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春の天売島のワイルドライフと70年ぶりの群来(くき)

2024年4月15日、北海道の天売島では70年ぶりとなる「群来(くき)」が観察されました。島の人は大喜びで撮影し、そしてニシンを収穫しました。島の宿ではニシンの煮つけと数の子がふるまわれました。今、島にいる人の中にニシンが大漁に獲れた時代を知る人はいません。

春の天売島で観察したワイルドライフをご紹介します。羽幌港から天売島への航路ではオオハム(意外と多い)、ウミスズメ、そしてウトウ、ケイマフリを見ることができました。

天売島では、ウミガラス、ケイマフリ、ウトウ、ウミスズメ、ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミウ、ヒメウの8種の海鳥が繁殖しています。4月、もうその営みは始まっています。黒崎海岸ではウミネコが繁殖し、そのエリアを拡大中。4月20日ごろは交尾(または疑似交尾)があちこちで行われていました。

交尾(または疑似交尾)するウミネコ

ウミネコの繁殖地が拡大傾向にある黒崎海岸

海鳥観察舎からウミウの繁殖地を見ると、もう雛に給餌していました。ウミウは繁殖が早い時期に始まる海鳥ですが、早くなってきている傾向にあるようです。断崖の上の斜面ではオオセグロカモメが繁殖し、交尾している様子も見られました。それにしてもこの付近もたくさんのウトウの営巣地があります。

断崖に営巣するウミウ。ほとんどの巣に雛がいました。

前浜漁港付近ではウミアイサの姿が。ウミアイサは冬鳥として天売島へ渡ってきます。彼らももうすぐ北へと渡って行きます。

ウミアイサのペア

そしてシノリガモ。天売島で一番目にするカモの仲間です。前浜漁港付近やロンババ浜でよく見かけました。シノリガモは年中天売島で見られるそうですが、断然冬の時期が観察しやすく、そして美しいです。

シノリガモ ロンババの浜にて

風が少し穏やかになった日の朝、島の写真家・ 寺沢孝毅さんの操船する小型ボート「ケイマフリ号」で海へ出ました。小型ボートから見たのは、まさに春の天売島の景色。

港を出てすぐに出会ったトド。北海道へは冬場に千島列島方面から回遊してきます。若いオスが1匹でいました。ニシンが訪れるようになった天売島、人だけでなく野生動物も集まります。豊かな海の象徴です。

トドもまもなく北上していきます

ボートから黒崎海岸のウミネコ繁殖地を海から眺め、赤岩方面へ。ウミガラス繁殖地ではウミガラスの姿は見られませんでしたが、付近の海上を4羽のウミガラスが飛んでいるのを見ました。

岩礁にはたくさんのゴマフアザラシたちがいました。乾燥してふわふわしています。

船に注目するゴマフアザラシ

鳴き交わす美しい声が洋上に響きます、ケイマフリの声です。海岸の岩場では求愛のしぐさが愛らしいペアの姿が。

求愛するケイマフリ

営巣する断崖近くの洋上のケイマフリの群れ

愛らしいケイマフリの赤い脚

最後に、西遊旅行の天売営業所(天売島ネイチャーライブ)のスタッフが4月15日に撮影した「群来(くき)」の様子です。

「群来」で白濁したロンババの浜

産卵は春に起こり、水深 1m 以下の浅い海でメスが卵を海藻に産み付け、オスが放精して受精させます。この放精によって海水が白濁する現象を群来(くき)と呼びます。

海藻に卵を産み付けるニシン

お世話になった萬谷旅館さんで出たニシン料理。新鮮なニシンは大変美味しいものでした。

ニシンの煮つけ

ニシンの卵、「数の子」

私自身、アラスカのシトカまでニシンの大産卵に集まるワイルドライフを求めて行き、帰ってきたばかりでした。アラスカでは“Herring Run”の名のもと、シトカの海に集まるザトウクジラ、コククジラ、ハクトウワシ、トドなど生き物と遭遇するワイルドライフツアーが大人気です。

日本の「群来」もいつかHokkaido’s Herring Runとして注目を集める日が来るのでしょうか。いやいや、その前に、まず毎年ニシンが産卵に来てくれる豊かな海を取り戻すことが大切です。来年もニシンが戻ってきてくれることを願います。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Photography of Herring spawning : Midori KUDO

Observation : April 2024, Teuri Island , Hokkaido

TEURI ISLAND. ☜天売島のHPを公開しています!

