タグ別アーカイブ: バレマウンテン国立公園

エチオピア固有種の宝庫 バレマウンテン国立公園 Bale Mountains National Park

バレマウンテン国立公園 サネッティ高原

バレマウンテン国立公園 Bale Mountains National Parkは「アフリカ最後のオオカミ」、エチオピアオオカミがいることで知られ、標高2,000~4,000mの森林、草原、湿地、高原にエチオピア固有種の野生動物・野鳥が暮らす貴重な国立公園です。

アフリカ大地溝帯が貫くエチオピアは、海抜-120mのダナキル砂漠から、標高4,000mを越える高原地帯まで、変化に飛んだ大地が広がります。エチオピア中南部に位置するバレマウンテンは、面積2165平方kmあり、その植生は変化に富み、”One Park, Many World “という標語にふさわしい、多様性に満ちた国立公園です。

バレマウンテン国立公園は5つのエリアに大別されます。

  • 北部ディンショー付近の草原 Gaysay Grasslands ガイセイ草原
  • 北部ディンショー付近の森 Juniper Woodlands ジュニパーの森
  • サネッティ高原 Sanetti Plateau のアフロアルパイン植生
  • エリカベルト Etrica Belt
  • 南部ハレナの森 Harenna Forest  エチオピアで2番目に大きな森林

バレマウンテン国立公園 ジャッカル

北部ディンショーのガイセイ草原で出会ったキンイロジャッカル Golden Jackal

バレマウンテン国立公園 マウンテンニアラ

北部デンショーのジュニパーの森にいたの雌のマウンテンニアラ Mountain nyala

バレマウンテン国立公園 エチオピアオオカミ

バレマウンテン国立公園の中心をなすサネッティ高原に暮らすエチオピアオオカミ Ethiopian Wolf

バレマウンテン国立公園 エリカベルト

苔、地衣類で覆われたエリカベルトの森

バレマウンテン国立公園 ホオジロエボシドリ

南部ハレナの森で出会ったホオジロエボシドリ White-cheeked Turaco 、エリトリアの国鳥です。

バレマウンテン国立公園では哺乳類78種、爬虫類12種、両生類17種に、310種の野鳥、1300種を越える植物が確認されており、18種のエチオピア固有種の野鳥のうち6種が、エチオピアとエリトリアのみの固有種14種のうち11種がこのバレマウンテン国立公園で確認されています。

エチオピア固有種の哺乳類では、マウンテンニアラ Mountain Nyala、メネリクズ・ブッシュバックMenelik’s Bushbuck、エチオピアオオカミ Ethiopian Wolf、エチオピアコウチノウサギ Starck’s Hare、エチオピアオオタケネズミ Giant Molerat(バレ山地の固有種)、バレモンキー Bale Monkeyが観察されます。

バレマウンテン国立公園はサネッティ高原北部のディンショーやゴバを拠点として訪問できるほか、トレッキングして高原地帯を歩くことも可能です。

バレマウンテン国立公園の野生動物・野鳥 西遊旅行

多様性に満ちたバレマウンテン国立公園内の地域、ワイルドライフについては別ページにてご紹介していきます。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide ” Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

雨期明けの美しい季節11月限定出発★バレとシミエン エチオピアの固有種を追う
アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

ホオジロエボシドリ White-cheeked Turaco(バレ山地、エチオピア)

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エチオピアのバレマウンテン国立公園、ハレナの森で観察したホオジロエボシドリ White-cheeked Turacoです。

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ハレナの森へは、バレマウンテン国立公園の標高4,000mを越えるサネッティ高原を縦断し、ハレナエスカープメントと呼ばれる急傾斜をくだっていきます。途中の標高3,800m-3,400m付近には「エリカ・ベルト」と呼ばれる植生があります。空気の美しい場所で育つ苔・地衣類が樹木を覆う、美しい森。今回は雨の後でもやがかかり、とても美しい「エリカ・ベルト」でした。

