ツアーのポイント

ポイント 生きたチベット仏教の総本山群をバイラクッペで見学

インド南部カルナタカ州にはインド最大のチベット人居留地があります。その一角を担うバイラクッペには、1970年代になってから、チベット本土と同名のチベット仏教総本山群が再建されました。こうして、チベット仏教の本流は、インドの亡命チベット人社会に受け継がれました。チベット本土では、宗教活動が著しく制約されているため、現在でも毎年1,000人以上の規模で、僧侶や尼僧、出家を目指す若者たちが、生命の危険を冒してヒマラヤ山脈を越えて、バイラクッペの総本山群などで修行を続けているのです。
バイラクッペのチベット密教、ナムドロリン僧院
ナムドロリン僧院にて
訪問する
世界遺産

コナーラクのスーリヤ寺院

PROFILE 金子貴一さんプロフィール

1962年、栃木県生まれ。栃木県立宇都宮高校在学中、交換留学生としてアメリカ・アイダホ州に1年間留学。大学時代はエジプトの首都カイロに7年間在住し、1988年、カイロ・アメリカン大学文化人類学科卒。在学中よりテレビ朝日カイロ支局員を経てフリージャーナリスト・西遊旅行添乗員として活躍。中国や中東、仏教などへの造詣も深く、雑誌や新聞などへの執筆も多数行っている。


金子貴一さんよりメッセージ

「インドが好き!仏教遺跡が好き!仏蹟、アジャンタ、エローラ、サンチー、ラダックは行ったけど、インドでは他に仏教遺跡はないの」と探していた皆様。あるんです。同じくらい、いや、それ以上に大切な仏教遺跡群が。実は、この旅の目的地、インド南東部には、我らが日本仏教の直接の源流となる重要な仏教遺跡が散在しているのです。

 このツアーでは、大乗仏教の大成者、あの般若心経の「空」の思想や浄土教を生んだ、すべての日本仏教宗派の祖として崇敬される龍樹菩薩が晩年過ごしたとされる「ナーガルジュナ・コンダ遺跡」、インド南部仏教美術の宝庫で、密教発祥の地ともされる「アマラヴァティ大塔」、日本密教美術の原型となる仏像群が現在でも発掘されているオリッサ州仏教遺跡群などを巡り、仏教が生まれたインドで日本仏教のルーツに迫ります。

 紀元前5世紀に生まれたインド仏教は、釈尊と直弟子たちの時代である「原始仏教」、紀元前3世紀から分裂分派した「部派仏教(小乗仏教とも言われる)」、紀元前後に興隆した「大乗仏教」、紀元7世紀に起こった「密教」という段階を経て、1203年にイスラム軍の侵攻により「滅亡」しました。うち、日本仏教の直接のルーツは、大乗仏教と密教です。

 その大乗仏教の「大成者」とも「第2の仏陀」とも称されるのが龍樹菩薩(150~250年頃)です。「空」や「浄土教」の論理を主とする同師の思想は、中国と日本の仏教諸宗全ての起源となっているので、「八宗の祖」とも尊称されます。殊に、浄土真宗では七高僧の第一祖として、真言宗では真言八祖の第三祖「龍猛菩薩」として崇敬されています。

 この旅では、龍樹菩薩が晩年を過ごしたとされる「ナーガルジュナ・コンダ遺跡」、南インド仏教美術の中心地であり密教発祥の地「南天鉄塔」ともされる「アマラヴァティ大塔」(真言密教根本道場のシンボルである高野山の根本大塔は、弘法大師空海がこのアマラヴァティ大塔を日本に再現したものです)、近年、日本密教の両界曼荼羅の源流となる仏像が数多く発見されたオリッサ州の仏教遺跡群や、発掘された数多くの仏像等を収蔵する博物館群を中心に見学し、インド南東部に散在する日本仏教のルーツに迫ります。このオリッサ州は、真言八祖の一人、善無畏三蔵の故郷でもあり、三蔵が中国にもたらした胎蔵曼荼羅の仏像が多数出土するのも大いに納得がいきます。また、ウダヤギリ遺跡では、日本と同じ、密教の四仏像と八大菩薩像、そして、金剛界大日如来像を見ることが出来る。日本の密教寺院で祀られる大日如来像の原型が、現地で見られるのも感動ものです。

 更に、仏教とヒンズー教との深い関わりをも見詰めていきます。仏教寺院を起源とする「ヒンズー教四大聖地」の一つジャガンナート寺院(外観)、十二天の一つ日天として仏教に摂受された太陽神スーリヤを祀った世界遺産コナーラクのスーリヤ寺院、そして、神々への帰依心を表現した「インド最古の古典舞踊」オリッシーダンスでは、密教の儀礼と同様に印契(手の動作)を組み、神と踊り子との一体感を重視します。

