タグ別アーカイブ: インドのトラ

ランタンボールのベンガルトラ -10「T-41 レイラ」(インド)

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (18)

ランタンボール、終日サファリのサイティングレポートです。この日のサファリのラストはT-41 Laila レイラ、メスのトラでした。

この日は朝、寝ているまだ名前のない子トラを見た以外なかなか良いトラとの遭遇がなく、夕方になりZONE-5の水辺へやってきました。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (1)

川辺の茂みの中にいるトラを発見、T-41レイラです。せっかくトラを見つけたのにもう夕方5時をすぎ、入口から遠い場所のため他のジープは移動を開始し始めましたが、私たちのジープは「おそらく水に入りにいくだろう」とじっと待ちました。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (3)

突然、水辺にいるアクシスジカの方へ歩き始めるレイラ。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (4)

トラがアクシスジカにむかって走り始めました。ダッシュです。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (5)

突然のことで写真のフォーカスもできません。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (6)

驚いたことに、追いかけられているアクシスジカを助けるために他のシカが飛び出してきてトラの動きを鈍くしようとしました。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (7)

レイラはシカを追いましたが、トラはそんなに長くは走れません。この狩りは失敗。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (11)

疲れてはぁはぁしているレイラ。そして、いよいよ水辺へ歩いていきます!

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (13)

川岸に現れたレイラ、夕方の光の中。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (14)

水浴する場所を選んでいます。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (15)

後ろ足で水を蹴りました。カメラマンさんたちから「ワーオ」と歓声が。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (16)

トラは水に入るとき後ろ足から、深さを確認しながらゆっくり入っていきます。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (17)

水に入ったレイラ。

ランタンボール トラ T41 ライラ Ranthmabore Tiger T41 Laila (20)

国立公園をもう出なくては本当にまずい時間になりました。移動の前に、レイラを正面から一枚。

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : March 2018,  Ranthambore National Park, Rajasthan, India

★インドでのサファリ/野生動物撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます。

★トラのサファリ予約は国立公園の事前予約が必要です。観察チャンスが高く人気のある国立公園ではかなり早くから予約が埋まります。ご検討の方はお早めにご相談ください。

ランタンボールのベンガルトラ – 4 「T-19クリシュナの子トラ」(インド)

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (1)

インド、ラジャスタン州のランタンボール国立公園での子トラのサイティング・レポートです。

ランタンボール国立公園 Ranthambore National Park は1955年にサワイ・マドプール野生保護区として設立され、1973年に「タイガー・プロジェクト」傘下の保護区となり、1980年にランタンボール国立公園に指定されました。ベンガルタイガーの保護・観察がバッチリ行われている国立公園で、各サファリ・エリアにいるトラもよく把握されています。

ランタンボール国立公園のレイク・エリア(Zone 3)で、この湖付近を縄張りとするT-19 クリシュナの子供2頭を観察することができました。2014年の4月に訪問したときには、母トラとそのそばを歩く4頭の赤ちゃんトラの姿を撮るためにカメラマンさんが殺到していました。その子供も今は成長し、1頭は少し離れて暮らし、2頭が母トラと同じエリアで暮らしていました。トラは生まれてから1年半~2年を母トラと過ごし、独り立ちするといわれています。この子達は1才+、体も大きくなっていますが子供らしい表情が残っています。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (2)

湖のほとりで休む子供トラ

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (3)

もう一頭の子供トラは寝そべっていました。かわいいです。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (4)

寝そべっていた子トラが移動してきました。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (8)

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (6)

兄弟接近です。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (7)

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (5)

サファリカーを見下ろしています。堂々として、さすがランタンボール、レイクエリアのトラです。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (9)

サファリカーの間をするするっと通って湖へ。このレイクエリアで生まれ育った兄弟は、生まれた時からカメラにサファリカーとカメラに囲まれてきたため、動じることはありません。まるで舞台俳優。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (10)

ランタンボールで最も美しい場所のひとつとされる、中世の建物を望む湖畔を歩く。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (11)

スキップするかのように軽やかにはねて歩いていきました。

Bengal Tiger -Ranthambore National Park (12)

続いてもう1頭の子トラも。ガイドいわく、この中世の建物で昼寝をするのが習慣になっているので、きっとそこに行くのだろう、と。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation :May 2015 , Ranthambore National Park, Rajasthan, India

★ベンガルトラのツアーを随時発表しています。西遊旅行の野生動物ツアー一覧からチェック!

