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エジプトみどころガイド

ナイル川流域Ⅰ(アレキサンドリア~ファイユーム)

The Nile BasinⅠ(Alexandria - Faiyum)

ナイル川に育まれたエジプト古代文明、巨大なピラミッド、そして活気ある首都カイロ。各地のみどころをご紹介いたします。

アレキサンドリア/ Alexandria

アレクサンダー大王が自らの名を冠して建設した都市の第1号であるアレキサンドリア。「地中海の真珠」とも呼ばれ、ナイル川が地中海に注ぐ広大なデルタ地帯の中心都市です。ヘレニズム時代に世界最大を誇った図書館を復活させたアレキサンドリア図書館、グレコローマン時代や近代コプト教などの展示品が並ぶ国立博物館、3世紀に造られたポンペイの柱、世界の七不思議のひとつに数えられる巨大なファロス島の灯台跡に造られたカーイトゥベーイ要塞など多くのみどころがあります。地中海沿いの町ならではの新鮮なシーフード料理も楽しみのひとつです。

カイトベイ要塞

地中海に面したアレキサンドリアの港に沿って建つこの要塞。元々は紀元前に建てられた巨大な灯台でした。当時のその巨大な灯台の灯りはなんと50kmも先から見ることが出来たとか。事実かどうかは判りませんがそんな話が残っています。その古の灯台は8世紀以降度重なる地震で崩壊が進み、14世紀には完全に崩壊し、その姿を見ることが出来なくなってしまいました。 今この場所に建つ要塞は15世紀に昔の灯台に使われていた石材を利用して建てられた物。周囲にはおみやげ物屋さんが並び、夕刻に訪れると夕涼みをする多くの人で賑わいを見せています。

カイトベイ要塞
ローマ皇帝ディオクレティアヌスを称えるために建てられたとされるポンペイの柱

カイロ/ Cairo

550万人もの人口を擁する言わずと知れたエジプトの首都。7世紀、この地にイスラム教徒が軍事都市を築いたのが街の始まりで、以降、支配者が幾度も交代しながらその発展を続けています。母なる川・ナイルはカイロの中心を流れ、東岸には街の中心地が広がっています。ピラミッドやスフィンクス観光の拠点となる首都のみどころを紹介します。

エジプト考古学博物館

「カイロ博物館」と呼ばれるこの世界有数の博物館は、ナイル川沿いの新市街に建っています。5000年の歴史を持つエジプトの遺物を集めたこの博物館最大の見物は、なんといっても有名な「ツタンカーメン王の黄金のマスク」。その他にも「神官ラーヘテプとネフェルト像」等の彫像やミイラ等、その収蔵品はなんと12万点にも及びます。現在、施設の老朽化に伴い、ギザのピラミッド近くにさらに大規模な博物館を建設しており、2011年の移転を目標に工事が進められています。

シタデル

アイユーブ朝の創始者サラディンによって1176年に建設が始まったこの城塞は、カイロ新市街の南東にあるモカッタムの丘の上にそびえています。ここは19世紀までこの地の支配者の居城となっており、その内部には、ムハンマド・アリ・モスク等のいくつかのモスクや、エジプト軍の武器等を展示している軍事博物館が建っています。

ムハンマド・アリ・モスク

シタデル内部に建つ2本のミナレットが目を惹くこのモスク。19世紀前半に独立を達成した総督ムハンマド・アリによって、イスタンブールのブルーモスクをモデルとして1857年に建てられました。アラバスターと呼ばれる縞模様が特徴の石膏を使っているため、アラバスター・モスクとも呼ばれています。

アル・アズハルの建築群

19世紀までカイロの中心とされていたエリアが、イスラム地区のアズハル広場です。教育の中心地でもあったこの場所には、イスラム世界最古の大学とされるガーマ・アズハルをはじめ、美しいイスラム建築群が建ち並びます。

ハーン・ハリーリ

アラブ地域で最大の規模を誇るスーク。人で溢れる通り沿いに香辛料や香水、金細工や宝石から日用品まで、ありとあらゆる商店が所狭しとひしめきあっています。お店をひやかしながらゆっくりと散策すると時間の建つのを忘れてしまいます。

シタデル内部に建つムハンマド・アリ・モスク
イスラム世界最古の大学として知られるガーマ・アズハル
賑わうハーン・ハリーリ

ギザとその周辺/ In and around Giza

三大ピラミッド

古王国時代にエジプトを統治したファラオ達はこぞってピラミッドを建設しました。有名なギザの三大ピラミッドはクフ王、カフラー王、メンカウラー王の3人によって造られたものです。 それぞれのピラミッドはかつて表面は装飾用の化粧版によって覆われていました。最大のものはクフ王のピラミッドで、本来の高さは146mでしたが、頂上部が崩れてしまい現在は137m。内部への入場も可能です。

スフィンクス

アラビア語でアブル・ホール(畏怖の父)と呼ばれ、ライオンの体に人間の体を持つ。長さ57m、高さ20m。エジプト王家のシンボルであり、守護者でもありました。顔はカフラー王に似せて造られたとも言われており、ファラオの偉大さを現す神聖な存在だったのです。

太陽の船博物館

1954年に発見された「クフ王の船」と考えられる木造の船が展示されています。発見された当時は数万点もの部品に分かれていましたが、十数年の歳月をかけて復元されました。

サッカラ

ギザの南約10km。みどころは第3王朝のファラオ・ジョセル王のピラミッドコンプレックスです。中心のピラミッドは複数のマスタバを6段重ねた形で、階段ピラミッドと呼ばれています。ジョセル王の治世に宰相イムヘテプによって紀元前3000年記の半ばに建造されたと考えられています。

メンフィス

カイロの南27kmのナイル川西岸に位置するエジプト古王国時代の首都。現在、遺跡は廃墟となっているが、発掘されたアラバスター製のスフィンクスや全長15mのラムセス2世の巨像が昔の栄華を今に伝えています。

ダハシュール屈折ピラミッド

高さ105m、底辺189m。その名の通り、途中で傾斜角度で変わっており、下部は約54度、上部約43度という構造になっています。屈折した構造については建設中に勾配が急すぎたため、途中で角度を緩やかに変更したという説と建造中に王が病気になったため完成を急い だという説が残されています。

ダハシュール赤のピラミッド

赤のピラミッド 古王国時代第4王朝のファラオスネフェル王によって建てられたもの。ギザの三大ピラミッドなどと共に世界遺産に登録されています。赤っぽい石が利用されているため、この名前が付けられましたが、建造当時は赤色ではなかったと考えられています。また、このピラミッドは初めての真正ピラミッドとして有名です。大きさもクフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッドに次いて3番目の大きさを誇ります。

三大ピラミッド
スフィンクス
復元されたクフ王の船(太陽の船博物館)
サッカラの階段ピラミッド
メンフィスに残る全長15mのラムセス2世像
ダハシュールの屈折ピラミッド

ファイユーム/ Faiyum

ハワーラのピラミッド

古代エジプト中王国大2王朝時代のアメンエムハト3世の墓。日干し煉瓦で造られたため、損傷が激しく、現在ではかろうじてピラミッドであることが分かるのみです。

ラフーンのピラミッド

底辺の長さが107m、高さ58m、中王国時代のセンウスレト2世の墓。泥煉瓦で造られた。ハワーラのピミラミッドと同じく、損傷が激しい。この時代は古王国時代と比べて国力が弱く、石を切り出してピラミッドを造ることができなかったと考えられています。

ハワーラのピラミッド
ラフーンのピラミッド

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