タグ別アーカイブ: 根室海峡

白いシャチ(北海道・知床)

2023年5月、根室海峡に「白いシャチ」が2年ぶりに姿を現しました ♪♪

西遊旅行の羅臼支店「知床サライ」から届いた「白いシャチ」の動画です。

White orca / killer whale at Shiretoko, Hokkaiado 白いシャチ

白と黒のコントラストある配色がシャチの特徴ですが、このシャチは全身が白いため、アイパッチやサドルパッチもよく見ないとわかりません。

2019年に根室海峡で2頭がそれぞれ別々に初観測されて以降、2021年には2頭の白いシャチが揃って泳いでいることでも話題になりました。そして2年ぶりに今年(2023年)、羅臼港沖に1頭の白いシャチが姿を見せてくれました。

ニュースサイトによると「成熟したオス」「体長は目測で7メートル近く」「年齢は少なくとも50歳近く」「日本で最初に確認された白いシャチと同じ個体である可能性が高い」とのことです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230513/7000057514.html
https://www.youtube.com/watch?v=Z2ht8nJkrqk

遺伝子の異常でメラニンを作れないアルビノ(Albinism)なのか、変異による白変種(Leucism)なのかはわかっていないそうです。アルビノの特徴の赤い目が見られず、体色もグレーがかっているので、白変種のように見えます。

13頭のシャチの群れ。白という色は自然界では目立ちやすい色なので、生存競争のうえでは不利と言われていますが、この個体はしっかりと成長できています。

珍しい「白いシャチ」の出現でどの船も大賑わい。

ブロウ(潮吹き)。

背びれの先端が左に折れて曲がっています。
見る角度によってはこの部分に影ができて黒い模様のように見えることもあります。

体の左側面の背びれの下に擦り傷。

雪をまとった海別岳(うなべつだけ)をバッグに白いシャチが悠々と泳いでいます。また来年も知床に帰ってきてくれるのを楽しみにしています。

 

Photo & Video : Shohei MORITA( 知床サライ) Text : Wataru YAMOTO

Observation  : May 2023, 知床-根室海峡、北海道

★西遊旅行のワイルドライフツアー一覧はこちら

Youtubeでもワイルドライフの動画を配信しています。再生リストもご覧ください。

根室海峡のマッコウクジラ(2020年・夏)

根室海峡のマッコウクジラ ラウス Sperm Whale in Nemuro Strait Hokkaido Rausu 知床サライ (2)

知床半島と国後島の間、根室海峡の海にマッコウクジラがやってきました。毎夏、7~9月いっぱいくらい滞在していますが、今年は8月の半ばに一週間ほど見られなくなっていました。

この日、久しぶりにマッコウクジラのブローを確認、5頭が確認できました。

根室海峡のマッコウクジラ ラウス Sperm Whale in Nemuro Strait Hokkaido Rausu 知床サライ (5)

国後島をバックに、マッコウクジラのブロー。

根室海峡のマッコウクジラ ラウス Sperm Whale in Nemuro Strait Hokkaido Rausu 知床サライ (4)

深海1,000メートル以上を潜るマッコウクジラが浮上している時間は数分~10分。間もなく尾びれをを高くあげて潜航していきます。この潜航角度も大きな個体ほど鋭角になるとか。確かに、中にはのけぞっているくらいの子もいました!

羅臼に来るマッコウクジラはオスで単独だったり2~5頭のグループだったりします。

根室海峡のマッコウクジラ ラウス Sperm Whale in Nemuro Strait Hokkaido Rausu 知床サライ (1)

船の近くに浮上したマッコウクジラの背びれ、間もなく潜航です。

根室海峡のマッコウクジラ ラウス Sperm Whale in Nemuro Strait Hokkaido Rausu 知床サライ (3)

尾びれが上がると、このあとで会えるのは早くて40分後。クルーズもタイムアウトです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA * These photos were taken during a tour in late August 2020.

Special Thanks : はまなすの皆様

(動画)知床のシャチのファミリー、子供の動きが超かわいい!

知床のシャチ Vol 03 シャチのファミリー、子供が超かわいい!|西遊旅行

6月の知床、根室海峡のシャチのドローン撮影で見たものは・・・シャチの家族、そして子供のとても愛らしい動き。親でしょうか、大人シャチの上に乗り上げるようなしぐさも。船から見ていた時は子供は白い部分の「黄色っぽさ」が目立つのですが、ドローンからだと「灰色」に見えるんですね。

 

知床のシャチ Vol 04 シャチのポッド|西遊旅行

船のそばを悠々と通り過ぎるシャチのポッド。さすが海の王者といいたいところですが、どうも他の行動で忙しいようです。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2020, Rausu, Nemuro starit, Hokkaido

Special Thanks to Hamanasu はまなすの皆様

(動画)知床のシャチ、国後島をバックに現る

知床のシャチ Vol 06 シャチのポッド国後島をバックに|西遊旅行

シャチのシーズン真っただ中の知床、羅臼。この日は終日クルーズでシャチのポッドに出会うことができました。午前中は濃霧、午後になってようやく視界が広がりました。そして国後島背景にシャチのポッド出現!

