ツアーのポイント
ポイント 諏訪湖から四国へ 中央構造線上を辿る
西側の中央構造線の基点・諏訪湖から四国の吉野川まで長野・愛知・三重・和歌山・兵庫・徳島・香川にわたり、中央構造線上に沿って日本列島を大横断。連続した断層の長大なスケールを感じていただくため、海底の構造線上を走るフェリーも利用し、できるだけ直線的に移動します。
ポイント 各エリアで専門ガイドが同行
南アルプスジオパークエリアでは、大鹿村中央構造線博物館顧問の河本和朗氏、東三河(豊橋)エリアでは鳳来寺自然博物館学芸員の拓真氏、沼島・淡路島ではブラタモリに出演された徳島大学名誉教授の石田啓祐氏、三好ではジオパーク構想の専門ガイドにそれぞれご同行いただきます。専門的な解説で一層理解を深めていただきます。
ポイント 中央構造線上に営まれる人々の暮らし
中央構造線上には、古代より朱色の原料とされた辰砂が取れる水銀鉱床が多く集中しています。和歌山城の石垣は、構造線を境に異なる石材を上手く利用して建てられています。急峻な流れの四国の吉野川は、構造線で向きを変え穏やかになり平野を形成します。中央構造線上に営まれる人々の歴史・生活・文化などにも触れていきます。
ポイント 特殊な地質景観も観察
2~3万年前にしらびそ高原南に衝突したとされ、日本で唯一認定されている御池山の隕石クレーター、世界三大奇勝と称されている、砂礫層の侵蝕によってできた阿波の土柱など、周辺の独特な地質景観もお楽しみいただきます。
ポイント すべて温泉宿・ホテルに宿泊
フィリピン海プレートの沈み込みによって溜まった海水が染み出たとされる鹿塩温泉、設楽火山のカルデラ内に湧く湯谷温泉、鳥羽と徳島でも温泉ホテルに宿泊し大地の恵みを感じます。
COLUMN 西南日本を2分する中央構造線
中央構造線は、西南日本に見られる延長1000kmにおよぶ日本列島最長の断層線谷で、日本列島がまだアジア大陸の一部だった、中生代白亜紀の1億年~8000万年前ごろに誕生した長大な断層です。新生代新第三紀のおよそ2000万年前~1500万年前に日本海が拡大して大陸から離れたところに、フィリピン海プレートに乗って移動してきた伊豆‐小笠原列島が衝突して、中央構造線の中部地方~関東地方の部分が「ハ」の字型に曲がりました。そのとき、本州中央部は折れ目になって東西に引っ張られて数千mも落ち込んでできた大きな溝が「フォッサマグナ」です。 諏訪湖を境に西へと続く中央構造線は、衛生画像でもまっすぐに谷が掘り込まれているのを見ることができます。この大断層を境に地質が大きく異なり、日本海側に分布する地層帯を内帯(ないたい)、太平洋側を外帯(がいたい)とに分けられています。
COLUMN 中央構造線と周辺の見どころ
大鹿村中央構造線博物館
長野県と静岡県の県境、南アルプスの山麓にあり、中央構造線のほぼ真上に建つ博物館です。岩石標本の展示を中心に、中央構造線や地殻変動の仕組みについて知ることができます。中庭には大鹿村内の河川から集めた175点の岩石標本が、実際の地質配列にあわせて配置しています。また、周辺には領家変成帯と三波川変成帯の岩石が直接接していることがはっきりと分かる露頭がいくつもあり、理論的にも実地的にも、中央構造線を深く学ことができます。今回は元博物館館長の川村和郎氏に、2日に渡ってじっくりと解説していただきます。設楽火山
約1500万年前、現在の奥三河の鳳来湖周辺を中心にした「設楽火山」という富士山級の巨大火山があり、大規模に活動していました。周囲東西約20㎞、南北約30㎞の地域に、海で堆積した泥岩や砂岩、礫岩などからなる北設亜層群(ほくせつあそうぐん)と火山岩を主体とした南設亜層群(なんせつあそうぐん)という設楽層群が分布しています。この火山活動によってガラス質で松脂のような光沢を持つ松脂岩(しょうしがん)が多く分布する珍しい地質です。また、マグマの通り道である岩脈などを観察することができます。丹生(にう)水銀鉱床