★西遊旅行のワイルドライフツアー一覧はこちら

Youtubeでもワイルドライフの動画を配信しています。再生リストもご覧ください。

(動画)千島列島 キタオットセイとトドと泳ぐ(スレドネワ島)

千島列島、中千島にある小さな島、スレドネワ島(摺手岩)。ここはキタオットセイ (Northern fur seal) とトド (Steller sea lion) の繁殖地です。島の真ん中の方でトドが繁殖しており、海岸部はキタオットセイたちでいっぱいでした。

この時期の中千島、透明度が高く、これだけのキタオットセイ、トドがいるのに水中でバッチシ見えるコンディションです。そして豊かな昆布の海・・・

スレドネワ島のキタオットセイとトド

人懐っこく追いかけてくるキタオットセイ、少し離れたところからヒトを観察するトド。豊かな海に大感動です

Photo & Text  :Mariko SAWADA

Observation :  Jul 2019, Srednego Island – Ushishir Islands, Kuril Islands, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

千島列島・スレドネワ島のキタオットセイ

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (3)

千島列島、中千島の小さな小さな島、スレドネワ島(摺手岩)。ここでは6月~8月にかけてキタオットセイ Northern fur seal とトド Steller sea lion が繁殖しています。

*キタオットセイは極東ロシアでは、サハリン島のチュレニー島(海豹島)、千島列島のスレドネワ島(摺手岩)、ロヴシュキ列岩(牟知列岩)とベーリング海に面したコマンドル諸島で繁殖しています。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (1)

ドローン撮影で見るとこんな感じの島です。島というより岩礁で島の中央の方にトドが、海に近い付近にキタオットセイがハーレムを形成しています。潮だまりでは今年生まれた赤ちゃんが泳いでいます。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (5)

キタオットセイのハーレムです。真ん中にいる大きいのが雄で回りはみんな雌。雄は資料によると、成獣の体長は2.1m、体重270Kg。それに対し雌は体長1.5m、体重50キロとだいぶ小柄です。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (7)

赤ちゃんのいるメスをよく見たら、胎盤らしきものが出ており生まれたてのようです。おめでとうございます!

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (11)

キタオットセイに交じって海岸にやってきたトドの雄。成獣の雄は体長3.3mで体重は1トンにもなります。圧倒的に大きいです。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (9)

キタオットセイ、トドを観察する皆さま。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (8)

好奇心いっぱいのキタオットセイ、ボートに近寄て来て「ヒト」を観察します。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (10)

ボートを走らせるとジャンプして並走するキタオットセイ。

スレドネワ島 摺手岩 キタオットセイ トド 繁殖地 Northern fur seal Steller sea lion  Srednego Island (2)

再びドローンから。水中のトドの姿も!

Photo & Text  :Mariko SAWADA,  Nik PAVLOV(Dronography)

Observation :  Jun-Jul 2019, Srednego Island, Kuril Islands, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

キタオットセイと泳ぐ(スレドネワ島・千島列島)

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (9)

千島列島の中千島にある小さな島、スレドネワ島。6~8月にかけてキタオットセイとトドが繁殖のために上陸し、ハーレムを形成します。訪問した6月半ば~7月上旬にかけては透明度もよく、これだけの動物がいるのに水も濁っていませんでした。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (7)

小型ゴムボートからシュノーケリングで海へ。入ったらいきなり昆布をバックにたくさんのキタオットセイたちが。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (8)

近寄ってくるキタオットセイ。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (10)

めっちゃ見にきてくれます。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (1)

見に来てくれます。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (3)

トドの雄もやっていました。キタオットセイほどは近寄りませんがこっちを見ています・・・。

キタオットセイ キタオットセイと泳ぐ Northern fur seal 千島列島 スレドネワ島 摺手岩 (5)

豊かな昆布の海での素敵なキタオットセイ、トドとの水中遭遇です!

