ティンプー~ウォンディポダン
Thimphu & Wangduephodrang雲龍の国の首都・ティンプーを後にし、東を目指します。ホンツォの集落を過ぎると標高を上げて行き、この区間の最高地点ドチュ・ラへ。ドチュ・ラを過ぎ、山道をぐんぐん下っていくと周囲にはバナナの木等が見え始め、ひんやりとしたヒマラヤの空気から湿気を帯びた熱帯の空気へと変わってきます。この周辺はかつての冬の首都。ロベサを左に曲がるとプナカへ。そのまままっすぐ進むとウォンディポダンへ向かいます。
雲龍の国の首都・ティンプーを後にし、東を目指します。ホンツォの集落を過ぎると標高を上げて行き、この区間の最高地点ドチュ・ラへ。ドチュ・ラを過ぎ、山道をぐんぐん下っていくと周囲にはバナナの木等が見え始め、ひんやりとしたヒマラヤの空気から湿気を帯びた熱帯の空気へと変わってきます。この周辺はかつての冬の首都。ロベサを左に曲がるとプナカへ。そのまままっすぐ進むとウォンディポダンへ向かいます。
首都ティンプーを出て少し走ると、右手前方に大きな建物が見えてきます。ここがブータン最古のゾンであるシムトカ・ゾン。17世紀に、ブータン統一の祖であるシャプドゥン・ンガワン・ナムギャルによって建てられました。ブータンのゾンは、政庁・僧院といった複数の機能を有する場合が多いですが、その様式の原型となったのがこのシムトカ・ゾンといわれています。パロから東ブータンのタシガンへと向かう道路と、インドとの国境プンツォリンから首都ティンプーへと続く道路が交差する、非常に重要な立地。このシムトカ・ゾンを過ぎるとどんどん標高が上がって行きます。
チベット系の住民が数多く住むホンツォの集落はリンゴで有名。多くのリンゴの木が生えているのが車窓からでも見えるはずです。ここにはチェックポストがあり、プナカ、ウォンディポダンへ向かう車は必ず止まります。時期が合えば道沿いの露天で獲れたてのリンゴを売っているかもしれません。ホンツォのチェックポストを過ぎるとドチュ・ラまでは10分程の距離です。
プナカ、ウォンディポダン、さらに東へと向かう観光客が最初に通る3,000m級の峠がこのドチュ・ラです。「ラ」とは峠の意味。ここには古くからある大きなチョルテン(仏塔)と、2004年に先代の王妃によって建立された108もの小さなチョルテン群が並んでおり、晴れていれば美しいブータンヒマラヤの山並みが望めることもあります。
峠の前後には美しい原生林が広がっており、春から初夏にかけては色鮮やかな満開のシャクナゲが見られることでしょう。峠から先は急激に標高を下げていきます。最初に通過する集落はロベサ。ここがプナカ方面とウォンディポダンからその先、トンサ、ブムタン方面への分岐点となっています。
ロベサからプナカ方面へ向かう道の周辺には、美しい田園風景が広がっています。標高はぐっと下がり約1,300m。気温も高くなり周囲にはバナナの木が生えています。周囲には棚田が広がり、遠くには小さな僧院を望む事が出来ます。この丘の上に建つ小さな僧院がチミ・ラカン。15世紀末に建てられた子宝の寺として有名な僧院です。
チミ・ラカンから再び車道に戻りさらに先へ進むと、左手に「ニュープナカ」と呼ばれるクルタンの街が見えてきます。この街を通り過ぎるとプナカに到着。プナカ・ゾンはポ・チュ(父川)とモ・チュ(母川)の合流点に建つ一際目を惹く大きなゾン。周辺の温暖な気候から春にはゾンの周りを美しいジャガランダの花が取り囲みます。ここは1955年にティンプーが通年の首都に定められるまで冬の間の首都だった場所。今でも冬になるとティンプーのタシチョ・ゾンにいる僧たちは、最高権威であるジェ・ケンポ大僧正を筆頭にこのゾンにやって来ます。ゾンの最奥部のキンレイ(大講堂)には、パドマ・サンヴァバ、仏陀、シャブドゥン・ンガワン・ナムゲルの大きな像が納められています。キンレイの正面のお堂には今でもシャブドゥンの遺体が安置されているのだそうです。
ロベサから先、川沿いに東へ向かって走っていくと絶壁上に建つゾンが見えてきます。川を渡り、つづら折の道を上がって行くと、ウォンディポダンの街に到着です。ウォンディポダンはブータンの東西を繋ぐという重要な役割を持っている街。街を抜けるとトンサから先、中央・東ブータンへと道が続いて行きます。ここも年々人口が増えてきていますが、丘の上という場所柄どうしても拡大することが出来ないので、現在街自体を別の場所に移すべく着々と計画が進んでいるようです。
この街のゾンは絶壁の上に建っているその独特な景観で非常に有名。尾根上という立地条件から風がとても強く、吹き抜ける風が非常に心地の良い場所です。ブータン人は冗談まじりに「ウィンディ(風の)・ポダン」と呼んだりすることも。毎年秋にはティンプーのツェチュとほぼ同じ時期にツェチュが開かれています。 また、ゾン入口近くからは川を挟んだ対岸にリンチェンガンの集落を望むことが出来ます。この集落に住む人たちはゾンや道路を建設するためにインドからやって来た職人たちの子孫だといわれています。