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ベンガルトラと出会う ! バンダウガル国立公園(3)

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (7)

バンダウガル国立公園でのベンガルトラのサイティング記録です。

ベンガルトラと出会う!バンダウガル国立公園(1) ベンガルトラと出会う ! バンダウガル国立公園(2)

5月の暑い午後のサファリ、バンダウガル国立公園のマグディ・ゾーンをドライブ。2016年のシーズン中、マグディ・ゾーンはサイティングがよく、BBCのドキュメンタリー撮影班も入り親子トラの撮影をしていました。

この季節、ベンガルトラが観察できるチャンスが一番高いのは、夕方の水辺。マグディ・ゾーンの水辺で若く大きな雄をじっくり観察することができました。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (1)

水辺に行くと、すでにたくさんのジープが来ており、「あそこにトラがいる」と教えてくれました。草むらの奥に座り、こちらを見ているベンガルトラ発見。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (2)

時間はもう夕方6時前。トラ、水場に向かって移動開始です。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (4)

大きな体の雄。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (6)

草むらの中を歩いて来ました。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (8)

美しいトラの体!。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (10)

水辺を歩きます。リフレクションが・・・。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (11)

トラは水に入る時に後ろ足から入ることが多いです。前足を岸に乗せます。この子も後ろ足から入りました。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (12)

尻尾、ご機嫌です。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (13)

気持ちいのでしょう、ご機嫌な顔でこちらを見ました。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (14)

腕に顎を載せて、しばし、観光客のジープを眺めます。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (15)

背中もきれい・・・。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (18)

何度か水面をたたいて、まるで遊んでいるかのようです。

バンダウガル マグディ2016 ベンガルタイガー (17)

そして、水を飲み始めました。国立公園の閉園時間はもうすぐ。私たちがその場を立ち去ったとき、トラはまだ水を飲んでいました。

私たちが公園から出る時間、トラの時間が始まります。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Bandhavgarh National Park, Madhya Pradesh, India

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ベンガルトラと出会う! タドバ国立公園 Tadoba National Park (1)

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (12)

インドのタドバ国立公園のベンガルトラのサイティングレポートです。2016年トラシーズンのタドバは、マヤとソナムの2匹の雌と子供たちの出現で観光客はおおいににぎわっていました。でも、他のトラたちもプレゼンスを忘れていません。タドバのベンガルトラたちは比較的、「人慣れ」してます。

タドバ国立公園について

1955年に設立された国立公園で、国立公園116平方キロメートル、隣接するアンデリ野生動物保護区509キロ平方メートルを含め625平方キロメートルがトラの保護区域となっています。2016年現在、60頭以上のベンガルトラが確認されています。また、タドバ国立公園は今も公園内に人が住んでおり、村を移動させる努力が続けられている国立公園でもあります。サファリジープに乗って公園内を移動している時に道端に座りバスを待っている村人を見かけるのは不思議な感じがします。

ある朝、竹林をドライブしていると「アラームコール」が響きました。しばらく待っていてもトラが現れる様子がなかったので移動しようとしたところ、私たちの前にいたジープが「待て」のサイン。

トラの登場です。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (4)

6歳くらいの雄、パンドゥと呼ばれている雄です。頻繁に目撃される雄ではなく、ラッキーな遭遇です。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (1)

木にすりすりしてマーキング。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (2)

木にオシッコを吹き付けてマーキング。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (3)

立派な若い雄です!

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (5)

道路に出てきました。あっちを向いて・・・

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (6)

こっちを向いて・・・

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (7)

3台のジープの間を悠々と歩いていきます。どうしたいのか、ベンガルトラ。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (9)

座り込みです。3台のジープの真ん中で座り込みました。以前にも同じようなトラの行動を見ましたが、これもちょっとしたマーキング?アピール?私たちはただひたすら、トラを眺め、次の行動を待ちます。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (10)

立ち上がって、歩き始めました。

インド タドバ国立公園 ベンガルトラ (11)

そして竹藪の中に入り、糞。マーキングです。この後、トラは藪の中へ姿を消しました。・・・緊張のショータイム、終了。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Tadoba National Park,  Maharashtra, India

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ベンガルトラと出会う! ペンチ国立公園(1)

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (15)