 旅の最後には、紀元前3世紀に、アショーカ王(阿育王)が仏教に深く帰依する転機となったカリンガ戦争の激戦地「ダウリの丘」を訪れます。この戦争で、双方計11万人の死者を出した王は、深く後悔して不殺生を誓い、仏教を中心とする政治を行い、インド内外に仏教を広めました。ここには、現在でもアショーカ王も刻んだと言われる勅令が残っています。王の尽力により、仏教は世界宗教となり、カリンガ戦争の800年後には、日本にも伝播することになるのです。

ウダヤギリ遺跡の金剛界大日如来像
バイラクッペのチベット密教、ナムドロリン僧院

COLUMN 龍樹菩薩晩年の地 ナーガルジュナコンダ島を訪問

ナーガルジュナコンダは、発見された碑文により、3世紀に栄えたイクシュヴァーク朝の都ビジャヤプリーの跡と考えられています。王宮、チャイティヤなどの仏教建築、ヒンドゥー寺院など、クリシュナ川中流に多数点在していた遺構ですが、1950年代からのダム建設により湖の底に沈むため、重要な九つの遺構が丘の上に移され、島となって保存されています。出土品の展示や水没前の遺跡群の様子がわかる博物館、入口にムーン・ストーンを配置した僧院などが残ります。ナーガルジュナコンダの語義は「ナーガルジュナの丘」で、遺跡のわきの丘上で、仏教中観派の祖龍樹が晩年瞑想をしたことに由来するといわれています。年代的には仏陀を法輪や仏足で表す「シンボル」から「仏像」への過渡期にあたり、仏教美術的にも重要な遺跡となっています。

世界第3位の大きさを誇る人工湖ナーガルジュナサーガル
シヴァ寺院
卍仏塔
紀元前2世紀頃の巨石墳墓
チャムタスリ王女奉献塔

出発日と料金

2025年 
出発日~帰着日
日数 旅行代金 催行状況
03月19日(水) ~
04月02日(水)金子貴一さん同行
15日間 648,000円
発着地 東京発着 最少催行人員 8名・金子貴一さん同行
燃油サーチャージ 45,000円(11月6日現在の見込み)
一人部屋追加代金 92,000円
国際線のビジネスクラス 追加代金等の詳細はお問い合わせください。
  • 特別価格コースのため再利用割引等はありません。
  • 海外での空港税諸税は旅行代金に含まれています。
  • 燃油サーチャージ額は、原油価格の変動により変更することがあります。
  • 相部屋ご希望の場合でもご出発時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。

ツアー日程表

地名 時刻 スケジュール
1

東京
デリー
デリー
バンガロール

12:20発
19:00着
夜発
深夜着

空路、東京より直行便で、インドの首都デリーへ。着後、航空機を乗り換えてインド最大の都市バンガロールへ。
バンガロール泊
2 バンガロール
バイラクッペ
08:00発
16:00着
朝、専用バスにてインド最大のチベット人居留地の一角を担うバイラクッペへ。着後、バイラクッペ観光(チベット密教ゲルグ派三大寺院の一つセラ寺、ニンマ派の世界最大の道場ナムドロリン僧院などのチベット寺院群等)。
バイラクッペ又はバイラクッペ近郊都市泊
3 バイラクッペ
バンガロール
バンガロール
チェンナイ

11:00発
18:00着
夜発
深夜着

朝、「龍樹菩薩とチベット仏教」のレクチャーを行います。午後、専用バスにてバンガロールへ戻ります。着後、航空機にてチェンナイへ。

チェンナイ泊
4 チェンナイ
(カーンチプラム)
 

専用バスにて、イエス・キリストの12使徒の一人、聖トマスの廟があるサン・トメ聖堂聖トマスの丘、アマラヴァティ大塔遺跡の発掘物を所蔵するチェンナイ博物館を見学。その後、禅宗の祖、達磨大師の故郷とされ、現在ではヒンドゥー教寺院が林立して「千の寺院の町」と呼ばれるカーンチプラムも訪問します。

チェンナイ泊
5 チェンナイ
ハイデラバード
ハイデラバード
ナーガルジュナサーガル

午前発
午前着
約3時間

航空機にてハイデラバードへ。着後、専用バスにてナーガルジュナサーガルへ。着後、仏教遺跡群があるアヌプ遺跡を見学します。

ナーガルジュナサーガル泊
6 ナーガルジュナサーガル
(ナーガルジュナコンダ)
 