Photo & Text  :Mariko SAWADA,

Observation :  Jun-Jul 2019, Srednego Island, Kuril Islands, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

ルスカヤ湾のオオワシ(カムチャッカ半島)

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (4)

2019年夏の千島列島クルーズからのレポートです。千島列島へはカムチャッカ半島のアバチャ湾を出港し、船でカムチャッカ半島の太平洋岸に沿って南下するのですが、その途中に何か所かオオワシ  Steller’s sea eagle が営巣している場所があります。そのうち、ルスカヤ湾入り口の灯台に近い巣は比較的観察しやすい場所にあります。

ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (11)

ルスカヤ湾はアバチャ湾から60キロほど南にあるフィヨルドで、湾の入り口からおよそ7キロも奥まで続きます。湾の奥には真水を得られる川があり、古くから航海中に真水を得る場所として、そして悪天候時のシェルターとして利用されていた湾です。最近ではカムチャッカからの日帰りのボートツアーで訪問する人も増えている場所です。

ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (17)

その湾の入り口の灯台付近に毎年、オオワシが営巣しているのが確認されています。この時の観察は6月18日。双眼鏡で確認します。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (14)

いました、オオワシと雛がいます。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (5)

しかも雛は2羽。資料によると、オオワシは通常1~3個の卵を産み(平均は2個)、成鳥まで育つのは1羽のみが多いとのこと。無事に2羽とも巣立ってほしいものです。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (2)

雛が口を開けているのが見えました!

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (7)

親鳥が少し離れたところを見ながら何やら威嚇しています。でももう時間です、私たちも南下を開始しなくては翌朝にクリル第1海峡(シュムシュ海峡)につけません。無事に雛たちが巣立つことを祈りつつ、その場を離れました。

今回のルスカヤ湾ではほかにもいろんな動物との出会いが。

ゴマフアザラシ Spotted Seal ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (15)

浅瀬でのんびりする、ゴマフアザラシ Spotted Seal。

トド Steller Sea Lion ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (10)

太平洋岸に面した岩場にいるトド。ここでは繁殖はしておらず、独身オスがぶらぶらと集まっているHauling-outです。

その他にも、シノリガモ、ラッコ、シャチも観察できました。

Photo & Text  :Mariko SAWADA

Observation : Jun 2019, Russkaya Bay, Kamchatka Peninsula, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina, 寺沢孝毅氏

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

カムチャッカ・クロノツキー半島からコマンドルスキー諸島航路で出会った海の生き物

トド クロノツキー自然保護区 Kronotskiy nature reserve (2)

カムチャッカ半島東海岸を北上し、クロノツキー半島のオルガ湾へ。夏の間はコククジラが集まり、浅いところで海底の生き物をヒゲでこして食べていました。訪れた9月上旬でも湾内には10頭はいたでしょうか・・・。しかも時折ジャンプを見せてくれました。

クロノツキー半島からコマンドルスキー諸島(コマンダー諸島)の航路で出会った海の生き物のまとめ映像です。オルガ湾のコククジラ、クロノツキー半島のコズロバ岩礁のトド、ベーリング島のキタオットセイ・・・

ビデオは取れませんでしたが他にも出会いが。

コマンダー諸島 オルカ

コズロバ岬のトドのコロニー付近にいたシャチ。コマンダー諸島航路では遭遇チャンスが高い生き物です。

コマンダー諸島 ラッコ

ラッコ。昆布で満たされたベーリング島の沿岸で出会いました。その他、航行中にはザトウクジラのブローを何度も見かけることができました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2018, Kronotskiy Nature Reserve, Bering Island, Russian Far East

Special Thanks to Afina & Nik Pavlov

 

千島列島の船旅で出会った海のいきもの

7月と8月に訪れた千島列島。母船やゾディアックボートから観察した「海のいきもの」をまとめてみました。水中のハシボソミズナギドリ、トド、ザトウクジラ、イシイルカ、そして「クリル・マジック」にも遭遇!!

千島列島の旅で出会った海のいきもの

7月のクルーズではシャチやマッコウクジラに出会いましたが、8月のクルーズではおもにザトウクジラでした。特にパラムシル島のオホーツク海側での遭遇チャンスが良いようでした。

シャチはビデオを撮れませんでしたが、親子シャチの写真をお客様が送ってくださいました!パラムシル島沖で出会ったシャチです。

千島列島 パラムシル島沖 シャチ

そしてマッコウクジラの大きなオス。ライコケ島沖で休憩していました。

千島列島 マッコウクジラ

Video & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Photography: Kyoji KANEKIYO 兼清恭二さま

Observation : Jul – Aug 2018, Kuril Islands, Russian Far East

Special Thanks to Afina & Nik Pavlov

★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルーといく人数限定企画です。

千島列島バードスペシャル 北の海鳥の大繁殖地「中千島」へ★2019年6月27日発11日間

海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ★2019年6月15日発13日間★探検隊長として自然写真家・寺沢孝毅氏が同行。(外部リンク)