さらに南下して「リラの村」へ。この村は国立公園制定前からの村で住むことが許可されており、人々はハレナの森から採取できるもの使い、小規模な農業と牧畜で暮らしています。

この村から少しくだった森にホオジロエボシドリがいます。

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探し始めてからすぐにガイド呼んでくれました。声のする方向を見ると、いましたホオジロエボシドリ White-cheeked Turaco。

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ホオジロエボシドリ White-cheeked Turacoは隣国エリトリアの国鳥で、エチオピアを訪れるバードウォッチャーがぜひ見たい野鳥のひとつ。

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大変よく見えるところへ飛んできてくれました。この木の実がお目当てです。

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全身が見えました!グラディエーションで濃い紺色へと変わる羽の色。飛ぶと羽の一部が赤いのも大変美しいですが、さすがにその様子を撮影するのは難しいです。

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高い木の枝から見下ろすホオジロエボシドリ。羽の下のほうにチラリと赤色が見えます。

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飛んでいる姿を見ようとだいぶ追いかけてしまいましたが、お別れです。

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ハレナの森はリラの村から南は着生植物がびっしりついた巨木のある美しい森が広がっています。ここでバレモンキーBale Monkey を探しましたが出会うことはできませんでしたが、森ウォークが大変美しく大満足でした。

そして「ハレナの森の幸」も忘れていません。リラの村ではちみつとワイルドコーヒーをいただきました。

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ハレナの森の恵み、濃い~はちみつを地元パン、アンベシャと一緒に。

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そしてハレナの森の南のほうで取れるワイルドコーヒー。バレマウンテン国立公園はこの地域の「ワイルドコーヒートレイル」をつくったり、バードウォッチングルートをプロモートしています。

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リラの村のちいさなコーヒー店にていただいたワイルドコーヒー。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Nov 2016 , Lake Awassa – Ethiopia

Reference : Armaye Wegalign , Tomo Akiyama 秋山知伸,  “A Traveller’s Guidebook”, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

 

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

雨期明けの美しい季節11月限定出発★バレとシミエン エチオピアの固有種を追う
アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

バレマウンテンのふくろうたち(エチオピア)

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エチオピアの固有種の宝庫、バレマウンテン国立公園。この公園の「ディンショーの森」でのふくろうウォッチング。

バレマウンテン国立公園のヘッドクォーターがあるディンショーの森はジュニパーとハゲニア・アビシニカ (Hagenia Abyssinica)の木が茂り、ウォーキングだけでも簡単にマウンテンニアラにもであえる場所です。

朝7時、ふくろうの場所を確認してきてくれたガイドさんと合流し森の中へ。本日はあいにくの小雨の中でしたが、ぬれた岩の上に座るアビシニアヨタカ、アビシニアトラフズクが見れました。

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アビシニアヨタカ Mountain Nightjar 雨が降っているのに岩の上でじっとしていました。

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アビシニアトラフズク Abyssinian Owl 初めて見ました

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アフリカヒナフクロウ African Wood Owl  ロッジの従業員棟のある場所の木にいました。

そして、翌日の朝もふたたびディンショーの森の「ふくろうウォッチング」へ。今日は雨がやみ、昨日よりいいコンディションです。

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アビシニアヨタカ Mountain Nightjar です。 昨日とは違う場所にいました。

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アビシニアトラフズク Abyssinian Owl 昨日とは異なる個体です。

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お耳が・・・

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今日はクロワシミミズク Verreaux’s Eagle-Owl もいました。 遠くの木の隙間から見えました。

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クロワシミミズクは 66cmにもなる大きなフクロウでピンクのまぶたが特徴です。

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朝2時間たっぷりテディンショーの森を歩きました。今日はこれからバレ山地の高原部のソドタを目指して歩く長い一日。マウンテンニアラの群れが見送ってくれました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Nov 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Mr. Abdellar, Tomo Akiyama 秋山知伸, Bale Mountains National Park “A Traveller’s Guidebook”, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

雨期明けの美しい季節11月限定出発★バレとシミエン エチオピアの固有種を追う
アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

