千島列島の中部に位置するウシシル島。1つの島ではなくリポンキチャ島(北島)とヤンキチャ島(南島)と岩礁からなりまとめてウシシル島と呼びます。
リポンキチャ島にもチシマウガラス、ウミバト、ツノメドリなどの海鳥が繁殖していますが、カルデラクレーターを湛えたヤンキチャ島はエトロフウミスズメとシラヒゲウミスズメの一大繁殖地です。
「北島」にあたるリポンキチャ島です。「南島」のヤンキチャ島との間は400mほどで干潮時には歩いて渡ることができるといいます。訪れた時も潮の流れが強く、潮の引いた浜にトドとゼニガタアザラシがいました。
リポンキチャ島のツノメドリ Horned Puffin。
リポンキチャ島のウミバト Pigeon Guillemot。
ヤンキチャ島は全く異なる島の形で火山カルデラが海とつながり湾となった独特の景観です。
ドローン撮影によるヤンキチャ島のクレーター湾全景です。
このヤンキチャ島のカルデラクレーターに入るのは潮や風向きに左右されるため2018年の夏のツアーでも天候待ちをしなくてはなりませんでした。
このクレーター湾ですが、日本統治時代の名前もそのまんま「暮田湾」。そして千島列島有数の絶景ポイントで湾内には溶岩ドームがいくつかあり千島ならではの景観を作り出しています。
ハイキングを楽しむお客様。海鳥の営巣していない場所を歩きます。
そして湾内はかつて人の住んでいた砂地があり温泉も湧いています。スタッフがほって準備してくれる温泉。温度が高いため、海水で薄めます。毎度「卵を持ってくればよかった」と後悔するのでした。
この付近には青狐(ホッキョクギツネの亜種、Bering Island Arctic Fox)の家族が暮らしています。日本領だった時代に「養狐」事業の一環としてコマンダー諸島のホッキョクギツネが連れてこられ、その後自然繁殖しているものです。エトロフウミスズメをくわえて歩いていました。
そして湾内には無数のエトロフウミシズメ Crested Auklet。
岩に乗るエトロフウミスズメ。
ウミオウム Parakeet Aukletもいました!
そしてみんなが一番楽しみにしていたのがシラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet。
岩に乗るシラヒゲウミスズメ。
日没時には何十万羽のエトロフウミスズメたちの帰巣風景が。中千島の一大スペクタクルです!
最後に、ヤンキチャ島のドローン撮影映像です。
千島列島ヤンキチャ島 Yankicha Island
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Drone Photo & Videography : Nik Pavlov
Observation : Jul, Aug 2018 – Riponkicha & Yankicha Island, Ushishir, Kuril Islands
Special Thanks to Afina, Nik Pavlov
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