9月のバルデス半島、プエルトピラミデスのミナミセミクジラ Southern right whaleです。プエルトピラミデスやプエルトマドリンのあるヌエボ湾では6月ごろから12月上旬までミナミセミクジラを観察することができますが、ピークは8~9月。8月は船で湾に出るには寒すぎるので、9月はクジラも多く少し暖かくなる季節です。
9月の海に出ると、3~4年目くらいと思われる若い個体が興味深々でボートに近寄ってくることがあります。親子クジラの中にはボートを嫌がって避ける親子もいれば、まるで子供クジラに「ボート」を教えているかのように近づいてきてボートの回りに長滞在するクジラもいます。
こんなしぐさを見ていると、本当にミナミセミクジラは「特別なクジラ」だと感じるのです。
今回のツアー中、およそ2時間を一緒に過ごした若いミナミセミクジラがいました。この季節は透明度はよくありませんが接近したミナミセミクジラを水中で撮影した動画です。
ボートに近づいてきて顔を出す前に頭を持ち上げました!
近づいてきてこっちを見ています!!!白いかたまり(カロシティ)の下にあるのが目。
ところで、ミナミセミクジラを特徴付けるこの白いかたまりはカロシティCallositiesと呼ばれます。このカロシティの機能はよくわからないそうですが、ミナミセミクジラの頭部にある角質化した皮膚の隆起でクジラジラミやフジツボの仲間が付着しています。
頭を水面に出したミナミセミクジラのカロシティ。
さらに拡大するとこんな感じ。クジラジラミ大集合でした!
Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子 協力:Yoko KADONAGA 門永洋子
Observation : Sep 2017 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina
Reference : Hector Horacio Casin
※バルデス半島のミナミセミクジラの水中撮影は許可の取得が必要です。
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