ハレナの森-バレマウンテン国立公園(エチオピア)

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (10) ホオジロエボシドリ

エチオピア中部、バレマウンテン国立公園の南部に位置する「ハレナの森」の紹介です。エチオピアで2番目に大きな森林地帯と言われ、国立公園の中でも訪れ人がまだ少ないエリアのひとつ。ここには国立公園ができる前から人々が暮らし、現在もリラの村を中心に、森からの採取とわずかな放牧・農業で暮らしています。そしてハレナの森はバードウォッチングのお勧めの場所です。

バレマウンテン国立公園について

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (15)

バレマウンテン国立公園の中心となる標高4,000mを越えるサネッティ高原から南へ下ります。ハレナ・エスカープメントと呼ばれる急斜面を下ると眼下に「ハレナの森」が広がります。

バレマウンテン国立公園 エリカベルト

途中の標高3,800m-3,400m付近には「エリカ・ベルト」と呼ばれる植生があります。空気の美しい場所で育つ苔・地衣類が樹木を覆う、美しい森です。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (17)

さらに下るとハレナの森の中にある「リラの村」に到着です。国立公園制定以前から人々が暮らし、「ハレナの森」に依存して暮らしています。蜂蜜の採取や制限内での家畜の放牧、わずかな農業で暮らし、家屋や垣根もハレナの森から取れる竹などの素材で作られています。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (19)

ハレナの森では、森や竹林のウォーキングやバードウォッチングを楽しむことができます。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (9) テンニンチョウ

テンニンチョウ Pin-tailed Whydah  アフリカのサバンナ植生で見られる鳥です。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (12)ホオジロエボシドリ

ホオジロエボシドリ White-cheeked Turaco  隣国エリトリアの国鳥です。この鳥を探して随分森の中を歩きました。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (13) リキュウガシラゲラ

リキュウガシラゲラ Gray-headed Woodpecker

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (14) イボトキ

イボトキ Wattled Ibis  目とのどから下がる肉垂れが気になる鳥です。エリカ・ベルトにいました。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (21) アビシニアコウライウグイス

アビシニアコウライウグイス Abyssinian Oriole / Abyssinian Black-headed Oriole

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (8) アビシニアコロブス

ハレナの森では、Abbyssinian Black-and-white Colobus のほか、固有種である バレ・モンキー Bale Monkey がいました。森の中におり、あまり近づけないため写真撮影はできませんでした。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (4)はちみつ

森を歩いているとあちこちの木の上で、村人がはちみつを採取するための入れ物をみかけました。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (7) はちみつ

ランチタイムに「ハレナの森」の食堂へ。地元のパンとたっぷりのはちみつです。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (2) Gomen

そしてハレナも森の名産 ゴメンGomenと呼ばれる野菜。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (5) ゴメン

「ハレナの森の幸」のランチです。ゴメン Gomen の炒め物とアンベシャ Ambesha と呼ばれる地元のパン。

バレマウンテン国立公園 ハレナの森 (6)

ハイキング&バードウォッチング、そして「食」も楽しめる、ハレナの森でした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

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アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

エチオピアオオカミが暮らすサネッティ高原 – バレマウンテン国立公園

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (11)

エチオピアオオカミが暮らすサネッティ高原 – バレマウンテン国立公園

エチオピアのバレマウンテン国立公園は大きく分けて5つのエリアにわかれています。その中の一つであるサネッティ高原はエチオピアオオカミが生息するエリア。サネッティ、というのは現地の言葉で「風が強い場所」という意味があるそうで、風が強い日が多いようです。

バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (13)

麓のゴバの町から標高を上げていきます。森林限界を越えるとMoorland と呼ばれる植生の場所へ入ります。

バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (7)