日本の水銀鉱床は、西南日本の中央構造線付近に集中しています。1400万年前~1200万年前ごろのマグマ活動によってできた鉱床で、三重県松坂市の丹生では縄文時代から辰砂(しんしゃ:硫化水銀)の採掘が行われ、土器の着色等に使用されたり、奈良の大仏建造の際には水銀を精錬して渡金(メッキ)として上納されするなど、人々の生活に密着する貴重な鉱物資源でした。「金の出るところに水銀は必ずある」ともいわれ、修験道の行者たちは鉱物資源を開拓し、空海の開いた高野山や四国八十八箇所の霊場も水銀鉱床と重なっており、多くの人を魅了していました。和歌山城~石垣に見る地質~
和歌山城は三波川変成帯(外帯)の岩石の上に建ち、戦国時代の石垣は緑色片岩などの結晶片岩類で築かれています。しかし、豊臣秀長以降の石垣は、紀ノ川北岸の和泉層群(内帯)の砂岩で築かれています。和泉砂岩は真四角に加工しやすい岩石なので、整った石垣を築くのに適しています。和泉層群は白亜紀末期の7,000年前ごろの中央構造線の横ずれによって生じた断層沿いの溝に堆積した地層です。奈良県五条以西から愛媛県にかけての内帯側に見られ、良質な石材として、和歌山では「和泉砂岩」、徳島では「撫養石」と呼ばれています。国生みの島・沼島
淡路島と、その南4kmに浮かぶ小さな沼島との間に、中央構造線が走っています。淡路島では内帯の和泉層群が、沼島では外帯の緑色片岩などの結晶片岩類が露出しており、さらに島の南西半分は黒色千枚岩層、北東半分は緑色片岩層、北部は緑泥片岩と、小さな島の中でもことなる地質が分布しています。また、古事記・日本書紀の国生み神話に登場する『オノコロ島』の候補地とされ、イザナギノミコトとイザナミノミコトに授けられた「天の沼矛」が、沼島の南東にそそり立つ高さ約30メートルの上立神岩であると語り継がれてきました。沼島の緑色片岩
吉野川が生んだ大峡谷・大歩危小歩危
四国の石鎚山を水源とする吉野川は、急峻な渓谷を形成したのちに瀬戸内海に注いでいましたが、中央構造線の活動に伴う讃岐山脈の隆起によって、現在の阿波池田市周辺で北流から東流に90℃向きを変え、徳島平野を形成しました。、吉野川が三波川変成帯を侵食してできた大歩危峡谷では、ドーム状に盛りあがった「背斜構造」と呼ばれる珍しい褶曲構造が間近によく観察することができます。また、ここでは海洋プレートの沈み込みで新しい地層が古い地層を押しあげているため、古い地層が新しい地層の上に位置するという逆転現象も起きています。吉野川の激流によって創られた大歩危渓谷
出発日と料金
2023年 出発日~帰着日 |
日数 | 旅行代金 | 催行状況 |
---|---|---|---|
09月25日(月) ~ 09月30日(土)藤本悠花(東京本社)同行 |
6日間 | 268,000円 |
発着地 | 現地発着(茅野駅集合/高松空港または坂出駅解散) | 最少催行人員 | 6名(12名様限定)・添乗員同行 |
---|---|---|---|
一人部屋追加代金 | 20,000円(1泊目を除く) |
- 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
- 東京・大阪からの参考アクセス
【東京方面】
往路:あずさ5号 新宿駅 08:00発 茅野駅 10:06着
復路:ANA540 高松 19:40発 羽田 21:00着
【大阪方面】
往路:のぞみ290号 新大阪駅 07:00発 名古屋駅 07:50着
しなの3号 名古屋駅 08:00発 塩尻駅 09:54着
JR中央本線 塩尻駅 09:58発 茅野駅 10:28着
復路:快速マリンライナー58号 坂出駅 19:25発 岡山駅 20:03着
のぞみ196号 岡山駅 20:13発 新大阪駅 20:58着
ツアー日程表
地名 | 時刻 | スケジュール | |
---|---|---|---|
1 | JR茅野駅 |
10:30発 18:30着 |
10:30、JR茅野駅集合。大鹿村中央構造線博物館の河本元館長のご同行の下、南アルプスジオパークの中央構造線露頭を観察します(溝口露頭、北川露頭)。途中、谷中分水界となる分杭峠を通過します。その後、大鹿村中央構造線博物館を見学し、中央構造線の全体像、理解を深めます。フィリピン海プレートの沈み込みにより溜まった海水が染み出たとされる鹿塩温泉に宿泊します。 鹿塩温泉:山塩館泊|食事:朝× 昼× 夜○ |
