ツアーのポイント
ポイントオマーンの歴史と文化を堪能する特別コース
古来、乳香や銅の産地として、また、ペルシア湾とインド洋の東西海洋交易で栄えたオマーン。古代では、メソポタミア・インダス2大文明の中間地帯として、イスラーム化した中世と近代では、ポルトガル海上帝国や大英帝国とも競合しながら、ザンジバルを中心とするアフリカ東部の海岸地帯を領有するオマーン海洋帝国を築き上げて繁栄しました。この企画は、そんなオマーンの文化と歴史を、世界遺産登録の史跡を中心に、知られざる遺跡や見どころも堪能しながら巡る特別コース、金子貴一がご案内します!
PROFILE 金子貴一さんプロフィール

1962年、栃木県生まれ。栃木県立宇都宮高校在学中、交換留学生としてアメリカ・アイダホ州に1年間留学。大学時代はエジプトの首都カイロに7年間在住し、1988年、カイロ・アメリカン大学文化人類学科卒。在学中よりテレビ朝日カイロ支局員を経てフリージャーナリスト・西遊旅行添乗員として活躍。中国や中東、仏教などへの造詣も深く、雑誌や新聞などへの執筆も多数行っている。特に、日本の歴史と宗教に関しては、4年間に亘り、東京新聞に連載記事を執筆。
COLUMN 近年解明されつつある
イスラーム以前のオマーンの古代史
インド洋に突き出たアラビア半島の先端部に位置するオマーンは、古代より海洋交易が盛んでした。紀元前3千年紀には、メソポタミア文明の楔形文字の粘土版に記録される銅の豊富な産地マガンが栄えます。マガン文明は、メソポタミアに銅を輸出していただけでなく、古代イラン、インダス文明との交流もあり、マガンの集落と墓地からは、インダス文明型陶器と地元のマガン型陶器が見つかっています。ツアーでは世界遺産「バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群」と、同じ紀元前3千年紀の遺跡群である、インダス文明との交易の痕跡が見られるラス・アル・ジンズ港湾遺跡、石塔墓群ザカイト遺跡を見学します。マガンが消滅した紀元前6世紀以降、オマーン北部の海岸地帯と内陸の一部は、歴代のペルシャ帝国の支配下に置かれました。現在、世界遺産となっている「オマーンの灌漑システム・アフラジ(単数系はファラジ)」は、この時期にペルシャから導入され、現在に至るまでオマーンの農業と文明を支えて来ました。 紀元後100〜300年頃、最初のアラブ部族が現在のオマーンに到達しました。アラブ民族の流入の痕跡は、今回のツアーで見学するサルート城塞遺跡で見ることが出来ます。
紀元後1世紀、サルートで、イエメンから到来したアラブ民族の指導者マリック・ビン・ファハム・アル・アズディの軍勢がペルシャ軍を撃退し、一時的に独立を果たします。しかし、最終的にペルシャから独立するのは、7世紀のオマーンのイスラーム化を待たねばなりませんでした。 一方、オマーン南部は、紀元前1千年紀から紀元後290年まで栄えたハドラマウト王国(現在のイエメン東部)の支配地域でした。今回のツアーでは、オマーン南部の主要都市サラーラを拠点に、主に世界遺産「乳香の土地」の構成資産を巡ります。カンラン科の樹木から採取される乳香は、最も高価な香料の一つとされ、乳香貿易は、古代から中世初期に至るまで、アラビア海周辺では最も重要な経済活動でした。ツアーでは、かつてオマーン南部を賑わせた乳香貿易の史跡を訪ねます。


COLUMN オマーンと乳香交易
エジプトのファラオの時代の埋葬品からも出土し、いにしえより香として人類に用いられてきた乳香。キリスト生誕の際は、東方からの三人の博士が乳香を貢物として持参し、また8世紀の中国の史書には、アラビアからの乳香が中国に運ばれたという記録が残っています。オマーンは乳香の産地として古代から名を馳せた地で、アラビア湾に面したホール・ルーリなどの都市から、季節風を利用し、海のシルクロードを伝った海洋交易によって各地に運ばれました。乳香は、乳香の木の樹皮を削り滲み出した樹液が固まったものを集め、炭の上で燻してその香を楽しむというもの。殺虫作用もあると言われ、オマーンでは今なお一般家庭で香として使われているほか、世界各地で様々な宗教儀式の際にも香として利用されています。

COLUMN ペルシャからの伝来 ファラジ
オマーン国内に3千以上も残っている灌漑水路システムのファラジは、世界遺産に登録されています。ファラジの発祥に関しては諸説がありますが、3世紀から7世紀にかけてオマーンを支配したササーン朝の影響が強いと言われています。メソポタミアが発祥と言われるカナートと呼ばれる水路システムは、ペルシャ帝国に引き継がれ、帝国内のオアシス都市の発展に貢献しました。現在のホルムズ海峡を挟んで地理的にペルシャと近かったオマーンは、帝国からの影響を強く受け、山地から水を引いてオアシス内に水路を張り巡らすこのファラジの文化も伝わりました。オマーンには現在も、オアシスのナツメヤシ農園や、伝統的な人々の暮らしの中でファラジを流れる水が利用されています。


