モウルディ低地と
ウニャンガの湖
Maurudi Depression - Ounianga
エネディ山地北部に広がるモウルディ低地、デルビリ砂丘、バイガ砂丘、そしてウニャンガの湖群。デミの「赤い塩」、そして湖から取れる「塩」を求めてキャラバンが行きかったルートです。
エネディ山地北部に広がるモウルディ低地、デルビリ砂丘、バイガ砂丘、そしてウニャンガの湖群。デミの「赤い塩」、そして湖から取れる「塩」を求めてキャラバンが行きかったルートです。
「赤い塩」というと塩が赤いように思いますが、実際は赤い砂が付着した塩の結晶です。デミの砂漠には太古に閉じ込められた塩分があり、雨または地表に近い水分により深い塩の層の塩分ミネラルが毛細管現象で地表に上がってきます。人々はこれを土とあわせて採掘します。 塩自体は透明ですが土が赤色をしていることから「赤い塩」と呼ばれています。一度彫った場所も1年半から2年で再生します。砂は混じっていますが、塩自体は美味で、以前はこの塩をアベチェまで運びミレットと交換していました。
周囲をナツメヤシの果樹園で囲まれた塩湖で、かつては人々が暮らし、ナツメヤシの栽培や塩の採掘作業が行われていました。テゲディの塩は天然ヨウ素入りで安心、味もおいしくチャドで一番有名な塩でした。現在、塩田は放棄され人は暮らしていませんが、砂漠に突如現れるオアシスの眺めは見る者を圧倒します。テゲディとは地元の言葉で「蚊」を意味し、非常に蚊の多い場所でもあります。
ウニャンガとはウニャス族の暮らす土地という意味。ティベスティ山地とエネディ山地の間にありおよそ50ほどの湖があります。この地域の水はチャド最高峰のエミクーシの地下から太古の水(完新生の雨が地下にたまったもの)が湧き出て、それが地表に現れたものです。夏は蒸発が激しく水位が下がります。
エネディ山地とティベスティ山地の間にある一番大きな町。 そばにはカタムという死海より塩分濃度が濃いという湖と、まるで海のように青が美しい湖イオアがあります。
右手の「青い湖」と左手の「赤い湖」にわかれています。2つの湖には藍藻類スピルリナが生息しますが、この塩分濃度の違いから青い色と赤い色を作り上げています。「赤い湖」はリウマチなどの治療に人々が訪れます。