造り替えました。 1188年にエルサレムを奪回したアラブの英雄サラディーンもクラック・デ・シュバリエの占領はあきらめたと言われています。
シリア西部のオロンテス川沿いにあるシリア第4の都市。かつてはヒッタイト王国の都市でした。 現在では木製の水車がハマのシンボルとなり、観光客を楽しませています。この水車はもともとビザンチン時代に造られ、14世紀につくり変えられたものです。最大の水車は直径20m。水車のある場所は公園の様になっており、地元の人々の憩いの場ともなっています。
エブラは紀元前2,400年頃からシリア北部を支配したエブラ王国の都跡です。1974年には楔形文字の刻まれた17000枚もの粘土板が見つかり、世界中の注目を浴びることとなりました。遺跡は50ヘクタールもの広大な敷地を持ち、現在発掘されているのは、かつての宮殿や図書館、お墓など、一部に過ぎません。