東南アラスカで観察したザトウクジラの水面行動です。「バブルネットフィーディング」がみたくて訪れたのですが、「バブルネットフィーディング」だけでなく、ザトウクジラの群が行うさまざまな行動を観察することが出来ました。
バブルネット・フィーディング Bubble net feeding
数頭から数十頭の群れを成し、魚の群れを円を描くようにまわりながら泡を吐き出して一ヶ所に追い込みます。ヒレを使いながら魚を取り囲み、魚群の下からは一匹の鯨が大きな声を発し、パニックになった魚を上へと追い込みます。追いこみをする群れの上では別の鯨が泡を出して旋回し、バブルネットを作り、魚の群れをこの中に閉じ込め、最後には全ての鯨が大きな口をあけて海面へと飛び出し、一気に捕食します。
ブロー Blow
いわゆる「潮を吹く」行動。息継ぎなので、浮上してくるとブローが見られます。ザトウクジラの大人は15分くらいの間隔だそうですが、子供は5分くらいです。群れでブローをあげる姿は美しく、そしてブローのしぶきをあびるほどの至近距離ではその音、においにもびっくりします。
フルーク・アップ Fluke-up
深くもぐる前に尾びれを高く上げ、模様までわかるくらいの状態をいいます。ザトウクジラではこの模様での固体識別が行われています。
ブリーチング Breach
ザトウクジラが水面を飛ぶ行動。体長10m以上、20~30トンもある巨体が飛ぶのですから圧巻です。
ペック・スラップ Pec Slup
水面で体を横にしてむなびれで水面をたたく行動。
テール・スラップ Tail Slup
尾びれで水面を激しくたたく行動。
ペダンクル・スラップ Peduncle Slup
尾を水面に出し、横に倒れこむように水面にたたきつける行動。
ヘッド・スラップ Head Slup
頭を水面に出し、たたきつける行動。
スパイホップ Spy Hop
水面に顔を出し、周りの様子をうかがっていると考えられる行動。
さて、ザトウクジラたち、ボートで近寄ってきて観察する私たちのことを、どう思ってるんでしょう・・・
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : July 2015 Angoon, Admiralty Island – Alaska, USA
Reference : Information from Lodge Guide, Wikipedia(JP,EN), Alaska’s Watchable Whale, ホエールウォッチングガイド in 座間味 宮城清写真集 偉大なる海の友人ザトウクジラ
★クジラに関するお勧めの本 「クジラ・イルカのなぞ99 」「クジラ&イルカ生態ビジュアル図鑑」水口博也著。「クジラ・イルカのなぞ99」は子供向けですが、わかりやすい解説、写真で初めてクジラの本を読む方にお勧めです。
■ 添乗員同行で行く、ザトウクジラのバブルネット・フィーディングを観察するツアー
2017年07月15日(土) ~ 07月22日(土)8日間 東南アラスカ ザトウクジラのバブルネットフィーディング