4月下旬、インド中央部ペンチ国立公園で出会ったベンガルトラのサイティングです。

午後のサファリは3時からスタートしますが、暑すぎるため、気温が下がりトラが活動し始める時間まで待たなくてはなりません。でも、暑い日にはトラは早めに水場にやってきて「水浴」する姿も見られます。

12~13歳のライヤカサと呼ばれるペンチ国立公園で最大の雄が水に入っていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (1)

水を飲んで舌なめずりをしています。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (2)

そしてそばには、先ほどしとめたと思われるサンバー鹿の死体がありました。水辺には、トラがサンバーを食べるのを見ようとたくさんのジープが集まりました。サファリ終了の18時30分ギリギリまで待ちましたがトラは動きませんでした。

翌朝、サファリの開始とともに同じ水場にやってきましたが、サンバー鹿の死体もトラの姿もありません。トラは夜の間にサンバー鹿を運んでしまっていました。残念。でも、大きな鹿でしたからこの近くにいるはずです。そう思い、待ちました。

ボネリークマタカ

待っている間にちょっとバードウォッチング。ボネリークマタカ Bonelli’s eagle です。

インドハッカ

インドハッカ Common Myna がトカゲを捕食。なんども地面にぶつけて殺し、大変残酷な食べ方でした。そして、待つこと1時間、トラの登場です。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (4)

林の向こうからトラの姿が。水辺に近い林に獲物を運んで食べていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (7)

こっちに近づいて来ました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (8)

お腹いっぱい・・・、ペンチの森最大の雄の貫録です。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (11)

水辺へと下ってきます。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (13)

そして、水には後ろ足から入っていきます。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (14)

朝の沐浴。水辺はたくさんのジープが集まり、カメラのシャッター音がなり続ける中、こちらをじーっと見ていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (9)

間もなく水から出て林へ。気温が上がり始め、もう寝る時間です。後ろ足の肉球がかわいらしい、パグマークそのまんまです。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (16)

ペンチの森へと消えていきました・・・

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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ランタンボールのベンガルトラ -2「T-25 子育てをしたオストラ」(インド)

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (12)

ランタンボール国立公園のベンガルタイガー、T-25 Dollarダラーメイル(別名Zalimザリーム)のサイティング・レポートです。
母トラから離れ自分のなわばりを持って独り立ちしたころ、T-25は人間が嫌いで、ご機嫌が悪いと車を追いかけたりしていたといいます。また、縄張りを拡張するために他のトラのテリトリーまで奪いにいく獰猛さでしられ、ヒンディ語で「ひどく悪い」という意味のZalim ザリームという名前がつけられていました。

そんなT-25がトラ関係者を驚かせる行動がありました。
2011年、T-25が2匹の子トラを連れて歩いている光景が見られました。T-25の2匹の子トラ Bina-1とBina-2です。母トラのT-5が病気のために死んだ後、父トラのT-25が2匹の子供の面倒を見ていたのです。他のトラから子供たちを守るだけではなく、しとめた獲物を与え、訓練をし、母トラとしての役割をしているのが観察されました。このころから、T-25は以前のように獰猛ではなくなったといいます。彼の呼び名も ZalimからDollarにかわりました。なぜDollar?それは体の右側のお腹のあたりにドルマーク$のようなものがあるからです。父トラが2匹の子トラを連れて歩く姿は多くのカメラマンやインドのトラ関係者を夢中にさせました。

その後、T-25はT-17との間に生まれた3匹の子トラをT-17が行方不明になった後、再び面倒を見て成長させた記録があります。1度だけでなく2度も、です。

この日は気温が高く、午後のサファリがスタートしてもアラームコール(鹿やサルの警戒音)もなく、トラを見つけることができませんでした。ガイド氏と相談し、朝のサファリのときにT-25が最後に目撃された場所に一番近い水場で待とう、ということになりました。
この季節、トラは朝8時くらいには活動をやめ、寝る場所を探し、夕方5時ころの気温が下がり始めたころに起きて水場にやってくることが多いのです。

この日のサイティングはまさにシナリオ通りでした。5時過ぎ、気温が下がり始め森の鳥たちも活動を開始。そしてアクシスジカのアラームコール、鹿の群れの逃げる足音・・・・、木々の向こうからT-25が現れました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (2)

私たちのサファリカー以外にも3台ほどが同様に待っており、大きなレンズのカメラマンさんたちが。響き渡るシャッター音。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (3)

T-25の登場です。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (4)

木にオシッコかけて縄張りを主張。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (6)

T-25はまっすぐサファリ道の真横にある水場へ入ってきました。かつては人間が嫌いで・・・とは思えないほどの至近距離で。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (8)

水場にやってきたT-25。この角度でトラを見ることはあまりありません。「トラの模様ってこうなってるんだ・・・」 力強い前足、トラ好きにはたまりません!

