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インドみどころガイド

グジャラート

Gujarat

インド西部に位置するグジャラート州。中心都市のアーメダバードは工業化が進み、インドの中でも最も豊かな州の一つです。インド唯一の禁酒州でもあります。ここに暮らす人々はヒンディー語の他にグジャラーティ語を話します。インド独立の父として知られるマハトマ・ガンディーはグジャラート州の出身です。

アーメダバード/ Ahmadabad

グジャラート州最大の都市アーメダバード。近年、急速な発展を遂げる都市のひとつで人口は600万を越えると言われており、日本からも毎年多くの企業が進出しています。この町は、1411年グジャラートのスルタンであったアーメド・シャー1世により建設され、彼の名に因んで「アーメダバード」と名付けられました。 アーメダバードでは、旧市街に残る伝統的なイスラム建築をはじめ、グジャラート州、ラジャスタン州に多く残る特徴的な地下建築「階段井戸」、そして、近代建築の聖地と呼ばれる所以のコルビジェ建築など、貴重な建築物を数多く見ることができます。

ジャママスジッド(金曜モスク)

1423年にアーメド・シャーによって建てられたアーメダバード最大のモスク。 15の異なる高さのドームを260本もの柱で支えています。ヒンドゥー教やジャイナ教の寺院の建材を使用しているため、柱には蓮や金剛杵の彫刻が残っています。

バドラ城

1411年、アーメド・シャーによって建てられ、後にヒンドゥーの女神カーリー神の化身バドラにちなんで名付けられました。今は政府の庁舎として使用されているため、外観からのみの見学となります。 バドラ城の東側に建つ門はティン・ダルワージャ(3連の門)と呼ばれ、かつての王が城からジャママスジッドに向かう行列を眺めるために造られた門です。

ガンジー・アシュラム (サーバルマティー・アシュラム)

ガンジー(本名:モーハンダース・カラムチャンド・ガンジー)は「マハトマ・ガンジー」という名で知られていますが、「マハトマ」とはインドの詩聖タゴールがガンジーに贈った称号で「偉大なる魂」を意味します。そのガンジーが活動の拠点とした場所です。 現在は彼が寝起きをした非常に質素な家に、実際に使った糸を紡ぐ車や台所が展示されており、また、併設されている小さな博物館には生前彼が受け取った手紙や写真、生涯の記録等が展示されています。 1930年3月12日に、カンベイ湾までの「塩の行進」のスタート地点となった場所です。

サンスカル・ケンドラ博物館

1985年、ル・コルビジェによって手掛けられた建築。コルビジェが世界に残した3つの美術館建築が、チャンディガール美術館、上野の西洋美術館、そしてこのサンスカル・ケンドラ博物館です。アーメダバードの歴史と文化、そして 凧上げが盛んなアーメダバードならではの、凧の展示が行われています。

アダーラジの階段井戸

アーメダバード市内から約20㎞。1499年にルージュハー王妃によって造られた階段井戸です。「階段井戸」とは水が慢性的に不足するグジャラート州やラジャスタン州で多く見られる井戸。当然井戸としての機能も有している一つの芸術作品です。アダーラジの階段井戸には地下5階建ての井戸の壁面一杯に精緻な彫刻が施されています。

キャリコ博物館

かつてのマハラジャの邸宅を改築し、キャリコ(更紗)をはじめ、アンティークのテキスタイルが所狭しと展示される世界でも有数の博物館です。午前、午後の2回のみ、それぞれ約2時間に限り、博物館ガイド同行で入場が可能です。一日の入場者数には人数制限が敷かれているため早めに出かけた方がいいでしょう。英語、ヒンディー語のみのガイディングですが一見の価値は十分にあります。※写真撮影は禁止

ジャママスジッド(金曜モスク)
アダーラジの階段井戸
バドラ城
ガンジー・アシュラム
サンスカル・ケンドラ博物館

バジャナ/ Bajana

小カッチ湿原に位置する村でバハルワード族やラバリ族が住んでいます。

小カッチ湿原

野生動物保護区ここでは国際保護動物のアジアノロバが見ることができます。非常に臆病な動物なので、近付くと等間隔を保ちながら逃げていきます。 また、アラビア海から吹き付ける強風と時折の雨のため、この湿地には塩分が含まれており、乾期(10月~3月)には、一面真っ白な塩田を見る事もできます。

バハルワード族

彼らはウッタールプラデーシュ州から来たとされ、自分たちをクリシュナ神の子孫だと信じています。伝統的な衣装はラバリ族と似ています。家畜の放牧を生業としています。

ラバリ族

主にグジャラート州及びパキスタンのシンド地方に居住しており、クリシュナ神を信仰するヒンドゥー教徒です。放牧を生業としていますが、昨今では、定住化が進み、農耕も行っています。

アジアノロバ
バハルワード族の女性
家財道具をラクダに積んで移動するラバリ族

ブジ(カッチ地方)/ Bhuj (Kutch District)