出発日と料金
2023年~2024年 出発日~帰着日 |
日数 | 旅行代金 | 催行状況 |
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12月28日(木) ~ 01月06日(土)年末年始コース・金子貴一さん同行 | 10日間 | 798,000円 | ![]() |
発着地 | 東京・大阪発/東京着 | 最少催行人員 | 8名(15名様限定)・添乗員同行 |
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燃油サーチャージ | 78,000円(6月23日現在の見込み) | ||
一人部屋追加代金 | 88,000円 | ||
国際線のビジネスクラス | 追加代金等の詳細はお問い合わせください。 |
- 相部屋ご希望の場合でも、ご出発の時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。
- 特別価格コースのため再利用割引・特別割引はありません。
- 海外での空港税諸税は旅行代金に含まれています。
- 燃油サーチャージ額は、原油価格の変動により変更することがあります。
ツアー日程表
地名 | 時刻 | スケジュール | |
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1 | 東京 大阪 |
22:30発
23:30発 |
空路、東京・大阪よりアラブ首長国連邦のドバイへ。 ※添乗員は、東京・大阪のどちらか一方より同行し(往復)、ドバイにて合流します。 機中泊
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2 | ドバイ ドバイ ドバイ マスカット |
05:30着 05:45着 11:00発 12:10着 |
ドバイ着後、航空機を乗り換えてオマーンの首都マスカットへ。着後、専用車にてマスカット市内観光(国立博物館、アル・アラム王宮(外観)、200年の歴史を誇るオマーン最古級の市場で昔はインドや中国からの輸入品が並んでいたムトラスーク、16世紀にポルトガルによって建設されたムトラ城、中東最古級のヒンドゥー教寺院・マスカット・シバ寺院(外観))。
マスカット泊
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3 | マスカット | 終日、マスカット市内及び近郊の見学(世界で2番目に大きなペルシャ絨毯が敷かれたスルタン・カブース大モスク、オマーン海洋帝国の全盛期のアル・ハズム城、1500年前の創建と言われナツメヤシに囲まれたナハル城、オマーンで最初のムスリムのマズィン・ビン・ガドゥーバ廟があるオマーン最古のモスクマズィン・ビン・ガドゥーバモスク(外観)。
マスカット泊
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4 | マスカット ニズワ |
08:00発 18:30着 |
専用車にて、ニズワへ。途中、紀元前3千年紀にメソポタミアまで銅を輸出したマガン地方の遺跡群である世界遺産のバット(外観)、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群を見学。またオマーンの最も伝統的な町の一つで現存最古の家々が残るアル・ハムラにてファラジ灌漑システムを見学します。 ニズワ 泊
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5 | ニズワ |
午前中、オマーンで最も美しい村のひとつとされるミスファット・アル・アブリーンを訪れファラジ灌漑システムが残る村内を散策。その後、専用車にて12〜15世紀に建設されたとされオマーンの数多くの城塞で唯一の世界遺産の城バハラ城塞、17世紀の平時に宮殿と大学を兼ねて建設されたオマーンで最も美しい城ジャブリーン、2023年2月にオープンしたばかりのビスヤ・サルート・ビジターセンター、アラブ民族の流入の始まりとオマーンの歴史の始まりを象徴する青銅器・鉄器時代(紀元前3千年紀)の城塞サルート遺跡(外観)を見学。夕方、ニズワに戻り、古都ニズワの観光(伝統工芸品が並ぶ国内最古級のニズワ・スーク、ヤアーリバ朝初代イマーム王の居城ニズワ城)等。
