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バルディア国立公園-1 ベンガルタイガーとインドサイ(ネパール)

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これまで、ネパールではトラは見れない・・・というか、見るのは難しい・・・と言われてきましたが、事情が少し変わってきました。タライ平原のバルディア国立公園では、毎日トラが水浴びに来るとか、観光客がトラと鉢合せになって木の上に登って助かったとか・・・そんな話が入ってくるようになりました。

で、一番観察のチャンスの良い(ということは、気温の高い時期です)とされる、4月下旬、西遊ネパールのジーバンさんとバルディア国立公園へ行ってきました。

バルディア国立公園について Bardia National Park

968平方キロメートルにおよぶタライ平原に位置する国立公園。1988年にロイヤル・バルディア国立公園としてスタートしましたが、1996年~2006年のマオイスト時代の政情が不安定な時期に観光客は激減し、野性動物も密猟により減ってしまっていました。その後、チトワンからインドサイを迎えたり、密猟を取り締まる警備がしかれ徐々に個体数が回復してきています。2016年現在、園内にはおよそ50頭のインドサイ、45~50頭のベンガルタイガーが確認されており、バルディア国立公園は野生動物個体数の再生、ツーリズム回復に向けて取り組んでいる国立公園です。公園西部の川と湿地の多いエリアではインドサイ、ベンガルタイガー、アクシスジカ、ホッグジカ、ハヌマンラングールなどの野生動物、野鳥の観察が期待できます。

ここでのサファリがどんなものかというと、インドのようなジープサファリではなく、ジープは移動のための手段で、観察は少し歩いて「観察ポイント」へ行き木の隙間などからトラやサイを観察したりします。ジープから見えることはまれで、トラが出没する水辺で長時間待ったりすることも。

バルディア国立公園へは、カトマンズから国内線でネパールガンジへ飛び、そこから車で国立公園へ向かいます。

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国立公園に向かう途中に通った川にいたインドガビアル Gharial 。何匹も並んでいるさまは圧巻です。

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バルディア国立公園入口の村では、女性たちが魚取りをしていました。バルディアは小さな村で、宿泊するロッジはインドなどと比べ、設備が整っていません。「ネパールの田舎ゲストハウス」というイメージです。

で、初日のサファリの様子です。

ゲストハウスに到着すると、トラのサイティング情報があるので、すぐに出かけた方が良いとのこと。聞くとオスが川にいるが、すごく遠いところにいると。とりあえず行ってみました。ウォッチタワーまでジープで行き、そこからは河原を歩き、高い草に身を隠し、川の対岸にいるトラを探します。

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いました。こっちを向いています。私たちの到着の前に外国人のグループがいて、どうもその人たちを見ているようです。かすみがあり、遠く、非常に観察しにくい、写真も撮りにくいコンディション。

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水の中から出てきました。でもすぐに草むらへと入ってしまいました。沐浴を邪魔したようで、申し訳ないです。観察の仕方に気をつけなくてはなりません。

翌日、別のポイントへ。ここは川が湾曲して浅くなっており、子供を連れた親子トラが現れると話題になっている場所です。

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メスのベンガルタイガーが現れました。ゆっくりと水の中へ入っていきます。

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しばらく涼んでいるのか、じーっとしています。ちょっと気持ちよさそう?

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このポーズは・・・

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周りのフォトグラファー、ガイドさんも「川の中でトイレ?」・・・・、およそ30分ほど水辺にいて再び草むらへと入っていきました。

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待っている間には野鳥の観察。バン Common Moorhenです。

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カタグロツバメゲリ River Lapwing

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ミドリハチクイ Green Bee-eater

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カワリサンコウチョウ Asian Paradise-flycatcher

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そして夕方、水辺に親子インドサイが登場です。

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バルディアのインドサイは密猟により減ったためチトワン国立公園から移されてきた個体が多くいます。親子インドサイの姿が見れたのは大変幸せ。密猟をふせぐために園内をパトロールしているネパールの軍人さんたちもこの光景に見入っていました。

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日没の閉園時間まで観察。公園を出る前に国立公園の詰所を通過しますが、この付近はシカやサルが集まってます。子供をあやすハヌマンラングール Hanuman Langur のお母さんザルの姿。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : April 2016 ,Bardia National Park – Nepal

Reference : “Birds of Indian Subcontinent (Helm Field Guide)”, Lonely Planet “Nepal”, Wikipedia(EN)

