ツアーのポイント
ポイントドイツ南西部の化石鉱脈「ラーゲルシュテッテン」を巡る
古生物学等を含む地質学分野では、特に保存状態の良い化石を産する地層(堆積層)を「ラーゲルシュテッテン」と呼びます。ドイツ南西部部には、メッセル・ピットの化石地域やホルツマーデン、ゾルンホーフェンなどの多くの化石鉱脈が集中する「ラーゲルシュテッテン」の宝庫です。
ポイント化石鉱床での採掘体験も楽しむ
メッセル・ピットの化石地域とゾルンホーフェンでは、実際に化石鉱床を訪れ、採掘体験もお楽しみいただけます。
ポイントクレーター跡に作られた街・ネルトリンゲン
約1500万年前に衝突した隕石のクレーター跡に作られた街・ネルトリンゲン。衝突の痕跡を辿るハイキングや、博物館にはNASAから贈られた本物の「月の石」の展示もあります。
ポイント火山アイフェル
中央ヨーロッパではあまりイメージしない火山ですが、且つて巨大噴火を起こしたアイフェル火山群の痕跡が残っています。火山堆積物の露頭や、火山水蒸気爆発によってできた円形のマール湖を見学します。
COLUMN 南部ドイツの3大化石鉱脈「ラーゲルシュテッテン Lagerstätte」
古生物学等を含む地質学分野では、特に保存状態の良い化石を産する土地(堆積層)を「ラーゲルシュテッテン Lagerstätte」と呼びます。カナダのバージェス頁岩や中国の澄江頁岩が有名ですが、ドイツ南西部には集中して存在する化石鉱床の宝庫です。似た言葉に「ボーンベッド Born Bed」がありますが、こちらは「大量に」骨が見るかる場所で、必ずしも保存状態がよいとは限りません。ラーゲルシュテッテンはその保存状態の良さが秀逸です。
■メッセル・ピットの化石地域
メッセル鉱山では石炭や鉄鉱石、オイルシェールが出土することは古くから知られており、1859年に本格的な採掘がはじまり、ワニの骨格の化石が発見されると科学者の注目を集め、化石産地として知られるようになりました。約4,800万年前に爆発的なマグマ水蒸気噴火が起こり、深さ700mに達する漏斗状のクレーター(マール湖)ができました。そこに生物の死骸が溜まり、様々な要因から腐敗することなく堆積して化石を含むオイルシェールとなりました。保存状態の良い動植物の化石が多数発見され、特に、羽毛を持つ恐竜や初期の鳥類の貴重な化石が評価され、世界遺産にも登録されています。
■ゾルンホーフェン
約1億5千万年前のジュラ紀中期にあたる石灰岩の地層で、恐竜と鳥類の中間的な特徴を持つ「始祖鳥(アーケオプテリクス)」の化石が発見された場所として有名です。ゾルンホーフェンの石版石灰岩は、古代ローマの時代から石材として、また19世紀にはリトグラフ(石版印刷)の材料として利用されていました。石灰質軟泥がラグーンに静かに堆積したのち、酸素が少ない環境だったために堆積物の擾乱(じょうらん)が少なく、羽毛や軟部組織など細かい部分まで保存されています。
■ホルツマーデン
約1億8300万年前〜1億7500万年前、ジュラ紀前期前の瀝青質頁岩層が分布し、この地層によく見られる二枚貝の化石の名前からポシドニア頁岩と呼ばれ、魚竜のイクチオサウルス、アンモナイト、ワニなど海洋生物の化石が多く出土しています。19世紀末に採掘業を始めたハウフ一族が経営するドイツ最大のプライベート博物館では、皮膚の痕跡まで残されている海洋生物や母体内に胎児を残す魚竜、壁一面に広がるウミユリ(棘皮生物)の群生標本は圧巻です。
COLUMN 隕石クレーターの上に築かれた街・ネルトリンゲン
バイエルン州のネルトリンゲンは、その中世の街並みを美しく残すことでロマンチック街道の観光地として有名ですが、約1500万年前に直径約1.5kmの隕石の衝突によって形成された、直径約24kmの円形のリース盆地の南西部に位置しています。この「ネルトリンゲン・リース・クレーター」は、町の周辺でもハイキングコースを通じてその痕跡を見ることができます。かつては、火山活動の跡や氷河による浸食などと考えられていましたが、1960年代にアメリカの科学者によって隕石衝突のクレーターであることが証明されました。隕石衝突によって生成される「衝突岩(インパクトロック)」や、衝突による高温・高圧化によってのみ生成される特有の鉱物「スティショヴァイト(stishovite)」と「コーサイト(coesite)」が、ネルトリンゲンの教会の建築石材から発見され、隕石衝突の証拠となりました。アメリカの航空宇宙開発局NASAは、ネルトリンゲンと月面の地質が類似していることに注目し、アポロ14号の宇宙飛行士がこの地で訓練も行っています。このネルトリンゲン市の援助に対して、宇宙飛行士が持ち帰った本物の月の石が贈られ、リースクレーター博物館に展示されています。


COLUMN アイフェル火山地帯
古代の火山活動によって作られたアイフェル火山地帯は、ドイツの「火山街道(Vulkanstraße)」として観光ルートとなっています。中央ヨーロッパの中央部、ライン山塊(Rhenish Massif)と呼ばれる岩板山脈をライン川が東西に分断し、その西部に位置するアイフェル高原は、古いデボン紀の堆積物(3億6000万年~4億1500万年前)に氷河が刻んだ深い谷がある丘陵地帯に位置しています。4500万年から3500万年前と、100万年前から1万900年前頃の2度に渡って大規模に活動した火山群で、周辺には火山湖や溶岩台地のほか、火口付近の地下水とマグマが触れ合って水蒸気爆発を起こしてできた、漏斗状の丸い空洞に水が溜まってできたカルデラ湖「マール湖(Maars)」が点在し、その美しさからアイフェルの目と呼ばれています。2015年にはユネスコ世界ジオパークにも認定され、約100の噴石丘と70のマール火口が発見されています。