本物の手仕事に触れることがほとんど出来なくなった今でも、グジャラート州はバラエティ豊かな手仕事が脈々と受け継がれています。 カッチは「亀」を意味するカチボという言葉からつけられた地名で、Great Rann of Kutchと呼ばれる塩生の湿地帯が広がります。雨期には水浸しになってしまう大カッチ湿原の厳しい環境の中、ここに暮らす人々は暮らしに色彩を与える、素晴らしい装飾と手工芸品を発達させました。 2001年1月にグジャラートを襲った大地震で最も被害が大きかったのがこの地域であり、残念ながらその時にブンガと呼ばれる伝統的な泥づくりの住居の多くが失われてしまいました。現在は手工芸のその技術高さはから世界的にも有名になり、様々な村で独創的な作品が作られています。

メグワル族

カースト制が厳しく敷かれていたインドで、マハトマ・ガンジーは不可触賤民とされる人々に「ハリジャン=神の子」と名付けました。この「ハリジャン」とは、メグワル族に与えられた名前なのです。 メグワル族はもともとラジャスタン州のマルワールの出身で、そこからカッチ地方に移り住んできました。手工芸が盛んで、前掛けのような女性の衣装には色彩豊かな糸を使った豪華な刺繍が施されています。

ムトワ族

ムトワ族はパキスタンとの国境沿いに住むムスリム。まるでミシンで作成したかのように目の細かい刺繍が特徴的ですが、この刺繍を広めたのが、伝説の人グルバグ・ミアン・フサイン・ムトワ氏です。 彼が広めたムトワの伝統技術はやがてカッチ地方全体に広まり、「グジャラート刺繍」を世界中に知らしめることになりました。

ドーラビーラ

カッチ湿原に浮かぶカディール島にあるインダス文明の都市遺跡です。1967年に発見され、1989年から現在に至るまで発掘作業が続けられています。紀元前3000年には既に村は形成され、約1500年の間に渡って人々が住み続けました。 この地域は非常に乾燥しており、その対策として造られた用水路や貯水池の形成技術の高さが注目されています。

刺繍を施すメグワル族の女性
ムトワ族の刺繍
ドーラビーラ遺跡

パタン/ patan

アーメダバードから北西130㎞に位置する町で、精巧に作られた古い木造家屋が細い街路の周りに建ち並びます。1024年にイスラム勢力に征服されるまでは、ヒンドゥーの中心地として栄えた町です。

パトラ織

琉球絣や伊予絣など、日本でも好まれる絣織りですが、起源はインドにあります。インドで織られた絣はタイ、インドネシアへ、そして琉球へと渡り、日本各地に分布することになりました。パトラ織は絣の中でも、非常に高度な技術を要します。まずデザインの完成図を職人全員が頭にインプットします。最初の行程は、経糸、緯糸を染めるところから始まります。細い絹糸を束ね、綿糸で何カ所も括っては染め、括った箇所を解いては染めと何工程も経て10以上の色で染め上げていきます。緻密に計算をして染め上げられた経糸を織機に張り、緯糸をシャトルに巻きつけます。それを2人1組となり、織りあげていきます。0.1㎜単位で経糸と緯糸の色を合わせる必要があり、見事、色が合った時、鮮やかな色柄が浮かびあがります。パトラ織はマーケットなどに売りに出されることはなく完全オーダー制で、サリー1枚の布で、車が1台買えると言われるほど高価です。

モデラーのスーリヤ(太陽)寺院

11世紀にビムデフ1世により建てられたこの寺院。スーリヤ寺院といえば、世界遺産にも認定されているオリッサ州・コナーラクの寺院が有名ですが、このモデラーの寺院はコナーラクよりも200年ほど新しいものです。一年に2日だけ、春分と秋分の日の出時に太陽神スーリヤが祀られる本殿に陽が差し込む造りになっています。52本ある柱にはラーマヤナやマハーバーラタの場面が彫刻されています。外壁にも精緻な彫刻が施されています。

パトラ織の技術を現在唯一継承するサルヴィ家

経緯絣(ダブルイカット)のパトラ織り
モデラーのスーリヤ寺院 神殿と長方形の階段井戸スーリヤ・クンド

ロータル/ Lothal

1954年に発見されたインダス文明の都市遺跡です。4500年前に築かれたこの都市遺跡はパキスタンのインダス川流域にある古代都市モヘンジョダロやハラッパと関連があると考えられています。 「ロータル」とはグジャラーティ語で「死の塚」を意味し、「モヘンジョダロ」のシンド語と同じ意味です。街路が整然と配置され、排水システムが整い、几帳面に積まれたレンガの建造物等が見つかっています。

ロータル遺跡

ポシナ/ Poshina

アーメダバードから北へ約4時間。ラジャスタン州との州境の小さな村です。この村にはガラシア族やビール族が住んでいます。

ポシナの祭壇

テラコッタで作られた馬が奉納されている、自然崇拝の祭壇です。この地では、馬は天まで自分の願いを速く届けてくれると考えられています。

ガラシア族

ドゥングリ・ビール族とも呼ばれるインドの指定部族で、農業や牧畜を生業としています。女性はエプロンのような前掛けの衣装が特徴的です。

ビール族

ビールの名称は「弓」を意味するドラヴィダ系言語の「Vil」が語源だと考えられています。各家庭に置かれてある弓は今でも村同士の争いや狩りに使われています。

沢山のテラコッタの馬が奉納される祭壇
ガラシア族

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