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コシタップ野生動物保護区 Koshi Tappu Wildlife Reserve ネパールでバードウォッチング(1)

●Scarlet Minivet ヒイロサンショウクイ 007A9076

コシタップ野生動物保護区 Koshi Tappu Wildlife Reserve について

東ネパールのタライ平原にあるコシ川の氾濫原・湿地帯に作られた保護区で、もともと1976年に野生の水牛を保護することが目的で作られました。コシ川はチベットからネパール、そしてインドへと流れる川で全長720キロ、雨期になると水量をまし、幾度もの大きな洪水被害をもたらした川でもあります。その水量をコントロールするためコシ川堰(Koshi Barrage)が1962年に作られ、その環境にたくさんの水鳥、野鳥が集まるようになり、1964年ごろからバードウォッチャーの間で知られるようになります。1987年にはラムサール条約の保護地に指定されました。

この野鳥の楽園にも変化があり、長年ここでバードウォッチングガイドを務めてきたスタッフによると、インドがコシ川に水路を作ってインドへ流し、そのため湿地帯の水がなくなり、その乾燥した湿地がインドからやってきた農民によりどんどん農地にされていってるというのです。湿地が無くなる、その結果鳥の数が減ってしまいました。

彼らによると、1990年代のバードウォッチングでは1日に175種を観察できたそうですが、現在では100~110種観察出来ればラッキー、と。それでも、十分すぎるような気もしますが、ガイドブックに乗っているオオハゲコウ(Greater Adjutant)は1993年以降観察されていませんし、「いる」と書いてあっても長年観察されていない鳥たちもいるそうです。

コシタップでは、コシタップ野生動物保護区内だけでなく、コシ川の河原や周辺湿地帯、パトナリの森、コシ川堰付近でバードウォッチングが行われています。3泊4日ほどのプログラムで来ているヨーロッパからのバードウォッチャーのグル-プとも出会いました。

パトナリの森でバードウォッチング

コシタップを訪れる人が足を延ばす沙羅双樹の木が茂る森です。この森はコシタップからチトワンまで伸びるチャールコシバンと呼ばれる大きな森林ベルトで、政府管轄の森。周辺の住民が木の実や葉、マキ用の木の採取に利用しています。道路付近の森はゴミが気になりますが、豊かな森にはアクシスジカやイノシシ、サルの姿が。ここにはトラこそはいませんが、1900年ごろまでのタライ平原の当時の姿を彷彿させます。

この日に出会った森の野鳥たちです。暑い昼間の訪問だったため、鳥たちも木陰に潜んでいて見つけるのが大変でした!

●Golden-fronted Leafbird キビタイコノハドリ 007A9086

キビタイコノハドリ Golden-fronted Leafbird

 

●Chestnut-headed Bee-eater チャガシラハチクイ007A9041

チャガシラハチクイ Chestnut-headed Bee-eater

●Grey-capped Pygmy Woodpecker セグロコゲラ (P.256) 007A9045

セグロコゲラ Grey-capped Pygmy Woodpecker

●White-rumped Shama アカハラシキチョウ 007A9062

アカハラシキチョウ White-rumped Shama

●Scarler Minivet ヒイロサンショウクイ 007A9082

ヒイロサンショウクイ Scarlet Minivet

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mar 2016 Patnali Forest near Koshi Tappu Wildlife Reserve– Nepal

Reference : Information from Shankar Tiwari, Helm Field Guides “Birds of Indian Subcontinent”, Wikipedia(EN)

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