混乗船にて龍樹菩薩が晩年を過ごしたというナーガルジュナコンダ島へ往復観光。島の遺跡群や博物館を見学します。

ナーガルジュナサーガル泊
7 ナーガルジュナサーガル
ヴィジャヤワダ
08:00発
19:00着

専用バスにてヴィジャヤワダへ。途中、古代仏教寺院がそのままヒンドゥー寺院となったカポテーシュワラ寺院、密教発祥の地「南天鉄塔」ともされるアマラヴァティ大塔ウンダヴァリ石窟寺院等を見学します。

ヴィジャヤワダ泊
8 ヴィジャヤワダ
ラージャムンダリー
08:00発
20:00着

専用バスにてラージャムンダリーへ。途中、ガンタサラ・ストゥーパグントゥパリ仏教石窟を見学します。

ラージャムンダリー泊
9 ラージャムンダリー
スリカクラム
08:00発
17:00着

専用バスにてスリカクラムへ。途中、仏教遺跡ボジャナコンダとリンガラメッタにて石窟寺院ストゥーパ大仏群を見学します。

スリカクラム泊
10 スリカクラム
ブバネシュワル
約5時間

朝、多くのストゥーパが残ることで有名なサーリーフンダム遺跡を訪問します。その後、列車にてオリッサ州の州都ブバネシュワルへ。

ブバネシュワル泊
11 ブバネシュワル  

終日、専用バスにて、ブバネシュワル市内観光州立博物館、ブバネシュワル最大のヒンドゥー教寺院のリンガラージャ寺院(外観)、ムクテーシュワラ寺院パラスワメーシュワラ寺院等)。また、ジャイナ教の石窟が並ぶウダヤギリとカンダギリも訪れます。夜はオリッシーダンスをご鑑賞ください。

ブバネシュワル泊
12 ブバネシュワル  

終日、専用バスにて、ブバネシュワル郊外の観光。コナーラクにて世界遺産のスーリヤ寺院を訪問。その後、ヒンドゥー教の聖地プリーを訪れ、ジャガンナート寺院(外観)を見学。また、プリー郊外のラグラジプールの芸術村、色とりどりの手工芸品が並ぶピプリ村を訪れます。ラグラジプールでは、ゴティプアダンスもご鑑賞ください。昼食はオリッサ州の伝統料理をお召し上がりいただきます。

ブバネシュワル泊
13 ブバネシュワル  

前日に引き続き、専用バスにてブバネシュワル郊外の観光。日本密教美術の起源となる仏像群が見られる仏教遺跡群ラトナギリ、ラリトギリ、ウダイギリを見学します。また、プシュパギリ寺院跡で有名なラングディの丘も訪れます。

ブバネシュワル泊
14 ブバネシュワル
デリー
デリー

午後発
午後着
21:10発

朝、アショーカ王が仏教に深く帰依する転機となった、カリンガ戦争の激戦地ダウリの丘を観光。その後、航空機にてデリーへ戻ります。着後、航空機を乗り換えて、帰国の途につきます。

機中泊
15 東京 08:45着 着後、解散。
  • 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
  • 食事回数:朝13/昼13/夜12:機内食は除く
  • 利用予定航空会社:エア・インディア

ご案内とご注意

査証(ビザ) インド(25.63ドル)、代行手数料(5,500円)、写真1枚。旅券の残存有効期間は入国時に6ヵ月、査証欄余白は2ページ以上必要です。
気候・服装 この時期は乾季にあたります。日中は半袖シャツで過ごせますが、冷房対策に上着もお持ちください。
利用予定ホテル 下記のホテルリストをご覧ください。
■バンガロール:ブルーム、ウィンドフラワー、フォーチュン、ITC、サウザンスター、プライド、チャンセリー。クラークエギゾチカ
■チェンナイ:プライド、GRTグランド、アンバサダーパラバ、レモンツリー、ゾーンバイザパーク
■ナーガルジュナサガール:ハリタ・ビハール
■ヴィジャヤワダ:グランドヴィジャヤワダ、フォーチュンムラリパーク、ゲートウェイ、クオリティインマノール、カイ
■ラージャムンダリー:マンジーラサロバールポルティコ、シェルトン、ラ・ホスピン、アーナンド・リージェンシー
■スリカクラム:ブルーアース、ヴィジェッタ・イン、ナガヴァリ、サンライズ
■ブバネシュワル:スウォスティ・プレミアム、クラウン、スウォスティ・グランド、ヴィッツ、ニューマリオン、HHI、トライデント、レモンツリー、プライド
宿泊について 日程2日目はバイラクッペ又はバイラクッペ近隣のゲストハウス泊となります。バイラクッペ又はバイラクッペ近隣宿泊設備は十分とは言えず、エアコンはなく、お湯の出が悪かったり停電することがあります。予めご了承ください。
旅行条件について 取引条件はこちらの 海外旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。
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