ツアーのポイント
ポイント北海道4つジオパークをめぐるジオツアー
北海道にある7つのジオパークの内、世界的にも稀少なかんらん岩が地表に現れた「アポイ岳ジオパーク」、日本最大級の黒曜石の産地「白滝ジオパーク」、石炭層と巨大アンモナイトが発掘された「三笠ジオパーク」、火山が生み出した日本最大級の風穴地帯「とかち鹿追ジオパーク」の4つをガイドの解説のもと巡ります。
ポイントせめぎ合うプレートが生んだ北の大地
北米プレート、ユーラシアプレートの巨大プレートの衝突とは別に、近年の研究では、オホーツクプレートとアムールプレートの小さなプレートが独自に変動しているとされています。大小さまざまなプレートの動きによって造られた雄大な大地を観察します。
ポイント唯一無二の北海道の遺産
東アジアで唯一見ることができる隕石衝突の痕跡K-Pg境界線の剝ぎ取り標本を展示する「足寄動物化石博物館」、日本で初めて発見された恐竜全身骨格の一部を展示している「むかわ町立穂別博物館」、2種類の古代の巨大ゾウが出会った「忠類ナウマン博物館」など、北海道でしか見ることができない化石・地質を見学します。
COLUMN北海道の成り立ち
北海道の地質を見ると、特に中央部の日高山脈の周辺では、岩石が東西に帯状に分布しています。どのような過程で形成されたのかを辿ってみましょう。約2億年前、北海道はまだ一つの島ではなく、大陸の東の端の海底でした。数千kmにも及ぶ広大な範囲に小さな島々や海山が散らばっており、海中にはアンモナイトや海棲爬虫類などの生物が生息していました(蝦夷層群)。約1億4000万年前、東の北米プレートと西のユーラシアプレートが近づき始め、長い時間をかけてプレートの動きで少しずつ島が近づいていきました。その途中に約6650万年前に隕石が原因と考えられている生物の大量絶滅が生じ、約4000万年前に2つの島が衝突し1つの陸地になると、現在の北海道の中央部には広大な湿地が広がるようになりました。そしてこの湿地に生息する植物が川底の地層の中に埋もれ、高い温度と圧力によって石炭になったと考えられています(石狩層群)。さらにプレートの衝突が続いたことにより火山活動が活発になり、かつ東側の北米プレートがめくれ上がるように乗り上げたため、日高山脈ができました。 その際、プレートの下にある上部マントルの一部を地表に押し上げたため、地表よりもマントルに多く含まれるかんらん岩の山が地表に現れ、アポイ岳が形成されました。
COLUMN 4つのジオパークをガイドとともにめぐる
三笠ジオパーク
三笠市は海道のほぼ中央部、石狩平野の東端に位置する炭鉱とした栄えた場所です。周辺では約5,000万年前の地層からは石炭が、約1億年前の地層からはアンモナイトなど海の生物の化石が多数産出します。この二つの年代の異なる地層が直接接しているもの特徴です。これは、一度陸化したことによって、侵食で削られたと考えられており、「ひとまたぎ5,000年」と呼ばれるタイムスリップを感じることができます。また、海底で水平に堆積したものが、プレートの強い衝突によって少しずつ押し曲げられ垂直に立つ地層など、地球のダイナミックな動きを見ることができます。
黒いダイヤと呼ばれた石炭の層白滝ジオパーク
黒曜石は火山の噴火で地表にでてきたマグマが冷え固まったもので、その光沢の美しさから「天然のガラス」とも呼ばれています。白滝は紋別郡遠軽町にある、日本最大級の質・埋蔵量を誇る黒曜石の産地です。鮮新世の末(約220万年前)に形成された幌加湧別カルデラなどの火山活動によって黒曜石ができました。白滝の黒曜石は良質なガラス質で加工しやすく、石器やナイフ、矢じりなど生活に欠かせないものに重宝され、何100万点もの石器が発掘されています。遠くサハリンにも輸出されたようで、大地の恵を利用して暮らした旧石器時代の人々について学ぶことができます。
白滝ジオパーク交流センター『神秘の黒曜石』とかち鹿追ジオパーク
