ヨルダン中部
Northern Jordan地球上で最も低い海抜マイナス430mの死海、古代パレスチナ地図のモザイクが残るマダバ、モーセゆかりの教会跡の残るネボ山、王の道に位置する十字軍の要塞跡・カラクなどの見所が残るヨルダン中部。
地球上で最も低い海抜マイナス430mの死海。アンマンやケラック方面から死海へ向かうと、車はぐんぐんと高度を下げていきます。東アフリカから紅海、そしてアカバ、この死海とヨルダン渓谷を貫く「大地溝帯」の深部へ下って行くことを実感せずにはいられません。かつては海の底だったこの付近は海底隆起が生じ、パレスチナの高原や東岸の丘陵地帯ができたと同時にプレートの裂け目であったためヨルダン渓谷に断層が生じました。断層の西側(イスラエル側)はアフリカ・プレート、東側(ヨルダン側)はアラビア・プレートです。湖岸には高級リゾートのプライベートビーチから日帰りが楽しめるパブリック・ビーチまで様々な施設があります。対岸にイスラエルを望む絶景のリゾートで1泊し、死海エステを経験するのもお勧めです。
アンマンから南へ30km。聖書の時代には「水の流れの多い」という意味のメデバと呼ばれ、洗礼者ヨハネが布教活動を行った場所でもあります。マダバで最も有名なのは聖ジョージ教会で、6世紀に造られたとされるモザイク地図が残っています。世界最古の古代パレスチナ地図と言われ、聖地エルサレムの旧市街は城壁や門などが細かく描かれ、その他にも魚が泳ぐヨルダン川、ナツメヤシが茂るエリコなど聖書の時代を今に伝える貴重な資料となっています。
アルメニアとの国境にある町カルスより50kmのところに、アニ遺跡があります。10世紀、アルメニアのバグラト朝の王アショット3世がカルスからアニに遷都してからアルメニア王国として栄えたところです。シルクロードの中継都市として、またアルメニア正教の宗教的中心地として繁栄しました。 遺跡内部には、かつて1,001もの教会があったほどで、現在も、11世紀前半に建設された大聖堂跡やカテドラル、とんがり帽子が特徴のアルメニア教会である聖グレゴリオ教会が残っています。春から夏にかけて、一面緑の美しい景色となります。
東部アナトリア最大の都市エルズルムは標高1,853mの高地にあるため、冬には雪が降り積もり、スキーが楽しめる場所のひとつとなっています。 エルズルムの見どころは、「ヤクティエ神学校」と「チフテ・ミナーレ」です。これらは、元々神学校として機能していましたが、現在は一般公開されています。 この神学校の一番の特徴は、高く聳え立つミナーレ(ミナレット)で、タイルの組み合わせにより、非常に美しい模様を生み出しています。「チフテ・ミナーレ」のチフテとは「対」を意味しており、その名のとおり正面入り口には重厚な2本のミナーレが並んでいます。