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オマーンみどころガイド

オマーン北部

Northern Oman

アラビア半島の東端に位置する国、オマーン。国土は南北に広がるため、同じ国でも地域によって様々な異なる風景が広がります。 北部にはハジャール山地が連なり、麓には緑溢れるオアシスを持つ村々が点在し、ナツメヤシや麦などを栽培する畑が広がっています。オマーンの玄関口となる首都マスカットも北部に位置します。

マスカット/ Muscat

マスカットはオマーン湾に臨む港湾都市。人口約150万人。紀元前1世紀頃に現在のアラブ人のご先祖にあたる人々が、アラビア半島北部より今のオマーンに移住してきたと言われています。オマーン湾はインド洋に繋がるため、2世紀にはインド洋の港町としてローマ、アラビア半島、インドを結ぶ貿易港として栄えていたことが古代ローマ帝国の文書に記載されています。

マスカットの語源については、諸説分かれており、1アラビア語のmoscha「停泊地」もしくは「錨を下ろす場所」、2古代ペルシャ語のmuscat(強い香り)、3アラビア語の「山が海に落ちるところ(実際オールド・マスカットの背後にある岩山が海に面している)」、4アラビア語の「隠れる」の4つが代表的です。

マスカットは①オールド・マスカット(2世紀頃のマスカットはここから発展しました)、②港湾地区のムトラ、③ルイの3つの市街地を合わせたエリアを指します。港湾地区の海岸沿いのムトラ・スークはオマーン最古のスークの一つで、その歴史は200年以上も前に遡ります。1945年に改築され、現在はオマーン南部で取られる名産品である乳香などをはじめ、ありとあらゆる商品を扱う店が密集し、質量ともにアラビア半島最大級といわれるスークに発展しました。ムトラ地区の海側はコルニッシュ通りと呼ばれ、港は観光客用のクルーズ船の港スルタン・カブース港がある港湾地区になっています。

ムトラ・スーク
港町ムトラの魚市場
グランド・モスク
伝統的なダウ船

ニズワ/ Nizwa

現在のニズワの人口は約15万人。オマーンで4番目に大きな町です。主産業は観光業と農業。ニズワは近代化されたマスカットとちがう、伝統的なオマーンが残っている場所と言われます。1970年まではオマーンといえばこのニズワを中心にした場所を指していました。
ニズワはイスラム教を最初に受容した場所でもあり、オマーンの人々にとって宗教的な聖地でもあります。ニズワの町の象徴として挙げられるのがニズワ要塞です。1624年に誕生したヤーリバ王朝がサマイル峡谷を支配するために最初に築いたのがニズワ要塞です。ニズワ要塞は17世紀に築かれたお城ですが、古い部分は12世紀にさかのぼります。現在はオマーン随一の観光地として知られています。

ニズワの要塞
週に一度の家畜市が開かれるニズワの金曜市

ミスファット・アル・アブリーン/ Misfat Al Abriyeen

ファラジが美しく、里山の村の暮らしが残っている古き良きアラビアの村の1つです。 オマーンは国土の8割が砂漠ですが、緑豊かな村で、ザクロ、バナナ、イチジク、パパイヤなどたくさんの果物が実っているとても豊かな村になります。 果樹園やナツメヤシなど緑が多い、美しい村を散策しながら世界遺産にも登録されている「オマーンの灌漑システム」がいかに、人と人を繋げ、村を緑豊かに発展させるかを感じることのできる場所です。 

オマーンで最も美しい村のひとつとされるミスファット・アル・アブリーン
世界遺産に登録された「ファラジ」という灌漑システム

ワディ・バニ・ハリッド/ Wadi Bani Khalid

石灰岩質の大地の中、地下水脈が流れ、谷間(ワディ)をエメラルドグリーンの水が満たします。沢を泳いだり、ダイナミックなワディの景観の中を歩いたりキャニオニングを楽しみます。水辺はナツメヤシや緑が多く、魚、虫など生き物たちも集まる砂漠のオアシスです。

切り立つ断崖の中に流れる渓流へ
美しいワディでのキャニオニング

ワディ・シャアブ/ Wadi Shab

ティウィという町の付近のナツメヤシが美しい谷間を歩いていくと、ワディ・シャアブというオアシスが現れます。山から流れる水が小峡や谷間(ワディ)に流れ込み、エメラルドグリーンの美しい景色が広がります。ライフジャケットを着用し、水の中を歩いたり、少し岩を登ったり、泳いだりを繰り返し最後は洞窟の中を泳いでいくと最奥には美しい滝が広がります。水が怖くなければ比較的、どなたでも楽しめるキャニオニング。砂漠だけではない、オマーンのさらなる魅力が広がっています。

美しいワディでのキャニオニング
切り立つ断崖の中に流れる渓流へ
洞窟内に流れ込む滝

ホワイトデザート/ White desert

今でも伝統的な漁を行うカールーフの漁村のさらに奥に広がるホワイトデザート。
途中、ビーチ沿いを四輪駆動車で走ると、ものすごい数のカモメが一斉に飛び立ち、その光景は壮観です。目の前がビーチで、その奥に進むにつれて真っ白の砂丘が広がります。ルブ・アル・ハーリー砂漠の赤色とも違い、砂の色の変化も楽しめます。砂丘での夕日、アラビア海に広がる朝日を存分に楽しめる白亜の砂漠です。

白亜の砂漠
砂漠でのキャンプ

アルキタイム(アラビア半島のグランドキャニオン)/ Al Khitaym

ハジャール山脈の麓に広がるアル・キタイム。知る人ぞ知る絶景が広がる、アラビア半島のグランド・キャニオンです。
昔の海底が隆起した地形でオフィオライトと呼ばれている地質好きにもたまらない場所の1つです。途中、右手にハジャール山脈に聳え立つオマーン最高峰ジュベル・シャムス(太陽の山)を望むことができます。ハジャール山脈が織り成す迫力ある断崖の景色を存分にお楽しみいただけます。地形の変化が大きい国だからこそ楽しめるオマーンのハイライトの1つです。

アラビア半島のグランドキャニオン

ジュベルシャムス/ Jebel Shams

中東のグランドキャニオン ハジャール山脈に聳える山、ジュベル・シャムス。現地では太陽の山とも呼ばれ、北峰(3,004m)と南峰(2,997m)があります。登山口からジュベル・シャムスの稜線までは約5時間程度、急登はなく、緩やかに標高を上げていきます。トレッキング中に目を楽しませてくれるのは、ハジャール山脈が織り成す迫力ある断崖の景色です。このハジャール山脈は海中でしか見ることのできないオフィオライト(※1)が世界最大規模(長さ500㎞、幅80㎞、厚さ80㎞、)で陸上に露出したものであり、大変珍し地質をみることができます。そして足元に目を凝らすと、模様のようにみえるのは虫の印象化石(※2)。白亜紀にテチス海の中央海嶺で作られた物といわれております。ジュベル・シャムスはこのようにダイナミックな景観とアラビアの太古を感じることができます。

※1:海洋地殻から上部マントルにかけての連続した層序がみられる岩体 のこと。沈み込み帯や大陸衝突境界などにおいて、海洋地殻などが大陸地殻に衝上し、地殻変動などによりその構造が地表に露出するようになったものである。
※2印象化石動植物の輪郭のみが化石となったもの。生体が堆積物などに強く押しつけられ、外形が写し取られてできる。

ジュベルシャムスの岩盤を歩く
ジュベル・シャムス頂上から中東のグランドキャニオンを望む
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