知床のシャチ Vol 07 シャチの水面行動 テイルスラップ|西遊旅行

3日間の滞在中、お腹を上にしたり、テイルスラップのような行動が頻繁に見られました。

知床連山

霧の晴れた根室海峡から見た知床半島、知床連山。半島の麓はまだ霧がかかっています。6月のシャチのシーズンはこの海霧との戦い。服は防水・防寒の上下、カメラは防水カバーをかけて、レンズや双眼鏡がふけるようにミニタオルとレンズ拭きは必携です。

国後島 爺爺岳 (1) ハシボソミズナギドリ

国後側も晴れました。根室海峡を知床岬の方へ船を走らせると、国後島最高峰、爺爺岳(ちゃちゃだけ、1,822m)が見えてきます。海にいるのはハシボソミズナギドリ。今年は少ない、と聞きました。かわりにフルマカモメを多く見た気がします。

国後島 爺爺岳 (2)

これまで爺爺岳は船で行かないと見えないと思っていたのですが、羅臼から知床峠に向かう途中の道からも見えるのですね!

知床峠付近から 国後島にのぼる月

知床峠手前’(羅臼より)からの景色。根室海峡、国後島、そして満月。

国後島 羅臼山 泊山

国後国道(国道335号、羅臼町から標津町の海に面した国道)沿いにある、「知床サライ」の前から見た、夕方の国後島。海霧の上に羅臼山、泊山が現れました。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2020, Rausu, Nemuro Strait, Hokkaido

Special Thanks  to Hamanasu はまなすの皆様

(動画)シャチの交尾?疑似交尾?(根室海峡)

知床のシャチ Vol 02 シャチの交尾?疑似交尾?|西遊旅行

知床半島と国後島の間、根室海峡の海にやってくるシャチの群れ。どうしてここに集まるのか、調査・研究が進められています。羅臼から知床岬にかけての海域では、複数のシャチのポッドが集まることが観察されています。

ドローンからの映像には普段は体に収められているペニスが出ている様子が写っています。交尾の場合もあるし、練習?や遊びのこともあるとのこと。

シャチのペニス 羅臼 根室海峡 知床半島

船から見えたシャチのペニス。はじめは何かの肉を食べてるのかと思いました。

この根室海峡が”お見合いの場になっている”、”繁殖の場になっている”という説も。ドローンで見た光景は、交尾なのでしょうか、専門の方、ぜひ教えてください。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Photo : Morihiko HAYAKAWA

Observation : Jun 2020, Rausu, Shiretoko Peninsula, Nemuro Strait  羅臼、知床半島、根室海峡

Special Thanks :  Hamanasu はまなすの皆様

(動画)知床のシャチ、ポッドの浮上!(根室海峡)

知床のシャチ Vol 01 シャチのポッド浮上&ブロー|西遊旅行

6月、シャチのシーズンを迎えた知床半島・根室海峡。浮上してくるシャチのポッドをドローンでとらえました。

毎度思うのですが、船からドローンを飛ばすのは本当に怖いです。風がないと思っても吹いてきます。センサーが敏感で船の上でのハンドキャッチも難しい。絶対にドローンが海洋ゴミにならないよう、生き物に迷惑をかけないよう、震えながら飛ばしています。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2020, 羅臼、根室海峡 Rausu, Nemuro Strait, Hokkaido

Special Thanks : Hamanasu はまなすの皆様

冬の野付半島 コオリガモ Long-tailed Duck 

コオリガモ Long-tailed Duck 野付半島 (6)

2月の野付半島の海岸で観察したコオリガモたちです。コオリガモの冬羽のオスは白と黒の配色の羽に長い尾、先がピンクのくちばしという愛らしい姿。波の強い海岸で浮かんでいるコオリガモたち。

コオリガモ Long-tailed Duck 野付半島 (5)

コオリガモは夏に北極海・ベーリング海沿岸で繁殖し、冬になるとカムチャッカ半島、千島列島から北海道にまでわたってくる鳥。下の写真は野付半島ではなく、夏のウランゲリ島(チュクチ海)で観察した夏羽のコオリガモたちです。

●007A8532

夏羽のコオリガモ 霧の中で群れをみかけました。

●007A8542

夏羽のオス。冬とぜんぜん違いますが、Long tailの尻尾は健在。

コオリガモ Long-tailed Duck 野付半島 (2)

こちらは冬の野付半島のコオリガモのオスたち。飛ぶと長い尾羽がなびいて美しい冬のコオリガモ。

コオリガモ Long-tailed Duck 野付半島 (8)

根室海峡の海のコオリガモ。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Feb 2016 , 野付半島 – 北海道,  Aug 2016 Wrangel Island – Russia

Reference : 北海道野鳥ハンディガイド(北海道新聞社)、Helm Field Guides “Birds of East Asia”