千島列島アドベンチャークルーズ シュムシュ島からウルップ島まで★2019年6月4日発13日間

 

ライコケ島のトド(千島列島)

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (8)

千島列島のライコケ島はトドの重要な繁殖地のひとつ。島の北岸でトドの赤ちゃんと出会うことができました。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (6)

島に船を近づけると、もうトドが寄ってきます。カムチャッカ半島のアバチャ湾に近いホールアウトのトドは人間や船を見ても動きませんが、慣れていない千島列島のトドは大興奮。船やゾディアックの回りを一定の距離を置きながら泳ぐも、ゾディアックの真下を通ってみたり、大接近してみたりと、私たちへの興味を隠しません。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (5)

ライコケ島からやってくるトドの群れ!私たちは貴重な海鳥も見たいのですが、私たちの回りを泳ぎ海鳥を蹴散らかしてしまうのでした。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (7)

そばにやってくるトド。千島列島のトドの中でもライコケ島のトドが一番近くまでやってくる印象があります。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (9)

大きなオスを観察。背景にはミツユビカモメの営巣地。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (3)

赤ちゃんたちが海岸に集まっています!トドの赤ちゃんは1年から最大2年を母トドとともに過ごします。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (4)

千島列島のホールアウトでも、すべてが母子が見られる繁殖地ではありません。ライコケ島はトドの親子が見られる貴重な島です。

トド ライコケ島 千島列島 Steller Sea Lion Raikoke Island Kuril Islands (2)

Text & Photo : 澤田真理子 Mariko SAWADA

Observation: end-Jul to mid-Aug 2018, Raikoke Island, Kuril Islands, Russian Far East

Reference : Nik Pavlov, Wikipedia(JP)

★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルー&スタッフといく人数限定企画です。

千島列島バードスペシャル 北の海鳥の大繁殖地「中千島」へ★2019年6月27日発11日間

海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ★2019年6月15日発13日間★探検隊長として自然写真家・寺沢孝毅氏が同行。(外部リンク)

千島列島アドベンチャークルーズ シュムシュ島からウルップ島まで★2019年6月4日13日間

ブラディミラ岩礁のトド(シュムシュ島、千島列島)

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (2)

千島列島の北にあるシュムシュ島(占守島)の太平洋側の岸近くにあるブラディミラ岩礁は200頭以上のトドが集まるホールアウトがあります。

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (3)

“トド”という変わった和名は、アイヌ語の”トント”に由来するそうで、これは「なめし革」を意味します。そして英名 Steller Sea LionのSeal Lion はオスがライオンのようなたてがみがあることに由来します。

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (1)

若いオス、まだ「たてがみ」とまでいきませんが。

Steller Sea Lionの”steller”のほうはドイツ出身のロシアの博物学者で、ベーリングの航海に同行したゲオルク・ヴィルヘルム・シュテラー(Georg Wilhelm Steller)にちなみます。シュテラーはベーリングがコマンダルスキー諸島の現ベーリング島で死んだ後の隊を率いてヨーロッパへ戻り、この地域の動物や鳥をヨーロッパに紹介した人です。

この人にちなんだ有名なものに Steller’s sea eagle オオワシ、Steller’s eider コケワタガモ、そして彼の報告がもとで絶滅した Steller’s Sea Cow ステラーカイギュウがあります。

さて、ブラディミラ岩礁のトドたち、近づくと興味深々で岩の上にいたトドはどんどん海に飛び込んでボート近くへやってきます。

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (4)

ボートに併走泳ぎするトド、泳ぎながら一生懸命こちらを見ようとしています。

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (6)

こんなに見られると人気者になった気分です。お客様もテンション高めです。

トド シュムシュ島 ブラディミラ岩礁Vladimira Rock steller sea lion rookery (8)

波の高めの日でしたが、楽しかったトド・ゾディアッククルーズ。ちょっと波で酔いそうですが動画もどうぞ!

 

Text & Photo, Video : 澤田真理子 Mariko SAWADA

Observation: July2018, Vladimira Rock, Shumshu Island, Kuril Island, Russian Far East(占守島、千島列島)

Reference : Nik Pavlov

★西遊旅行のワイルドライフツアー一覧はこちら

Youtubeでもワイルドライフの動画を配信しています。再生リストもご覧ください。