ニズワ 泊
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6 | ニズワ スール |
08:00発 |
専用車にて、スールへ。途中、青銅器時代(紀元前3千年紀)の石塔墓群ザカイト遺跡、インダス文明との交易関係が分かる紀元前3千年紀・青銅器時代のラス・アル・ジンズ港湾遺跡を見学。スール着後、6世紀に港湾都市として建設されたスール市内観光(海洋博物館、ダウ船工房)。 夜、ラス・アル・ハッドにてウミガメの産卵を見学。
スール泊
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7 | スール マスカット マスカット サラーラ |
08:00発 16:30着 夜発 夜着 |
午前中、紀元後11~15世紀、アラビア東部とアフリカ東部・インド・中国・東南アジアを結ぶ主要貿易港で世界遺産の古代都市カルハート、世界遺産「オマーンの灌漑システム・アフラジ」の構成資産ファラジ・アル・ジェーラを見学。その後、マスカットへ。 夜の便にて南部の中心都市サラーラへ。
サラーラ泊
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8 | サラーラ | 終日、サラーラ市内及び郊外の世界遺産「乳香の土地」の史跡群を見学(紀元前2〜紀元後3世紀のオアシス交易都市シスル遺跡、紀元前1世紀建造のホール・ルーリ港遺跡、鉄器時代・紀元前1300年〜紀元後12世紀のアル・バリード港湾都市遺跡、乳香の土地博物館、ワディ・ダウカ乳香公園)。
サラーラ泊
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9 | サラーラ ドバイ |
23:35発 25:40着 |
前日に引き続き、サラーラ市内及び郊外(旧約聖書にも登場する預言者ヨブの聖廟、聖典コーランに記載される預言者イムランの聖廟、銃市場、水が豊富で滝もあるワジ・ダルバート自然保護公園、聖ムハンマド・ビン・アリ廟と中世イスラーム墓地、共産主義ゲリラによるドファール反乱の激戦地の一つミルバート城)等。 夜の便にて、ドバイへ。
機中泊
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10 | ドバイ 東京 |
08:20発 22:30着 |
ドバイ着後、航空機を乗り換えて帰国の途につきます。着後、解散。 |
- 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
- 食事回数:朝7/昼8/夜7:機内食は除く
- 利用予定航空会社:エミレーツ航空
ご案内とご注意
査証(ビザ) | オマーン(20リアル=約6,400円)、代行手数料(4,400円)、写真1枚。旅券の残存有効期間は入国時に6ヵ月、査証欄余白は2ページ以上必要です。 |
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気候・服装 | 12月はベストシーズンにあたり日中夏~合服で過ごせます。日中は日焼けを防ぐためにも長袖シャツがお勧めです。朝晩は気温が下がりますのでライトダウンやジャンパー等の防寒具をお持ちください。日中は日差しが強く照り返しがきついので、帽子やサングラス、日焼け止めもお持ちください。 |
利用予定ホテル | 下記のホテルリストをご覧ください。 マスカット:ウェーブ・インターナショナル、ラディソンブル、アルファラジ、 マジャン・コンチネンタル ニズワ:インターシティ、ファラジダリス、ゴールデンチューリップ 、アルディヤル スール:スールプラザ、ビーチホリデイ、グランド、リーディングウィングス サラーラ:クラウンプラザ、ヒルトン、プラザ、ビーチリゾート、ジュウェイラ・ブティック |
観光について | オマーンの遺跡や博物館、モスク等は、政府や観光局の決定により突然入場できなくなることがあります。その場合は、代替の見学地にご案内させていただきます。 |
旅行条件について | 取引条件はこちらの 海外旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。 |
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世界遺産
オマーンの灌漑システム/乳香の土地/バハラ城塞/バット、アル・フトゥムの考古遺跡群