エチオピアオオカミが暮らすサネッティ高原 – バレマウンテン国立公園
エチオピアのバレマウンテン国立公園は大きく分けて5つのエリアにわかれています。その中の一つであるサネッティ高原はエチオピアオオカミが生息するエリア。サネッティ、というのは現地の言葉で「風が強い場所」という意味があるそうで、風が強い日が多いようです。
麓のゴバの町から標高を上げていきます。森林限界を越えるとMoorland と呼ばれる植生の場所へ入ります。
さらに高度を上げ4,000mを越えるとサネッティ高原に入ります。ここで見ることのできる樹木は、ジャイアント・ロベリアのみ。
ジャイアントロベリアの群生
「アフロアルパイン植生」のこの高原にはバレマウンテンの固有種エチオピアオオタケネズミ(Giant molerat モグラネズミの一種)を含め、数種のげっ歯類が生息しており、これを捕食するエチオピアオオカミ Ethiopian Wolf が暮らしています。ネズミのいるところにオオカミはおり、車を警戒する事もなく車道近くまでネズミを探し求めてエチオピアオオカミが現れる事もあります。
サネッティ高原の豊かなアフロアルパイン植生に貢献しているのがげっ歯類たち。地面にトンネルの巣穴を掘り、はりめぐらされたトンネルネットワークと植物の根を食べては掘り返す行動が、サネッティ高原の豊かさのもと。
エチオピアオオカミの好物、エチオピアオオタケネズミはエチオピアの固有種の中でも、このバレ山地のみに生息するネズミです。
エチオピアオオタケネズミ Giant Molerat を探すエチオピアオオアミ Ethiopian Wolf
このウサギは和名がよくわからないのですが、エチオピアコウチノウサギ (?) 、Stark’s Hare。エチオピアの固有種であり、エチオピアオオタケネズミと同じくエチオピアオオカミの食糧源です。
これら高原のネズミ類、ウサギはエチオピアオオカミだけでなく、猛禽類の食糧でもあります。
コシジロハゲワシ White-backed Vulture が空から獲物を探しています。
高原を移動しているとあちこちでヨゲンノスリ Augur Buzzard が獲物を探している様子を見ることがありました。エチオピアオオタケネズミ、空からも陸からも狙われて、大変です。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia
Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”
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