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インドみどころガイド

ダージリン

Darjeeling

世界屈指の高級茶葉ダージリン・ティーの産地として知られるダージリンは、インド国内でも有数の避暑地となっています。ヒマラヤの名峰カンチェンジュンガの勇姿をバックに、イギリス植民地時代の名残を色濃く残す町並みと広大な茶畑が標高2,100mの山腹に広がっています。ダージリンの名前は、昔この町にあった「ドルジェ・リン(DorjeLing)」という仏教僧院の名前に由来しているそうです。世界遺産にも登録されているアジア最古の登山鉄道、トイ・トレインでも有名なこの町には、ネパール人、ベンガル人、シッキム人、チベット人などの住人に加え、各国からの旅行者やインド人の避暑客も多く、異国情緒が漂っています。

トイ・トレイン/ Toy Train(Darjeeling Himalayan Railway)

トイ・トレイン(おもちゃの鉄道)の愛称で親しまれているダージリン・ヒマラヤ鉄道は、アジア最古の登山鉄道です。1879年にイギリスが紅茶の輸送と避暑客の便宜を図るために敷設を開始し、1881年に全線開通。1999年に世界遺産に登録されました。ニュー・ジャルパイグリからダージリンまで、全長88kmの区間を、時速10km程のゆっくりとした速度で7~8時間かけて走破します。標高差は2,000m、線路幅はわずか61cmです。現在では、一般車両はディーゼル機関車に置き換わっていますが、開業当時の姿の蒸気機関車が一部観光用に使用されています。

ダージリン~グーム間を折り返し運転する「JOYRIDE」はシーズン中に増発される観光用蒸気機関車で、約1時間の乗車をお楽しみいただけます。車窓から垣間見える人々の生活の様子や周りの民家、山岳風景を眺めながらゆっくり進み、「バタシア・ループ」と呼ばれる円形の場所で約10分停車します。ここは高低差を解消するために、線路が大きく円を描いているところで、線路の内側には色とりどりの花壇や、グルカ兵の慰霊碑があり、乗客も列車から降りて写真撮影等することができます。トイ・トレインは非常に人気が高く、当日の切符入手は困難なので、事前に予約しておきましょう。

トイ・トレイン
開業当時の姿の蒸気機関車が一部運行

タイガー・ヒル/ Tiger Hill

ダージリンから南へ約11km、標高2,590mのヒマラヤ展望台タイガー・ヒルは、世界第3位の高峰カンチェンジュンガをはじめとするヒマラヤ山脈の雄大な展望を楽しめる人気の場所です。天気の良い日には遠くにエベレストの雄姿を眺められることもあるそう。日が昇るにつれて刻一刻と朝焼けに染まり、色を変化させていく大自然のパノラマ。この感動は忘れられないものとなるでしょう。日の出前に到着できるよう、ぜひ頑張って早起きしてみてください。また、タイガー・ヒルでの見学には入場料がかかります。屋外、屋内に別れており部屋のランクもいくつかありますが、ソファーがある最上階の部屋はチャイ・ビスケット付きでくつろぐことができます。

タイガー・ヒルからの眺望
朝焼けに染まるヒマラヤ

ヒマラヤ動物園・ヒマラヤ登山学校/ Darjiling Zoo & Himalayan Mountaineering Institute

ヒマラヤ動物園は、1958年にヒマラヤ地方の動物の研究、保護、保存を目的に建設されました。インドで唯一シベリアン・タイガーが飼育されていることでも知られており、ユキヒョウ、レッサーパンダ、チベットオオカミ、ヒマラヤン・ブラックベア等、ヒマラヤ地方に生息する動物を見学することができます。同じ敷地内にあるヒマラヤ登山学校は、1953年にエドモンド・ヒラリー卿と共にエベレストに初登頂したテンジン・ノルゲイを初代校長に迎え、インドの登山家(時には軍隊、国境警備隊)を訓練するために、1954年に建てられた学校です。登山博物館には、昔の登山用具、ヒマラヤ山脈の動植物標本、エベレスト登頂者たちの写真などが展示されています。1975年に女性で世界初のエベレスト登頂を果たした田部井淳子さんも紹介されています。

ヒマラヤ動物園入口
レッサーパンダ
ヒマラヤ登山学校

グーム僧院(イガ・チョリン・ゴンパ)/ Ghum Gompa(Yiga Choeling Gompa)

別名「イガ・チョリン・ゴンパ」とも呼ばれる、1875年創建のゲルク派のチベット仏教僧院。ご本尊は約5mの弥勒菩薩で、色鮮やかな堂内の壁画は一見の価値があります。ダージリンに多数ある仏教僧院のほとんどで堂内の写真撮影は禁止されていますが、この僧院では写真1枚につき10Rsのお布施を支払うことで許可されています。

グーム僧院の外観
本尊の弥勒菩薩

紅茶園/ Tea Estate

ダージリン周辺にはなだらかな丘陵地帯が続き、その斜面には世界的に有名な銘茶を栽培する紅茶畑が広がっています。標高約2,100mに位置するダージリンは非常に霧の多い所ですが、この条件こそが紅茶栽培に最も適しているのだそうです。ダージリン郊外にはいくつもの紅茶園があり、4~10月の収穫期には、茶摘みの風景や紅茶の製造工程を見学することができます。ハッピー・ヴァレー紅茶園やタクバル紅茶園などが有名です。ダージリンにはネパール系の人々が多く住んでいますが、それは英国がこの地で紅茶栽培を始めた19世紀後半に、紅茶園で働く安価な労働者が大量に必要となり、ネパールからたくさんの人々を移住させたためです。現在も、ダージリンの人口の半分以上は紅茶関係の仕事に従事しているとのことです。

丘陵に広がる紅茶園
茶摘みをする女性

チベット難民センター/ Tibetan Refugee Self-Help Centre

チベット難民センターは、中国チベット自治区から亡命してきたチベット難民の自立支援のために1959年に設立されました。学校、孤児院、託児所、工芸作業所などがあり、観光客でも糸つむぎ、カーペット織り、毛糸の小物作りなどの工房を自由に見学することができます。敷地内のお店では、彼らが作った工芸品を手頃な価格で購入することもでき、収益金はチベット人共同体に還元されます。

チベット難民センター
カーペット織り工房

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