十勝平野と大雪山の麓に広がるとかち鹿追ジオパーク。約100万年前から続いた火山活動によって作られたこの地は、30万年前の噴火で堰き止められてできた然別湖を中心に、風穴が数多く分布している国内でも珍しい場所です。ここでは凍れ(しばれ)が厳しいため夏でも氷が溶けない永久凍土があり、また冷却によって岩が崩れた結果、「千畳くずれ」と呼ばれる岩塊斜面ができました。夏の間も冷たい空気が噴き上げる、北極圏とよく似た森が広がっており、多種多様な生物を育み、氷期に北海道が大陸と陸続きだったことを伝える生きた化石、エゾナキウサギも生息しています。
とかち鹿追ジオパークアポイ岳ジオパーク
北海道日高東部の様似町にあるアポイ岳ジオパークは、新鮮なかんらん岩で知られています。約1300万年前に2つの大陸プレートの衝突によって日高山脈が形成された際、地殻の下にあるマントルの一部が突き上げられるように地上に現れたのが「幌満かんらん岩体」と呼ばれる、アポイ岳を構成する岩石です。このかんらん岩は、地球深部のマントルの情報がほとんど変質することなく地上に現れていることなどから、マグマがどのようにしてできるのかなど、地下の様子を知ることが期待されるため世界的に注目されています。
かつてのプレート境界
COLUMN 北海道で見つかるさまざまな化石や地質構造
アンモナイトの巨大化石(三笠ジオパーク)
約1億年前、恐竜が地表を謳歌していた頃、三笠はまだ深海の底でした。北海道の南北に長く分布する「蝦夷層群」という地層は主に白亜紀の海で堆積した地層で、三笠市、夕張市、むかわ町穂別などからはアンモナイトや首長竜などの大型爬虫類の化石が多数産出しています。特にアンモナイトは北海道から500種以上発見されており、三笠市博物館では多様なアンモナイトを観察することができます。
北海道で見つかるさまざまな化石や地質構造
ナウマンゾウとマンモスゾウの邂逅
ナウマンゾウは、40万年前から2万年前までに日本に生息していたゾウです。マンモスゾウはヨーロッパやシベリア、北アメリカなど寒冷地に住んでいたゾウで、数万年前の氷期にサハリンを通り大陸から渡ってきました。忠類村にて、農道工事の際に偶然発掘された化石は、ほぼ一頭分のナウマンゾウの全身骨格でした。近年の研究によって化石の中にマンモスゾウの臼歯も含まれていたことから、北海道は古代の巨大ゾウが出会っていた可能性のあるロマン溢れる大地です。
忠類ナウマン記念館K-Pg境界(足寄動物化石博物館)
白亜紀の終わり(約6550万年前)に、恐竜をはじめとした陸海の生物が大量絶滅した原因として、メキシコのユカタン半島に隕石が衝突した説があります。K-Pg境界の粘土層には、隕石に多く存在するかつ地表では希少なはずのイリジウムが高濃度で含まれるため、隕石衝突の証拠だとされています。浦幌町で発見されたK-Pg境界は東アジアで唯一のものであり、足寄動物化石博物館では剥ぎ取り標本を見ることができます。
足寄動物化石博物館
神居古潭渓谷
神居古潭はアイヌ語で「カムイ(神)・コタン(集落)」を意味し、この渓谷は「神の住むところ」とされアイヌの聖地となっています。河原には褶曲した緑白色の奇岩がみられますが、緑色の岩の元は海底に広がっていた玄武岩、白い岩の元はサンゴ礁由来の石灰岩で、それらがプレートの沈み込みによって地下で膨大な圧力と熱を受けて生成された変成岩です。北は宗谷から南は日高まで、南北約350kmを縦断する神居古潭帯を形成しています。
神居古潭渓谷出発日と料金
2024年 出発日~帰着日 |
日数 | 旅行代金 | 催行状況 |
---|---|---|---|
08月21日(水) ~ 08月25日(日) |
5日間 | 228,000円 |
発着地 | 現地発着 (新千歳空港集合・解散) |
最少催行人員 | 6名(12名様限定)・添乗員同行 |
---|---|---|---|
一人部屋追加代金 | 25,000円 |
- 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
- 相部屋をご希望の場合でも、ご出発時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は御一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。
- ツアーは出発前の最終旅行説明会を開催いたしません。ご質問はお気軽に担当までお問い合わせください。
- 現地集合解散となります。現地までの交通機関はご自身でお手配ください。