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (9)

今度は水の中に入って体を冷やします。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (10)

この角度から見るベンガルトラの美しいこと!

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (12)

カメラマンさんたちのシャッター音が気になるか、お耳がくりくり動きます。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (13)

ひとしきりの水浴びを楽しむとゆっくり歩き始めました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (14)

T-25が動くとツーリストとカメラマンさんをのせたサファリカーも一斉にスタート。このころにはサファリカーの数は20台近くにになっていました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (1)

やがて山の斜面へと移り、T-25の姿は見えなくなりました。

なんてステキなベンガルタイガーとの時間だったことでしょう!このサイティングに導いてくれたガイド氏とハイタッチ。これまでで最高のサイティングといえるT-25との遭遇でした。本当に感謝です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Apr 2013,  Ranthambore National Park, Rajasthan, India

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インドの森 ランタンボール国立公園 Ranthamobore National Park

ランタンボール (5)

インドのランタンボール国立公園は、首都のデリーからのアクセスの良さ、アグラやジャイプールといったメジャーな観光地とも近く、ベンガルトラのサイティングが良いことから、ツーリストに人気の国立公園です。なんとなく「トラが見れたらなぁ」というパッケージツアーのツーリストから、本気でトラを撮影に来ているカメラマンさんまで、幅広い層のツーリストを受け入れています。

インドの国立公園をいろいろ回っている人にとっても、ランタンボール国立公園は特別で、中世の建物を飲み込む森の美しさは他の国立公園とは比べられません。

ランタンボール国立公園について 

もともとはジャイプールのマハラジャの狩猟地でしたが、1955年にサワイ・マドプール野生保護区となり、1973年に「タイガー・プロジェクト」傘下の保護区となり、1980年にランタンボール国立公園に指定されました。現在、392平方キロメートルの広さを持ちます。

エリア内には10世紀に建てられた要塞遺跡があり、その文明を呑みこむように森が再生しています。湖をたたえバニヤンの木が茂るランタンボールは、サンバー、アクシスジカ、ニルガイ、イノシシ、ベンガルタイガーが生息し、多数の野鳥を観察できる国立公園です。国立公園内には広葉樹の森と台地、3つの人口の湖があり、およそ40種の哺乳類と260種以上の鳥類が確認されています。公園の中にある「ランタンボール砦」の名前をとってランタンボール国立公園と名付けられました。

5月に訪れたランタンボール国立公園で出合った野鳥と動物たちの写真です。この時は4回のサファリで、レオパード1回、ベンガルトラ2回のサイティングでした。

ランタンボール (3)

公園内の水場に集まるアクシスジカ Spotted Deer

ランタンボール (7)

ハヌマーンラングール Hanuman Langur と アクシスジカ Spotted Deer は一緒にいることが多く、木の上でハヌマーンラングールが落とした葉や実を、下でアクシスジカたちが食べている様子が観察されます。

ランタンボール (1)

ハヌマーンラングーとアクススジカ、水も一緒に飲んでいました!

ランタンボール (4)

レイクエリアで寝そべる1歳のベンガルトラ Bengal Tiger。クリシュナ(T19)という母トラの子供で、間もなく親離れです。この子は生まれた時からカメラマンに囲まれて育ち、どうどうとしたものです。

ニルガイ

ニルガイ Nirgai はインドの森に生息する最大のシカ科の動物。首がウマににていることから「ウマシカ」などと呼ばれることも。オスは暗い灰色(青)に見えることからVlue Bull=青い牛と呼ばれます。ニルガイの名前も、ニルが青、ガイが牛を意味します。写真の個体はニルガイのオスです。

ランタンボール (2)

インドヒョウ Indian Leopard です。ランタンボールでのヒョウのサイティングは稀で、大変ラッキーでした。

Sambar

水場のサンバーSambar 。「水鹿(すいろく)」として知られ、水辺・湿地帯の森に暮らしています。

ランタンボール (11)

朝のサファリが終わり、国立公園を出ようとしたときに立ち寄った水場に、いましたベンガルトラ!寝る前に水を飲みに来たようです。

ランタンボール (8)