さらに高度を上げ4,000mを越えるとサネッティ高原に入ります。ここで見ることのできる樹木は、ジャイアント・ロベリアのみ。

バレマウンテン国立公園 ジャイアントロベリア

ジャイアントロベリアの群生

「アフロアルパイン植生」のこの高原にはバレマウンテンの固有種エチオピアオオタケネズミ(Giant molerat  モグラネズミの一種)を含め、数種のげっ歯類が生息しており、これを捕食するエチオピアオオカミ Ethiopian Wolf が暮らしています。ネズミのいるところにオオカミはおり、車を警戒する事もなく車道近くまでネズミを探し求めてエチオピアオオカミが現れる事もあります。

サネッティ高原の豊かなアフロアルパイン植生に貢献しているのがげっ歯類たち。地面にトンネルの巣穴を掘り、はりめぐらされたトンネルネットワークと植物の根を食べては掘り返す行動が、サネッティ高原の豊かさのもと。

オオタケネズミ giant Molerat

エチオピアオオカミの好物、エチオピアオオタケネズミはエチオピアの固有種の中でも、このバレ山地のみに生息するネズミです。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (2)

エチオピアオオタケネズミ Giant Molerat を探すエチオピアオオアミ Ethiopian Wolf

エチオピアコウチノウサギ

このウサギは和名がよくわからないのですが、エチオピアコウチノウサギ (?) 、Stark’s Hare。エチオピアの固有種であり、エチオピアオオタケネズミと同じくエチオピアオオカミの食糧源です。

これら高原のネズミ類、ウサギはエチオピアオオカミだけでなく、猛禽類の食糧でもあります。

White-backed Vulture コシジロハゲワシ バレマウンテン国立公園

コシジロハゲワシ White-backed Vulture が空から獲物を探しています。

Augur Buzzard ヨゲンノスリ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (6)

高原を移動しているとあちこちでヨゲンノスリ Augur Buzzard が獲物を探している様子を見ることがありました。エチオピアオオタケネズミ、空からも陸からも狙われて、大変です。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

雨期明けの美しい季節11月限定出発★バレとシミエン エチオピアの固有種を追う
アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

サネッティ高原の野鳥 バレマウンテン国立公園 – エチオピアでバードウォッチング

Blue-winged Gosseアオバコバシガン

写真: エチオピアの固有種 Blue-winged Goose アオバコバシガン

エチオピアのバレマウンテン国立公園の中心、サネッティ高原の野鳥の観察記録です。

バレマウンテン国立公園について

何もなさそうに見えるこの高原にはエチオピアの固有種でありアフリカ大陸最後のオオカミ、エチオピアオオカミが暮らしていることで知られています。そして、この高原には湖沼群・湿地が点在し、たくさんの野鳥の姿が見られます。乾燥した土地の多いエチオピアでは、この標高4,000mの湿原は野鳥の楽園です。

Blue-winged Gosseアオバコバシガン3

エチオピアの固有種、アオバコバシガン Blue-winged goose です。サネッティ高原だけでなく、ガイセイ草原付近の水辺でも見かけました。

Ruddy Shelduck アカツクシガモ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (3)

Ruddy Shelduck アカツクシガモ アフリカではバレ山地が生息の南限です。ペアがいました。私は、アカツクシガモは「ヒマラヤを越えてやって来る、インドにいるカモ」と思っていたので、アフリカで見ると不思議です。

Chestnit-naped Francolin チャエリシャコ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (1)

チャエリシャコ Chestnut-naped Francolin  エチオピア中部~ソマリア北部にかけての高地の固有種。高原の車道のそばの草地、岩の上に群れていました。

Ethiopean Siskin ズキンヒワ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (5)

ズキンヒワ Ethiopian Siskin   エチオピアの固有種。セネッティ高原では、オオタケネズミを探して草原で待っている間に観察することができました。

Yellow-billed Duck キバシガモ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (2)

キバシガモ Yellow-billed Duck

Hottentot Teal アフリカコガモ

アフリカコガモ Hottentot Teal

Wattled Crane ホオカザリヅル3

ホオカザリヅル Wattled Crane です。アフリカ南部の鶴ですが、このサネッティ高原が彼らの生息北限です。

ホオカザリヅルについて

Augur Bazzard ヨゲンノスリ ヴバレマウンテン国立公園

ヨゲンノスリ Augur Buzzard、獲物を探して高原を飛ぶ姿が多くみられました。

Crested Lark カンムリヒバリ バレマウンテン国立公園 サネッティ高原 (11)