<参考フライト情報> ※航空券手配をご希望の方はご相談ください。
【東京方面】
往路:ANA 4719 羽田10:15発-新千歳11:45着
復路:ANA 4732 新千歳18:00発-羽田19:35着
【大阪方面】
往路:ANA 773 伊丹09:55発-新千歳11:50着
復路:ANA 780 新千歳17:50発-伊丹19:40着
ツアー日程表
地名 | 時刻 | スケジュール | |
---|---|---|---|
1 | 新千歳空港 |
12:15発 |
12:15新千歳空港集合。専用バスにて、三笠ジオパークへ。ガイドと共に、巨大アンモナイトを展示する三笠市立博物館の見学、垂直に立つ地層や1億年前と5,000年前の地層が直接重なる「5,000年ひとまたぎ」と呼ばれる地層がある野外博物館で地質観察します。その後、滝川市のホテルへ。
滝川市:三浦華園泊|食事:朝× 昼× 夜○
|
2 | 滝川市 旭川市 遠軽町 上川町(層雲峡) |
09:30発 |
朝、滝川市美術自然史館にて、500万年前、かつて海底だった頃に生息していたタキカワカイギュウの化石などを見学します。その後、専用バスで白滝ジオパークへ。途中、石狩川沿いの神居古潭渓谷にて、ガイドの案内のもと、緑白色の変成岩や甌穴など独特な地質を観察します。白滝ジオパークでは、黒曜石の露頭見学や、遠軽町埋蔵文化財センターにて、黒曜石を使った旧石器時代の暮らしなどの展示をガイドの解説とともにお楽しみいただきます。その後、層雲峡のホテルへ。
上川町:層雲峡観光ホテル泊|食事:朝○ 昼× 夜○
|
3 | 上川町(層雲峡) 足寄町 鹿追町 帯広市 |
09:00発 18:00着 |
朝、火山噴火によって形成された層雲峡の柱状節理を観察の後、足寄町へ。足寄動物化石博物館にて、隕石衝突の痕跡K-Pg境界線の剝ぎ取り標本や、束柱類で世界最古の化石アショロア(デスモスチルス科)などの化石を見学します。その後、鹿追町へ。とかち鹿追ジオパークにて、永久凍土が作りだす風穴や千畳崩れなどをガイドと共に観察します。その後、帯広市のホテルへ。
帯広市泊|食事:朝○ 昼× 夜○
|
4 | 帯広市 幕別町 襟裳岬 様似町 |
08:30発 18:30着 |
専用バスにて日高山脈博物館へ。日高山脈の構造や北海道誕生の歴史など、学芸員の解説を受け、ダイナミックなプレートテクトニクスを感じていただきます。その後、幕別町の忠類ナウマン象記念館へ。ナウマンゾウの全身骨格化石などを見学後、様似町のアポイ山荘へ。途中、日高山脈が太平洋に沈む襟裳岬を訪れます。
様似町:アポイ山荘泊|食事:朝○ 昼× 夜○
|
5 | 様似町 むかわ町 新千歳空港 |
09:00発 17:30着 |
朝、ガイドと共にアポイ岳ジオパークの見学。幌満峡エリアにて橄欖岩の観察や、冬島の穴岩など日高耶馬渓と呼ばれる景勝地を巡ります。その後、むかわ町のむかわ町立穂別博物館にて、むかわ竜の全身骨格などを見学の後、新千歳空港へ。着後、解散。
食事:朝○ 昼× 夜×
|
- 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
- 食事回数:朝4/昼0/夜4
ご案内とご注意
気候・服装 | この時期の北海道は日中の最高気温は20~24℃、最低気温13~16℃ほどで、天気が良ければ暑く、長袖または半袖で歩くことができますが、悪天時や強風が吹くと体感気温は下がります。厚手のフリースなど防寒着をお持ちください。降雨に備え、上下セパレート式の雨具をお持ちください。 |
---|---|
利用予定ホテル | 日程および下記のホテルリストをご覧ください。 ■帯広:リッチモンドホテル帯広駅前、ホテルルートイン帯広駅前、十勝ガーデンズホテル、ドーミーイン帯広、東横INNとかち |
食事について | 昼食は含まれておりません。現地の食堂などで召し上がっていただきます。 |
旅行条件について | 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。 |
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