ツアーのポイント

ポイント全行程、専門家が同行

「ブラタモリ」の沖縄編・奄美編などにも出演された、琉球大学准教授・尾方隆幸さんが全行程同行くださいます。
通訳を介すことなく各地の地質、地形をじっくりとご解説いただきます。

ポイント台湾のダイナミックな地質を観察

フィリピン海プレートとユーラシアプレートが衝突する台湾。その衝突境界が地表上で観察できる貴重な場所という説もあります。また、プレートの沈み込みによる隆起の速度は世界最速レベルで、今なお特異な地形を生み出し続けています。

ポイント台湾を代表する絶景

泥岩が侵食されてできた「月世界」、カルスト地形が露出する台湾最南端の「墾丁」、大理石の絶壁とエメラルドグリーンの渓流が美しい「太魯閣渓谷」、太平洋からほぼ垂直にそそり立つ1,000mの「清水断崖」、石灰質の砂岩が海食風化と地殻変動によって生み出した「野柳地質公園」など、台湾の絶景地を訪問します。

ポイント自然の脅威を学ぶ

1999年9月21日、台湾中部でマグニチュード7.6(最大震度7相当と推定)の大地震が発生し、各地甚大な被害を受けました。その際発生した断層のずれや校舎の倒壊が、震災教育と防災のため全て保存されている「車籠埔断層保存館」、「921地震教育園区」を見学します。

活断層を記録する大坡小学校
倒壊した校舎(921教育園区)

PROFILE 同行ガイド 尾方 隆幸さんからのメッセージ

台湾はジオ多様性(地球科学の観点からみた多様性)の宝庫です。日本の九州とだいたい同じくらいの島ですが、まさに世界に誇るジオ多様性があります。台湾では、ほんのちょっと移動するだけで、目まぐるしく景観が変わります。もちろんそれには意味があります。すぐ隣に位置する琉球弧との繋がりも意識しながら、台湾が「美麗島」とよばれるゆえんを、一緒に考えていきたいと思います。

尾方 隆幸(おがた たかゆき)

琉球大学准教授、地球科学者。筑波大学大学院博士課程修了。博士(理学)。地形の分布や堆積物の構造を調査・解析し、地球表層の自然環境を理解する地形学が専門。NHK「ブラタモリ」の沖縄編・奄美編や、NHK「グレートネイチャー」の南西諸島編などに出演。毎年数回は海外に出かけ、アジアやヨーロッパの各地でフィールドワークを行っている。

COLUMN プレート境界説の謎に迫る

台湾は、400万年前ころより始まったフィリピン海プレートとユーラシアプレートの収束によって形成されています。台湾の特異な点としては、島の北端付近では西南日本同様にフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んでいますが、島の西側は、ユーラシアプレートがフィリピン海プレートに沈み込んでおり、大陸プレートが海洋プレートの下に沈み込むという逆転現象が生じています。島の東部、中央山脈と海岸山脈とに挟まれた花東峡谷では、両プレートの境界を地表上で見ることができるという説がありますが、単純に説明できるものではなく、まだまだ解明できていないことがたくさんあります。定説の矛盾点や仮説などを元に、プレートテクトニクスの謎に迫ります。

プレート境界線という説もある玉里大橋(空撮)
断層で橋がずれた玉里大橋

COLUMN 世界最速の隆起が起こる島

台湾では隆起も侵食も非常に活発で、それぞれ年間で平均すると数mmに及びます。隆起と侵食の量はおよそ等しいと推定され、地形は、隆起・侵食の動きが見られながらも、バランスの取れた状態にあると考えられます。台湾の北東海岸、全長22.7kmに及ぶ清水断崖は、高さ1,000mに及ぶ断崖絶壁が太平洋からほぼ垂直にそそり立っています。目の前に聳える大理石の壁に圧倒されることでしょう。その大理石の岩盤を立霧渓という川が侵食して作った大渓谷が、台湾を代表する景勝地・太魯閣渓谷です。岩壁には、川に流された石が当たって空けた穴が縦にいくつも並んでおり、地形変化が極めて活発であることを物語っています。高雄の月世界は、海底で堆積した泥や砂の地層が隆起し、それが急速に風化・侵食を受けた「バッドランド」と呼ばれる荒地の山が広がっています。特殊な地表環境にあり植生が定着しないため、降雨が地表を流れやすく、リルと呼ばれる地形を発達させています。

バッドランド地形が広がる田寮月世界
地表流がつくるリルが発達する利吉悪地

COLUMN 奇岩群の宝庫

360度海に囲まれた台湾の海岸線では、海岸に特有の風化・侵食作用を受けた地形を至る所で見ることができます。野柳地質公園は、砂岩の塩類風化が生み出したタフォニやポットホールなどが、海に突き出た1.7kmの岬に続いています。東海岸の石梯坪では、火山灰が固まった凝灰岩と隆起したサンゴ礁で形成された海岸地形がみられ、波の侵食による波食棚が発達しています。台東市郊外にある小野柳は、厚い砂岩と薄い泥岩が交互に堆積してできた砂泥互層が、それぞれの風化プロセスの違い(砂岩の塩類風化と泥岩の乾湿風化)によって凹凸をつくり、さらに部分的にサンゴ礁起源の石灰岩に覆われるという興味深い景観を生み出しています。台湾最南端の恒春半島では、サンゴ礁が隆起した段丘が重力によって崩れながら美しい草原を成り立たせている墾丁と、堆積岩の岩質による差別的な風化・侵食が美しい景観を生み出している佳楽水を訪れます。