出発日と料金
2025年 出発日~帰着日 |
日数 | 旅行代金 | 催行状況 |
---|---|---|---|
10月03日(金) ~ 10月10日(金) |
8日間 | 698,000円 | ![]() |
発着地 | 東京・大阪発/東京着 | 最少催行人員 | 10名(14名様限定) 添乗員同行 |
---|---|---|---|
燃油サーチャージ | 72,000円(4月1日現在の見込み) | ||
一人部屋追加代金 | 89,000円 | ||
国際線のビジネスクラス | 追加代金等の詳細はお問い合わせください。 |
- 海外での空港税諸税は旅行代金に含まれています。
- 燃油サーチャージ額は、原油価格の変動により変更することがあります。
- 特別価格コースのため再利用割引・特別割引はありません。
- 相部屋ご希望の場合でもご出発時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。
ツアー日程表
地名 | 時刻 | スケジュール | |
---|---|---|---|
1 | 東京
大阪 |
24:05発 23:45発 |
空路、東京・大阪よりそれぞれアラブ首長国連邦のドバイへ。 ※添乗員は東京・大阪どちらかより同行し(往復)、ドバイにて合流します。 |
2 | ドバイ
ドバイ ドバイ フランクフルト コブレンツ |
06:20着 04:40着 08:25発 13:15着 18:00着 |
ドバイ着後、航空機を乗り換えて、ドイツ・フランクフルトへ。着後、旧西ドイツ最大のゼンケンベルク自然博物館へ。メッセル化石産地から出土した化石標本やゾルンホーヘン出土の始祖鳥の化石標本などを見学します。その後、コブレンツへ。
コブレンツ:シリシウム泊
|
3 | コブレンツ |
08:00発 |
専用車にて、ヴィンゲルツベルクヴァントへ。約13,000年前に起きた中央ヨーロッパで最大規模の火山噴火によるテフラ堆積物の露頭を見学します。その後、ゲロルシュタインへ。アイフェル火山ジオパークの見学(火山によって生み出された様々な鉱物を展示するゲロルシュタイン自然博物館、火山活動の様子を伝えるダウン市のアイフェル火山博物館、「エックフェルトの古代ウマ」を展示するマール湖博物館など)。その後、ヴィットリヒのホテルへ。
ヴィットリヒ:フルカーノ・リンデンホーフ泊
|
4 | ヴィットリヒ イーダー・オーバーシュタイン メッセル カールスルーエ |
08:00発 19:00着 |
専用車にてイーダー・オーバーシュタインへ。坑道内で貴石を間近に見られることができる観光貴石鉱山を見学します。その後メッセルへ。世界遺産「メッセル・ピット化石発掘地域」の博物館を見学します。その後、カールスルーエのホテルへ。
カールスルーエ:ジンスハイム泊
|
5 | カールスルーエ |
07:30発 19:30着 |
朝、シュトゥッツガルト自然史博物館を見学。その後、ホルツマーデンへ。ポシドニア頁岩から出土したイクチオサウルスやジュラ紀の大型化石標本が多数展示されているハウフ博物館を見学。近隣のオームデンにて、化石発掘体験もお楽しみいただきます(約1時間)。その後、ウルムへ。
ウルム:マリディム泊
|
6 | ウルム ネルトリンゲン アイヒシュテット |
08:00発 14:00着 |
朝、隕石の街ネルトリンゲンへ。リース・クレーター博物館の見学と、隕石衝突の跡を見ることができるジオウォークをお楽しみください(約2時間)。その後、アイヒシュテットへ。始祖鳥の化石産地ゾルンフォーフェンの化石などを多数展示しているジュラ博物館を見学します。
アイヒシュテット:ヒルシェンバート泊
|
7 | アイヒシュテット ミュンヘン |
08:00発 22:30発 |
午前、ゾルンホーフェンの化石の宝庫であるブルガーマイスター・ミュラー博物館見学と、化石発掘体験をお楽しみください。その後、ミュンヘンへ。ミュンヘン古生物博物館見学後、ミュンヘン空港へ。夜の便にてドバイへ。
機中泊
|
8 | ドバイ ドバイ 東京(羽田) |
06:30着 07:45発 22:25着 |
ドバイ着後、航空機を乗り換えて東京へ。着後、解散。 |
- 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
- 食事回数:朝5/昼5/夜5:機内食は除く
- 利用予定航空会社:エミレーツ航空
ご案内とご注意
査証(ビザ) | ビザは不要です。パスポートの有効期限はドイツ出国時3か月以上、査証欄の余白は1ページ以上が必要です。 |
---|---|
気候・服装 | 全行程合服が基本となります。雨が降ることもありますので、雨具をお持ちください。野外での採掘体験もありますので、日除け対策も必要です。 |
利用予定ホテル | 日程をご覧ください。 |
観光について | 博物館等の作品につきましては、急な貸し出しや修復によってご覧いただけない場合がございます。野外での採掘体験は天候により実施できない場合があります。予めご了承ください。 |
旅行条件について | 取引条件はこちらの 海外旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。 |
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メッセル・ピットの化石地域