このオスは縄張りを失い、しばらく森を放浪していたトラとのことでした。しばらく観光客のジープに出会っていなかったのか、ビクビクして、遠巻きにジープを見ています。体には傷がついていました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Mayl 2015  Ranthambore  National Park, Rajasthan, India

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ベンガルトラと出会う ! バンダウガル国立公園(2)

●DSC_4927 バメーラ

バンダウガルの森で起こった支配トラの交代劇のことです。 2014年の春、このバンダウガルでは支配トラの世代交代の時期を迎えていました。

バンダウガルの森のタラ・ゾーンというエリアを支配していた「バメーラ」というオスがいました。「バメーラ」は母親の元を離れてから国立公園外のバメーラ村の森に暮らしていましたが6歳のときに、父親である「B2」が支配していたタラ・ゾーンに縄張りを奪いにやってきました。「B2」を追い出し、それ以来タラ・ゾーンの支配トラとして君臨してきました。「バメーラ」が12歳の今年、マグディ・ゾーンという別のエリアいたに「バゴーラ」という若いオスが、タラ・ゾーンにやって来て、「バメーラ」追い出してしまいました。そして、その縄張り内にいたバメーラの子供たちを殺しました。この出来事でバンダウガルの森のトラは恐れ、身を隠し、「バゴーラ」を警戒しました。この間のバンダウガルの森はまさに「動きがない」森になりました。この時のサファリはトラが闊歩し鹿やサルがアラームコールを発する普段の森の様子とはまったく異なるもので、トラのサイティングが非常に難しい日が続きました。

●DSC_4987

4月下旬、偶然にも縄張りを追われたはずの「バメーラ」を竹林の奥に見つけました。かつての自分の縄張りに現れた「バメーラ」。竹林の奥に座り、やがて立ち上がり目の前をゆっくりと歩いていきました。若いオスと戦った跡か、足を負傷しているのが見えました。何年来と君臨してきた支配オスが去っていく姿でした。

●DSC_4997 バメーラのキズ

5月上旬、ターラ・ゾーンのゲートから入って近い所に縄張りを持つ「カンカティ」という片目のメストラが姿を現すようになりました。彼女には3匹の子トラが産まれていました。もともと彼女は、「バメーラ」の縄張り内のメスでしたが、この「カンカティ」の子供は、「バメーラ」の子供なのか、新しくやってきた「バゴーラ」の子供なのかは不明でした。しかし、カンカティは何度となく私たちの前に姿を現し、また可愛らしい子供たちの姿も見せてくれたのです。カンカティは、ほぼ決まった時間に活動しているのか、夕方のサファリの開始時間に子供たちを連れて、水場の周辺に現れました。この公園内の落ち着いた様子から、彼女の子供は新しいオス「バゴーラ」の子供だということが分かります。

そして8月、バンダウガルのサファリスタッフから便りがありました。カンカティと2匹の子供が縄張りを求めてやってきた別のオスに殺されたというものでした。1匹の子供は助かったが怪我をしており、野生に戻れるように森林局の人が隔離していると。かわいい親子の姿を思い出すとやるせない気持ちになり、トラという動物の習性、野生の厳しさを再認識しました。

バンダウガルのトラは、研究者の間では有名で、中でもターラ・ゾーンを支配してきた歴代のトラ、バメーラの父親の「B2」やその先代の「チャージャー」は多くのドキュメンタリーや雑誌の記事に登場し、「世界で最も強いトラ」なんていう記事になったりしていました。繰り返される縄張り争いは厳しい野生の掟ではありますが、森が小さいためその縄張りがこれ以上広げられない、人間によって森が破壊されてきたという原因にも至るのです。

●DSC_5029 バメーラ最後の姿

かつての縄張りを追われて行くバメーラ。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April 2014  Bandhavgarh  National Park, Madhya Pradesh, India

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インドの森 ベンガルトラについて考える

Bengal Tiger - Forest of India (6)

2015年1月、インドのトラに関してうれしいニュースがありました。

インド政府の発表によると2006年に1,411頭と推定されたインド国内のベンガルトラが、2014年の調査で2,226頭に増加したというのです。

インドのサファリツアーに関わってきた私たちにはうれしい限りのニュース。実際にインドで仕事をしていて、一般のインドの人々のサファリや野生動物保護に関する意識はこの数年で大きく変ったと感じています。