砂岩の風化と侵食が奇岩を生む野柳地質公園
砂岩と石灰岩からなる佳楽水
凝灰岩と隆起したサンゴ礁で形成された石梯坪
砂岩泥岩互層の差別的風化がよくわかる小野柳

出発日と料金

2024年 
出発日~帰着日
日数 旅行代金 催行状況
10月10日(木) ~
10月16日(水)尾方隆幸さん同行
7日間358,000円
発着地 東京・大阪発/東京着 最少催行人員 8名(14名様限定)・添乗員同行
燃油サーチャージ 20,600円(3月19日現在の見込み)
一人部屋追加代金 49,000円
国際線のビジネスクラス 追加代金等の詳細はお問い合わせください。
  • 海外での空港税諸税は旅行代金に含まれています。
  • 燃油サーチャージ額は、原油価格の変動により変更することがあります。
  • 特別企画コースのため再利用割引・特別割引はありません。
  • 相部屋ご希望の場合でもご出発時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。

ツアー日程表

地名 時刻 スケジュール
1 東京
台北
大阪
台北

台北
台中

午後発
午後着


午後発
午後着
午後発
夜着

東京、大阪よりそれぞれ台北へ。着後専用車にて台中市内のホテルへ。
※添乗員は東京・大阪のどちらか一方より同行し(往復)、台北にて合流します。

台中泊
2 台中
台南
08:30発
17:00着

朝、921地震によって倒壊した学校をそのまま残す921地震教育園区と、露出した断層面を見ることができる車籠埔斷層保存区を見学します。その後、台南へ。途中、台南左鎮化石園区にて中国サイ早坂氏亜種(早坂サイ)の全身骨格の化石などを見学します。

台南泊
3 台南
恒春
08:00発
18:00着

専用車にて荒涼とした泥砂岩の山が広がる月世界へ。烏山頂の泥火山を見学した後、台湾南部の恒春へ。途中、天然ガスが噴出し自然発火している出火特別景観区を訪れます。

恒春泊
4 恒春
墾丁
台東
08:00発

18:00着

専用車にて、台湾最南端の熱帯性気候区に属す墾丁国家公園と、佳楽水風景区へ。カルスト地形の海岸や海面に突き出た石灰岩の奇岩などを見学します。その後、台東へ。予定通り到着した場合、泥岩が浸食、風化された利吉悪地(バッドランド)を見学します。

台東泊
5 台東
花蓮
08:00発
19:00着

朝、台東郊外の富岡地質公園(小野柳)にて海蝕された奇岩群などを観察します。その後、一路花蓮へ。途中、断層のずれを観察できる池上断層、プレート境界という説のある玉里大橋、凝灰岩と隆起したサンゴ礁で形成された石梯坪北迴歸線界標など、のどかな東海岸と花谷縦谷の景勝地、観察地を巡ります。

花蓮泊
6 花蓮
新城
頭城
基隆
08:00発
午前発
午後着
19:30着

朝、隆起の速さを物語る垂直に切り立った清水断崖を観察します。その後、新城駅から列車で宜蘭県の頭城駅へ。専用車にて宜蘭県立蘭陽博物館へ。フィリピン海プレートによる地殻運動や蘭陽平原の成り立ちの展示などを見学します。その後専用車にて、東北角海岸の景観を眺めながら南雅奇石へ。季節風と波の浸食によって造られた奇岩群を観察します。その後、基隆へ。

基隆泊
7 基隆
陽明山
台北
台北
東京
07:30発

13:00着
18:25発
22:15着
朝、野柳地質公園へ。海蝕によりできた奇岩群を観察します。その後、陽明山の大屯火へ。後火山作用で噴煙を上げ続ける小油坑を見学し、台北へ。市内で昼食の後、国立台湾博物館を訪れます。その後、松山空港へ。夜の便で空路、帰国の途につきます。着後、解散。
  • 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
  • 食事回数:朝6/昼6/夜6:機内食は除く
  • 利用予定航空会社:中華航空、エバー航空

ご案内とご注意

査証(ビザ) 不要です。旅券の残存有効期間は、帰国時まで有効なものが必要です。
気候・服装 都市部では合服が基本となります。朝晩や曇天の日は涼しくなりますので、フリース等の上着が必要です。靴は歩きやすい運動靴などでご参加ください。降雨に備え、折り畳み傘などの雨具もお持ちください。
利用予定ホテル

下記のホテルリストをご覧ください。
■台中:ザ メトロ ホテル、ホテルデイ
■台南:フーシンホテル、タルムード、サンフアンイージーステイイン
■恒春:ウナベイホテル、ザ リバーサイド、ジアーズイン
■台東:ホテルチャムチャム、ザスイーツ
■花蓮:KKS、スタリーイン、シティーホテル
■基隆:ベイドゥーホテル、フアドゥホテル、ジャストリブイン

観光について 2024年4月におきた地震の影響で「太魯閣渓谷」は現在復旧作業中です。観光客の受け入れ再開日は未定ですが、再開した場合は、日程6日目の「宜蘭県立蘭陽博物館」および「南雅奇石」の訪問に変わり、太魯閣渓谷を訪れます。
旅行条件について 取引条件はこちらの 海外旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。
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