2 | 鹿塩温泉 大鹿村 しらびそ高原 湯谷温泉 |
07:30発 19:00着 |
朝、引き続き河本元館長のご同行の下、中央構造線安康露頭を観察します。再び中央構造線博物館にて解説を受けた後、河本元館長と別れ、しらびそ高原(標高1,900m)へ。日本アルプスの山々を望む南アルプスエコーラインを走り、 2~3万年前に御池山に衝突したと推測される、日本で唯一の隕石クレーターを見学します。その後、湯谷温泉へ。 湯谷温泉:泉水閣泊|食事:朝○ 昼× 夜○ |
3 | 湯谷温泉 新城市 伊良湖町 鳥羽市 |
08:00発 19:00着 |
朝、鳳来寺山自然科学博物館へ。学芸員同行の下、博物館の解説と、東三河の中央構造線観察地へご案内します(1500万年前に大規模活動していた設楽火山の岩類、大地の割れ目に貫入した岩脈・馬背岩、設楽層群の凝灰岩でできた平らな川底の板敷川(宇連川)、外帯の黒色片岩の上に内帯の花崗岩源圧砕岩が覆いかぶさる長篠露頭、三波川変成帯の岩石が観察できる桜淵公園など)。その後、伊勢湾フェリーにて、中央構造線が海底を通る伊良湖水道を鳥羽へと渡ります。着後、ホテルへ。
鳥羽:鳥羽シーサイド泊|食事:朝○ 昼× 夜○ |
4 | 鳥羽市 多気郡 飯高町 和歌山市 徳島市 |
08:00発 18:00着 |
朝、丹生水銀鉱跡へ。古代より朱色の原料とされた辰砂は、中央構造線上の水銀鉱床で多く産出するとされます。その後、和歌山へ。着後、和歌山城の散策。三波川変成帯の緑泥片岩を使用した野面積みなど、時代によって利用される石が異なる石垣を見学します。その後、南海フェリーにて紀伊水道を渡り、徳島へ。着後、ホテルへ。 徳島市:サンルート徳島泊|食事:朝○ 昼× 夜○ |
5 | 徳島市 (淡路島・沼島) |
徳島大学名誉教授の石田氏同行の下、淡路島の南に浮かぶ沼島へ。沼島と淡路島の間の海底に中央構造線が走るとされ、両岸の地質の違い、アンモナイトもよく産出する内帯に沿う和泉層群などを観察します。 徳島市:サンルート徳島泊|食事:朝○ 昼× 夜○ |
|
6 | 徳島市 |
08:00発 18:30着 19:00着 |
朝、砂礫層の侵蝕によってできた阿波の土柱を観察。その後、三好市へ。専門ガイドと共に、吉野川が作り出す断崖絶壁の大歩危小歩危、讃岐山脈にぶつかり流路を東へ変える池田市の断層崖などを観察します。その後、高松空港にて18:30、坂出駅にて19:00解散。
食事:朝○ 昼× 夜× |
- 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
- 食事回数:朝5/昼0/夜5
ご案内とご注意
気候・服装 | 日中の最高気温は25~30℃で夏服となりますが、大鹿村含む南アルプスの山間部は15℃前後まで気温が下がることもありますので、薄手の上着もお持ちください。降雨に備え、折り畳み傘の他に上下セパレート式の雨具をお持ちいただくと野外見学の際に便利です。 |
---|---|
利用予定ホテル | 日程をご覧ください。 |
食事について | 昼食は含まれておりません。現地の食堂などで召し上がっていただきます。 |
移動・荷物につい | フェリーでの移動時はご自身にて荷物を運んでいただきます。スーツケースなど車輪の付いたバッグがおすすめです。 |
宿泊施設について | 日程1日目、鹿塩温泉山塩館は、中央構造線上ならではの特別な温泉宿です。部屋数が少ないため、原則2~3名の相部屋利用となります。最終的なご参加人数によりお一人部屋をお取りできる場合があります(別途追加22,000円)。お申し込み順でのご案内となります。ご希望の方はお早めにお申し込みください。 |
旅行条件について | 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。 |
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