タミル・ナードゥ
Tamil Nadu東はベンガル湾に面し、西はケララ州とは西ガーツ山脈を隔てて隣接しています。タミル・ナードゥはドラヴィダ文化の宝庫といわれ、その伝統は現在も色濃く残っており、ゴープラムといわれるヒンドゥー寺院の塔門や尖塔が町中で見られます。ヒンドゥー寺院は社会生活の重要な柱となっており、インド最大のヒンドゥー寺院「ミナークシ寺院」ではインド中からの参拝客で連日賑わっています。
東はベンガル湾に面し、西はケララ州とは西ガーツ山脈を隔てて隣接しています。タミル・ナードゥはドラヴィダ文化の宝庫といわれ、その伝統は現在も色濃く残っており、ゴープラムといわれるヒンドゥー寺院の塔門や尖塔が町中で見られます。ヒンドゥー寺院は社会生活の重要な柱となっており、インド最大のヒンドゥー寺院「ミナークシ寺院」ではインド中からの参拝客で連日賑わっています。
この岬は何と言っても「インド亜大陸の最南端」であり、アラビア海・インド洋・ベンガル湾の3つの海が出会う所。インドで唯一、太陽が海から昇り、海へ沈んでいきます。ヒンドゥー教徒は、川や海が合流し、一つのものになっていくことを神聖だと考えます。コモリン岬も南インドの聖地と呼ばれるのはそうした理由とこの土地の土着の女神クマリ・アンマンの物語に由来しているからです。 ここへ来たなら、日の出の時間に海岸へ行き、海から昇る朝日を見に行きましょう。インド各地より同じ目的でやって来た人々がたくさんいるはずです。両手を合わせて祈る姿は印象的です。朝日を拝んだら、クマリ・アンマン寺院やボートに乗ってヴィベーカナンダ岩に行くことも出来ます。ただし朝は大変混み合うので時間がかかりますので注意が必要です。
南インド最大の寺院「ミナークシ寺院」があるのがこのマドゥライ。人口90万を超える大都市です。毎日、南インド各地から巡礼やお参りにやって来る人々で賑わっています。ミナークシはもともとはこの土地の土着の神で「魚の目を持つ女神」と言われ、シヴァ神の妃であるパールヴァティーと同一視されるようになりました。魚の目を持つ、と言われていますが「魚のようにまばたきをすることもなく、いつでも私達を見守っている」存在として崇められています。 寺院には東西南北に塔門(ゴプラム)があり、おびただしい数のヒンドゥーの神々や動物の彫刻で埋め尽くされ見る者を圧倒します。塔門内は「小宇宙を表している」と言われます。寺院内部の観光を合わせて、約二時間はかかります。 千柱堂や各神々の神殿にある彫刻は美しく、寺院全体は重厚な石造りで迫力があります。寺院内の観光が終わったら、北門にある政府公認のエンポリウムの屋上より、寺院全景が眺められます。今まで見て来た圧倒的な寺院がどのように配置・設計されているのかがよくわかります。エンポリウムですが、お土産を買わなくても無料で屋上に上がらせてくれます。またこの寺院は毎日クロージングセレモニーとして、夜の九時過ぎ頃、神輿に像を乗せ、神官達が練り歩きます。昼間とはまた違う雰囲気ですので、ご覧になられてはいかがでしょうか。
タミルナードゥ州のタンジャブールは9~13世紀にかけてチョーラ朝の首都として栄え、この町を起点として目を見張る寺院群がたくさん作られました。その中でも最も大きくて有名なのが、タンジャブールにあるドラヴィダ建築の最高峰と呼ばれるブリハディーシュワラ寺院。「王の中の王」ラージャラージャ1世が1010年に7年間の歳月をかけて建てました。王はこの時代にシヴァ神の寺院群を数々建て、バラモン文化を華咲かせた人物として知られています。 ブリハディーシュワラ寺院の塔門(ゴプラム)の彫刻の美しさもさることながら、驚くべきは寺院の一番上にある頂部に置かれた冠石の大きさ。単一の花崗岩をドーム状に加工したといわれ、重さは約81トンもあります。この石を頂上に置くため、当時は丸太をつなぎ約6キロメートルに渡る大斜面をつくり、象に運ばせて塔の頂上まで引っ張り上げたそうです。作り上げた時の王の自信はいかほどのものだったでしょうか。その他、周辺のガンガイコンダチョーラプラムにも同名の寺院があり、またダーラースラムにも同じく山車のかたちをしたチョーラ朝時代の寺院が残ります。
マハーバリプラムはチェンナイからベンガル湾沿いへ約60km。小さな町ですがここにある数々の遺跡は世界遺産に登録されています。
マハーバリプラムでは、「海岸寺院」と「遺跡公園」と呼ばれる部分の2つに大きく分けられます。海岸寺院はその名の通り海岸線間近に8世紀に建てられた小さな寺院。海のすぐ近くのため波や風による浸食を受けていますが、今は防風林を植え防ぐ対策がとられています。寄り添うように建てられたシルエットの美しい寺院です。この寺院は石を積み上げて作った石積寺院で、当時としては高度な技術でした。遺跡公園には、世界最大のレリーフである「アルジュナの苦行」が圧巻です。岩と岩の間には今にもガンジス川が降下しそうであり、修行者の姿や動物たちの彫刻は今にも動きだそうとするほどです。
その他、クリシュナのマンダパ、ヴァラーハ・マンダパなどの石窟内にあるレリーフ、絶妙なバランスを保っているクリシュナのバターボールもぜひお見逃しなく。また、7世紀に作られた「5つのラタ」はドラヴィダ建築の原型となり、これ以降の南インドの寺院はこの5つの石彫り寺院のどれかに当てはまると言われています。見本市のようになっており、そのような段階を追って石を彫っていくのかがよくわかります。
チェンナイから77km。緑の田園風景を抜けると、いくつもの塔門(ゴプラム)が頭を出している町があります。それがヒンドゥー7大聖地の一つとして知られるカンチープラムです。 この町には大小あわせて200の寺院があると言われ、現代の町は7~8世紀にパッラバ朝の都として栄えた古都の中に合わせて作られています。カンチープラムで最も美しい寺院と呼ばれるのは8世紀に作られたカイラーサナータ寺院。マハーバリプラムの海岸寺院を真似たといわれ、寺院を囲む回廊には小祠堂があり、美しいレリーフが残ります。エーカンバラナータル寺院はこの町最大の寺院で、時代は下り16~17世紀に作られました。 この寺院には面白いお話が残されています。本堂の脇に樹齢3500年と言われるマンゴーの木があり、枝ごとに違う味の実をつけます。残念ながら近年に一度枯れてしましました。伝説ではシヴァ神とパールヴァテー女神がこの木の下で結婚したと言われ、この木になるマンゴーを食べると子宝に恵まれると信じられています。また、この町にはシルクでも有名な産地として、インドの中でも大変有名です。
チェンナイはタミルナードゥ州の州都で、インド大都市の1つで人口は640万人を超えます。タミルナードゥ州は北インドと違い、イスラムの影響を受けず、古来からあるドラヴィダ文化の中心地で今もなお、その文化を残そうと大きな力を発揮しています。インドの最も代表的な古典舞踊「バラタナティアム」もチェンナイでは盛んに教えられています。チェンナイは1639年にイギリス東インド会社が設立され、その当時の名残を残す旧市街や教会があります。 おすすめは長い海岸線のマリーナビーチ。夕暮れ時には人々がどこからともなく集い、サリーを着て海で遊んだり涼んだりと憩いの場になっていて、大都会の喧騒を忘れさせてくれます。