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インドの森 バンダウガル国立公園 Bandhavgarh National Park

Bandhavgarh (2)

バンダウガル国立公園はマディヤ・プラデーシュ州の国立公園。1968年、マハラジャが狩猟地をマッディヤ・プラデーシュ州に寄贈したことが始まりとされています。当時の広さは105㎢。現在までに、コア・エリア、バッファ・ゾーン(人と野生動物との緩衝地帯)を含め1600㎢に拡大されてきました。コア・エリアの広さは、6~700㎢で、そこには約20頭が、バンダウガル全体では約60頭が生息しているといいます(2014年現在)。

公園内には7㎢のテーブルマウンテンにヒンドゥー寺院(ラーマ神)を含む要塞がありますが、3年前、観光客とトラの遭遇事故があり、それ以来この要塞エリアへの立ち入りは巡礼の時期以外は禁止されています。

Bandhavgarh (3)

バッファゾーンには80程の村があり、人とトラとの事故が絶えませんでした。1997~2000年のトラの数はたったの7頭、密猟や家畜が襲われることに腹を立てた村人が毒殺したりしたためでした。まさにバンガウガルの森からトラの姿が消えようとしていたとき、政府により家畜を襲われた村人への補償と教育が行なわれ、厳しい密猟対策が行なわれ、徐々にその数を回復させ、今では公園内に60頭が生息する、世界で最もトラの生息密度が高く、遭遇率が高い公園と呼ばれるようになったのです。

この数はこの公園の広さで暮らすことができるトラの最大数に達しており、親から離れたトラが公園外の森に移動したりするほか、作為的にトラのいない他の公園に移動(パンナ国立公園など)させることも行われています。

Bandhavgarh (4)

バンダウガルの森のサファリについて

バンダウガルには現在3つのゾーンでサファリが行われています。Tala Zone(タラ・ゾーン)、Magdhi Zone(マグディ・ゾーン)、キタウリ・ゾーン(Khitauli Zone)で、サファリの予約・支払い時にこのゾーンも指定することになり、予約・支払い後にゾーンやサファリカーに乗る人の変更や追加はできません。外国人は予約の人と同一人物かパスポートで照合されることもあるのです。

一番人気のあるゾーンはプレミアム・ゾーンとも呼ばれてサファリ料金も高価なタラ・ゾーン。バンダウガル砦を望む森は美しく、トラのサイティングもいいと言われています。最近はマグディ・ゾーンやキタウリ・ゾーンでのサイティングも良くなってきているようです。実際に私自身は3つのゾーンすべてでトラを観察できています。

美しいバンダウガルの森と野生動物をご紹介します。

Bandhavgarh -Peakok

森の中でたたずむインドクジャク Indian Peafowl

Bandhavgarh (1)

まるで人?仕草のかわいいハヌマーン・ラングール Hanuman Langur (Grey Langur)

Brown Fish Owl

木陰でうとうとしている ミナミシマフクロウ Brown Fish Owl  インドの森に広く生息するフクロウです。

Crested Serpent Eagle

こちらもインド大陸の森に広く生息するCrested Serpent Eagle カンムリワシ

Malabar Pied Hornbill

バンダウガルではカササギサイチョウ Malabar Pied Hornbill を見かけることも。

Asian Paradise Flycatcher

森の中で最も美しい鳥、カワリサンコウチョウ Asian Paradise flycatcher のオス。

Indian Vulture-Long billed Vulture

マグディゾーンではインドハゲワシ Indian Vulture(Long-billed Vulture) をよく見かけます。彼らはかつてインド大陸で「普通に見られる野鳥」でしたが、1990年代後半からの10年の間にその個体数を95-99%失うという悲劇がありました。ジクロフェナクという鎮痛剤兼抗炎症薬を与えられた家畜の死骸を食べたことが原因で24時間ほどで死んでいきました。現在ではもちろんこの薬の使用は禁止されていますが、まだまだ保護が必要な厳しい状態です。

Green Bee eater

そしてインドのあちこちで見られるミドリハチクイ Green Bee-eater、彼らの虫の食べ方はちょっと残酷です。

Chital11

その他、森にはたくさんのアクシスジカ Spotted Deer (Chital) やイノシシWild Boar、そして出会うことは難しいですが、レオパード Indian leopard、ナマケグマ Sloth Bear など、多様な野生動物・野鳥が暮らしています。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April 2009,  May 2013, April 2014  Bandhavgarh  National Park, Madhya Pradesh, India

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