ニジェール中央部
Central Nigerタウア~インガル~ザンデールに広がるニジェールのサヘル地帯。サヘルの市場で出会う多種多様な民族や、ゲレウォールに代表するボロロ(ウォダベ)遊牧民の伝統的な暮らしが息づくエリア。ビリニン・コンニからタウア、ザンデールにかけては、ニジェールの人口の50%ほどを占める民族「ハウサ族」の美しい村々が点在しています。
タウアからアガデスにかけての道中、ザンデールへの途中の道には遊牧民も集まる定期市があります。アバラクの木曜市、テバラクの金曜市には周辺に暮らす定住トゥアレグから遊牧トゥアレグ、ボロロ(ウォダベ)族が集まり家畜、日常品のやりとりをしています。家畜用に運ばれてきたビルマやファシの塩も見られ,ます。
インガルの北、塩の平原にあるのがTeguidda N'tessounmt。名前そのものが「塩の源」を意味します。まるで「月面世界」のような景色の塩田が造られています。この地域の水は塩を含み、土壌も塩を含むことからたくさんの家畜をつれた遊牧民が集まる地域です。もうキャラバンが訪れることはなく塩はトラックで輸送されており、村の人々による製塩作業が行われています。
ゲレウォールは9月半ばから10月半ばにかけて行われるボロロ遊牧民による祭典。ウォダベの祭りはさまざまな行事で構成されており、ゲレウォールとは祭りのハイライト、女性がもっとも美しい男性を選ぶものです。そのほかにも男の美を見せる踊りヤーケ、女性達の歌と踊りのバーゴ、夜に行なわれる集い・歌・踊りのドーサなどいくつもの行事から構成されています。 ゲレウォールに参加する若者は各家族によって候補者が選ばれ、ターバンの頭飾り(ちょんまげのようですが)を巻き、少女の前に。少女はこの中ら「一番の美男子」を選びます。少女が手をさして一人の男性を選んだ瞬間に祭りは終わります。
ハウサ族はニジェールの人口の50%ほどを占める民族です。10~15世紀に北部からトゥアレグ族が南下してきたためか、ニジェール南部とナイジェリア北部の間にハウサ7州が作られました。ビリニン・コンニからタウア、ザンデールにかけては美しいハウサ族の村が点在しています。