レバノン北部
Northern Lebanonレバノン第二の都市トリポリをはじめ、フェニキア人の発祥の地として知られ、アルファベットの起源となったフェニキア文字が造られたとされるビブロス、そして国旗にも描かれるレバノンの象徴レバノン杉の森など、みどころの多いレバノン北部のご紹介。
レバノン第二の都市トリポリをはじめ、フェニキア人の発祥の地として知られ、アルファベットの起源となったフェニキア文字が造られたとされるビブロス、そして国旗にも描かれるレバノンの象徴レバノン杉の森など、みどころの多いレバノン北部のご紹介。
ベイルートから北へ86km。地中海に面したレバノン第2の都市。古代、地中海交易を支配したフェニキア人の港町として栄え、シドン、ティールと共にトリポリスと呼ばれる重要都市となりました。13世紀マムルーク朝により征服され、現在残っている建物の多くはこの時代に造られたものです。
フェニキア人の発祥の地として知られるビブロス。アルファベットの起源となったフェニキア文字もここで造られたと考えられ、アルファベット発祥の地と言われています。フェニキア時代の神殿や住居跡、十字軍の砦など様々な時代の遺跡が残り、ユネスコ世界遺産に指定されています。 紀元前3000年頃からフェニキア人はこの地に住み始め、レバノン山脈に自生するレバノン杉から船を作り、地中海貿易を支配しました。後に、ローマ帝国の力が強まると、ベイルートなどに交易の拠点を奪われ、ビブロスは衰退の道をたどることとなります。 「ビブロス」のギリシャ名は書物を現すパピルスであり、後には「バイブル(聖書)」の語源になったとも言われています。ビブロスで発掘された重要な出土品のほとんどは、現在ベイルートの国立博物館に保管されています。
トリポリから内陸部へと続くレバノン北西部は雪をいただくレバノン山脈と緑豊かな景色が広がり、その景色の美しさはレバノン随一と言われています。また、この地方は国旗のデザインにも用いられるレバノン杉で有名で、ブシャーレから5kmほど山手に入った高地に樹齢1000年以上のレバノン杉が茂っている場所が残っています。 かつてレバノン全体を覆っていたと言われるレバノン杉の森は、大規模な伐採により約1200本が残るのみとなってしまい、現在、森は保護区に指定されています。 良質の木材であるレバノン杉は、古代からエジプトやメソポタミアなどにおいても建材や船材に利用され、フェニキア人達もこの木を使って船を造り、地中海交易を支配したのです。 現在わずかにレバノン杉が残るカディーシャ渓谷とレバノン杉の森は世界遺産に登録されています。