カンムリヒバリ Crested Lark  低地から高地まで、アフリカのいろんな場所で出会います。とてもたくましい鳥です。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

雨期明けの美しい季節11月限定出発★バレとシミエン エチオピアの固有種を追う
アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

ホオカザリヅル Wattled Crane

Wattled Crane ホオカザリヅル4

エチオピアのバレマウンテン国立公園で観察した ホオカザリヅル Wattled Crane のレポートです。

アフリカで観察される6種のツル Craneのうち最も大きくレアなのがホオカザリヅル。ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ共和国など南部アフリカを中心に生息するツルで、その生息北限がエチオピアのバレ山地。渡りはしないツルなので、このバレ山地で繁殖している個体です。

乾燥したエチオピアでは「湖沼群」「湿原」が貴重です。ホオカザリヅルは標高4,000mのサネッティ高原で5~6月に繁殖し、水辺の植物や虫、小さな動物を食べて暮らしています。

Wattled Crane ホオカザリヅル1

150cmもある大きなツルで、英名の”Wattled(肉垂れのある)”は、首から下がっている肉ひだから付きました。雄の肉垂は大きめです。

Wattled Crane ホオカザリヅル5

見かけたのは親子でしょうか、1羽は体こそ親と同じくらいの大きさですがまだ幼い感じです。

Wattled Crane ホオカザリヅル6

もともとかなり遠方にいたうえ、こちらに気が付くと長い足で歩いて離れていきます。標高4,000m、追いつけません。美しく貴重な ホオカザリヅル Wattled Crane との出会いでした。

バレマウンテン国立公園について  >エチオピアオオカミ

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign, Helm Field Guide “Birds of Horn of Africa”

★★バレ山地も訪問するエチオピア・ネイチャーツアー 2018年発表★★

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アフリカ大地溝帯山岳部のエチオピアオオカミとゲラダヒヒ

マウンテンニアラ Mountain nyala 

マウンテンニアラ Mountain nyala (12)

マウンテンニアラ Mountain nyala はエチオピアの固有種でリフトバレー(アフリカ大地溝帯)南部の標高1,800~3,750mで見られる偶蹄目ウシ科の動物。
かつてはエチオピアの高地一帯に生息していましたが、農地開発により居住地を奪われ、殺され、その個体数が激減しました。
1998年にエチオピア全土で2,650頭と言われた個体数は、バレ山地での保護の結果少しづつ回復。バレマウンテン国立公園のガイドによると、バレ山地だけで4,000頭になったといいます。

>バレマウンテン国立公園について

マウンテンニアラ Mountain nyala (3)

マウンテンニアラの特徴は、体の白いストライプと斑点模様。
オスは180-320Kgになり、メスは15-200Kgほど。

子供の誕生は一年を通じてありますが、12~3月がピーク。メスと子供の小グループ、若いオスのグループ、オス1頭で行動しているのが見られます。

マウンテンニアラ Mountain nyala (6)

メスと子供の群れです。

マウンテンニアラ Mountain nyala (4)

メスを追いかけているオス。体の白い斑点がよく見えます。

マウンテンニアラ Mountain nyala (10)

オスは体の白い縞模様と斑点が顕著で、大きな角、背骨にそって黒いたてがみがあります。オス間での優劣をを決めるために戦いがあります。若いころは「独身の雄の群れ」に混じり、年を取るにつれ、単体の行動となります。

マウンテンニアラ Mountain nyala (5)

大きな角の年をとったオス、バレマウンテン国立公園北部のガイセイ草原で一匹でいるのを見かけました。

マウンテンニアラは草原でセント・ジョーンズ・ワート(St. John’s wort)、アルテミシア・アフラ (Artemisia afra) などの草を食べていますが、乾季になると草原の植物が枯れ食糧が無くなるため森林地帯へとやってきます。マウンテニアラにとって森林は不可欠の存在です。

