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ミナミセミクジラの親子と水面行動(バルデス半島)

ミナミセミクジラは生まれた海へ戻る性質があります。オスは決まった回遊パターンを持ち、メスはおよそ3年に一度、生まれた海へ戻り出産・子育てをします。バルデス半島へは6月~12月の間にミナミセミクジラがやってきて、9月下旬になるとオスは南極海へと旅立ち、メスと子供も12月半ばには旅立っていきます。

9月のヌエボ湾で観察した母子クジラの海面行動。赤ちゃんを遊ばせる母クジラの姿、あまりにも愛おしいものです。

クジラの子供が甘えてる!ミナミセミクジラの親子の時間

こちらは、母クジラが深い場所へ採餌に行っている間、海面で遊んでいるところです。ブリーチしたり、ヒレをバタバタさせたり・・・。母クジラの浮上に合わせて泳いでいきます。

ミナミセミクジラの子供の水面行動

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdes Peninsla, Argentina

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ミナミセミクジラへのカモメの攻撃(バルデス半島)

バルデス半島のミナミセミクジラを観察している時、とても気になることがあります。それは「カモメによる赤ちゃんへの攻撃」。赤ちゃんクジラは呼吸のために頻繁に海面にいるのでそのターゲットとなり、赤ちゃんが浮上するとすぐに背中に降りて、まさに背中の肉を食いちぎっていくのです。母クジラが一生懸命それを阻止しようと頭を持ち上げています。

ミナミセミクジラへのカモメの攻撃

資料によると、最初にこういった行動が観察されたのは1970年代。カモメがミナミセミクジラの背中をついばんでいる様子が観察されました。当時、背中にカモメに襲われたキズを持っている母子クジラは2%だったのが、2011年の調査では99%、ほぼすべての母子クジラがキズを負っていたのです。

赤ちゃんクジラの背中をつうばむカモメ。

傷だらけの赤ちゃんの背中。

頭をあげてカモメを追い払おうとする母クジラ。

クジラの親子は呼吸だけでなく、赤ちゃんの遊びや育児で海面で過ごす時間が長く、それがターゲットになっています。野生動物間のこととはいえ、とても胸が痛い事象です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdes Peninsla, Argentina

資料はdailymail.co.ukの “Seagulls are eating baby whales ALIVE: Birds attack calves when they come to the surface to breathe”を参考にしています。

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ミナミセミクジラの採餌、スキムフィーディング

2022年9月のバルデス半島・ヌエボ湾には、1,480頭のミナミセミクジラが繁殖・子育てのために集まりました。6~10月にバルデス半島にやってくるミナミセミクジラは繁殖や哺育中心の生活をしていますが、もちろん摂餌もします。南半球の夏に高緯度海域で索餌中心の生活を送るような規模ではありませんが、ここではカイアシ類をこしとる、スキムフィーディング Skim Feedingが見られます。

Skim feeding Southern Right Whale

この日の水中の撮影はボートからGo Pro入れただけなので、撮影している間はどんなのが映っているか見れません。水から上げてチェックしたとき、口を開けたミナミセミクジラが映っていて、肉眼では見れてないけど、それはそれはうれしいものでした。

岸の近くの浅い場所で表層のカイアシ類 ( Copepod ) を摂餌しているミナミセミクジラ。このフィーディング・グラウンドには20頭近くが集まっていました。

ヒゲがしっかり見えます。

Photography by Chizuko Murata

めっちゃ真正面。もうクジラか何か、わからないですね。

水深100m以上の採餌海域ではお母さまクジラが尻尾をあげて深く戻り、子クジラがそのあいだブリーチングしたり、尻尾バタバタさせて待っています。

尻尾を大きくあげて潜航するミナミセミクジラのお母さま。

母クジラの海中採餌中に、何十回もブリーチを見せてくれた子クジラ。母クジラが戻ってくると水面行動をやめ、母クジラに寄り添うように泳ぎます。

気が付くともう港に戻らないと行けない時間に。宿に戻ってからの写真整理も大変です。

 

Image : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2022, Valdez Peninsula, Patagonia, Argentina

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