Bengal Tiger - Forest of India (10)

ベンガルトラ Bengal Tigerはインドの森に君臨し、その美しさと強さ、神話にも登場する存在として人々の間で親しまれてきた動物でした。

20世紀初頭、世界に約10万頭いたトラ(ベンガルトラほか、シベリアトラなどの亜種を含む)は、今日では3000~5000頭にまで減ってしまいました。インドは現在2200頭の野生のトラが生息している世界一のトラの生息国ですが、この1世紀の間にその生息地の9割が失われたといいます。人口の増加に伴い森が開発され、人里が森の奥にまで広がりトラと人間との衝突が起こりました。トラは人や家畜を襲う害獣として殺されました。

現在では各国立公園の保護の取り組み、周辺住民への教育の浸透と研究の成果により「トラは守らなければならない対象」としての理解が広がってきています。

トラは夜行性の動物です。昼間の暑い時間帯は、草むらや岩陰などの涼しい場所で寝ています。そのため、早朝の日が高くなる前と、夕方の日が沈む前の時間帯にトラのサイティングのチャンスがあります。また、基本的にトラは単独で行動をする動物で、親子を除いて群れで行動することはありません。草むらなど視界の開けた所にはいなので、ライオンなどと違いサイティングが難しい野生動物なのです。体の縞模様は、そういた環境で体の輪郭をぼかす効果があります。

トラの習性の特徴として、「縄張りを持つ動物、Territorial Animal」であることが挙げられます。1頭のオスの縄張りが約90平方キロ、メスで20~25平方キロと言われ(環境などにより異なります)、糞や尿を撒いて主張しトラ同士の無駄な衝突を避けます。通常、オスは自分の縄張りに、3~4頭のメスを抱え込み広い縄張りを持ちます。オスは縄張り争いをし、勝ったトラは新しく手に入れた縄張りにいるメスが他のオスの子供を連れていると、その子供を殺すことで知られています。残酷な話ではありますが、これはメスを発情させて、自分の子孫を残すための自然界の掟とも言える習性です。メスの妊娠期間はおよそ3カ月半。子供は1年半~2年を母親と過ごし、その後自分の縄張り(テリトリー)を確立していきます。オスは6歳くらいの時にその縄張りを拡張し、10歳以上の支配トラの縄張りをも奪いにいきます。トラの平均寿命は15歳と言われますが、この縄張り争いの時に命を落とすトラがたくさんいます。

この縄張り争いで自分のテリトリーを探すために、保護区の森を出て、密猟者の手にかかったり人間との衝突が起こったりします。こんな小さな国立公園ではトラの個体数が増えて飽和状態。

インドでは2014年より、国立公園の80%で人間のサファリなどの活動を禁止し、サファリは20%の地域でのみ行われています。80%の森は「野生動物のためだけのものであるべき」という考えです。でも、森の面積は足りません、森自体を増やさなくてはなりません。

Bengal Tiger - Forest of India (2)

暑い日の午後、水の中で休むベンガルトラ

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April 2009, May 2013, Apri 2014  Bandhavgarh, Kanha, Rnathambore  National Park – India

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ベンガルトラと出会う!バンダウガル国立公園(1)

Tala Zone (4)

バンダウガル国立公園 Bandhavgarh NP のタラゾーン Tala Zone でのサイティングです。バメーラ(タラゾーンの支配オス)のテリトリーで出会ったきれいなメス。

Tala Zone (2)

この日の最初のサイティングでした。トラが茂みに居るという情報を聞いてたくさんのサファリジープが待っていたところへ、どうどうと現われました。

Tala Zone (5)

そして道の真中で座り込み。

Tala Zone (6)

反対側からかけつけたサファリジープと、私たちがいた側とではさみこんでの写真撮影になりました。間もなくすると立ち上がって、サファリ・ルートを歩いていきます。その後をソロソロ追うジープの群。不思議な光景です。

Tala Zone (7)

Tala Zone (9)

後ろから追いかけてくるサファリジープが気になるのでしょう、時々振り返ります。

Tala Zone (8)

森の中へと歩いていきます。なんて美しい。

Tala Zone (10)

しばらくすると森の中でしゃがみこみました。やはり、こちらの方を見ています。

Tala Zone (11)

一晩中活動していたトラ、日が高くなり、もう寝る時間です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : May 2013  Bandhavgarh  National Park, Madhya Pradesh, India

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