マウンテンニアラ Mountain nyala (1)

バレマウンテン国立公園のヘッドクォーターがあるディンショーの森はジュニパーとハゲニア・アビシニカ (Hagenia Abyssinica)の木が茂り、木陰でくつろぐ、たくさんのマウンテニアラたちの姿を見ることができました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign

★シミエン山地とバレマウンテン国立公園、アフリカ大地溝帯の湖への旅、2017年11月~2018年1月のベストシーズン限定ツアー

固有種の宝庫エチオピア・ネイチャースペシャル

エチオピアオオカミ Ethiopian Wolf  

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (10)

アフリカ最後のオオカミと言われ、その個体数はエチオピア全体で400-500頭ほどといわれる、エチオピアの固有種。そのうちの50頭ほどがシミエン山地に、250頭ほどがバレ山地に暮らしていると言われています。

エチオピアオオカミの祖先はおよそ10万年ほど前にユーラシア大陸から渡ってアフリカ大陸に入り、当時のアフロアルパイン植生に覆われていたエチオピア高原に順応し、高原のげっ歯類(ネズミ)を捕食しこの厳しい環境で生き抜いてきました。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (16)

体は赤っぽい毛で覆われ、手足が長くスマート、鼻口部は細長く、尻尾の先はこげ茶色です。一瞬、犬?と思う小柄なオオカミで、オスは14~20キロ、メス11~16キロほど。

エチオピアオオカミはバレマウンテン国立公園のサネッティ高原で2~18頭の群れでテリトリーを作って暮らしています。日中に捕食を行い、特に朝と夕方に高原を歩きまわっているのを見ることができます。探し回っているのはげっ歯類(ネズミ)の動物。特にバレ山地の固有種のげっ歯類、Giant Molerat 、和名はエチオピアオオタケネズミといそうですが、これを探して高原をうろうろしています。

バレマウンテン国立公園について

サネッティ高原のげっ歯類

セネッティ高原のネズミ、名前はわかりません・・・、バレマウンテン国立公園には8種のげっ歯類の動物が生息し、いずれもエチオピアオオカミと猛禽類の大切な食料源となっています。

オオタケネズミ giant Molerat

これがエチオピアオオタケネズミ、Giant Molerat。頭を出して植物の根を食べている様子を観察することができますが、体全体が地面から出てくるのはレア。頭もできるだけ出さないように進化し、目が頭の上部にあります。よく地面を見ていると、ところどころ、エチオピアオオカミが掘って壊れたオオタケネズミの巣の入り口があります。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (14)

エチオピアオオタケネズミ Giant Moleratを探すエチオピアオオカミ Ethiopian Wolf。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (12)

観察していると、嫌だったのか走り出しました。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (18)

歩いて近づいたら、怒ってしまいました。こちらを向いて、警戒の鳴き声。ごめんなさい。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (2)

食料となるネズミ類を探している時は、道路のすぐそばでもおかまいなく行動。

エチオピアオオカミ Wthiopian Wolf (20)

サネッティ高原を縦断する民間バスが走るすぐそばにいるエチオピアオオカミ。

エチオピアオオカミはその保護が進められてはいますが、個体数は回復に向かってはいません。2015年には犬ジステンパーがオオカミの間で広がり、数が減ってしまったといいます。理由は、このサネッティ高原がいまだに放牧に利用され、人間が持ち込んだ「犬」から病気が移ったことでした。

この高原は、エチオピアオオカミ、貴重な固有種の動物たち暮らす最後の自然であるだけでなく、周辺諸国を含めて周りの低地に暮らす人・動物の貴重な水源です。サネッティ高原の保護は真剣に取り組むべき問題です。

「アフリカ最後のオオカミ」と言われるエチオピアオオカミ。高原でGiant Molerat (エチオピアオオタケネズミ)を探して歩き回る、「日常の風景」が続きますように。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia

Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign

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