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風蓮湖・氷上のオオワシとオジロワシ(根室、北海道)

Lake Furen Hkkaido Steller's sea eagle 風蓮湖 オオワシ Wildlife of Japan

冬の道東撮影ツアーのレポートです。2月半ばは気温が高め、雪も少なめで風蓮湖の氷も心配でしたが、オオワシ、オジロワシはいつも通り。何よりも今年は外国人フォトグラファーがいないので混んでいません。

朝、8時を過ぎると湖畔の木々にオオワシ、オジロワシが待機し、カラスは氷上で待ち構えていました。

Sea Eagles on Ice lake Furen 風蓮湖の鷲|西遊旅行

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2021, 風蓮湖、北海道

Special Thanks : 「レイクサンセット」さま

(動画)羅臼の流氷クルーズ・羅臼漁港の流氷とオオワシ、オジロワシ

今年は流氷がある期間がとても短かった羅臼。羅臼に到着すると、知床サライのスタッフから「昨日までは流氷の状態が良かったんですが、風が西に吹いているので夜の間になくなってしまいそう」と言われ、祈りながら迎えた朝。

風がきついために夜明けクルーズは中止になりましたが、9時の便では、港の中に集まった流氷を背景に撮影大会が繰り広げられました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ オジロワシ Rausu Drift Ice Cruise Steller's Sea Eagle (6) Wildlife of Hokkaido

羅臼の漁港の中にたまった流氷。ここに撒餌をしてオオワシとオジロワシの撮影です。背景が入らないように撮ると、本当に大自然の中のように見えるのでびっくりです。

Sea Eagles on drift ice Rausu(羅臼の流氷クルーズ)|西遊旅行

Video & text :Mariko SAWADA

Observation : Feb 2021, 羅臼、北海道

Special Thanks : ゴジラ岩観光、知床サライ、Hobby’s World 吉成才丈さま

千島列島のシジュウカラガン Cackling goose of Kuril Islands

千島列島のシジュウカラガン Cackling goose Kuril Islands Ekarma Shashikotan Island (10)

千島列島のシジュウカラガン -  千島列島が日本の統治下だった時代に絶滅し、再導入されたシジュウカラガンの群れと出会いました。

越冬のため日本に飛来していたシジュウカラガンの繁殖地は千島列島の中部の島でした。戦前、千島列島が日本の統治下だった時代に、アオギツネ(ホッキョクギツネの暗色型)が養狐(ようこ)のために持ち込まれました。その結果、シジュウカラガンは絶滅へと追いやられ1935年に宮城県で数百羽の群れが確認された後は、見られなくなっていました。

アラスカのアリューシャン列島でも同じように毛皮産業が盛んだったことからアカキツネなどが島に導入され、シジュウカラガンは絶滅へ・・・そんな中、1962年にアリューシャン列島で繁殖しているシジュウカラガンが発見され、保護と増殖の努力が行われ個体数が回復しました。アメリカで繁殖させたシジュウカラガンを譲り受けた「⽇本雁を保護する会」と仙台市⼋⽊⼭動物公園が、ロシアの研究者と連携し、1995年から2010年にかけて千島列島のエカルマ島で放⿃を⾏ってこられました。

千島列島のシジュウカラガン Cackling goose Kuril Islands Ekarma Shashikotan Island (12)

さて、シジュウカラガンを目撃した時のことです。「千島列島アドベンチャークルーズ」のツアーでシャシコタン島の東岸を小型ゴムボートで移動しているとき、「あ、何、あの鳥?」「シジュウカラガンだ~!!」飛んでいるシジュウカラガンを発見。ラッキーにも比較的近くに着水。

参加者のバードフォトグラファー、海鳥案内スタッフは大興奮。その他の参加者は、「そんなにすごいことなの?」と興味津々。

千島列島のシジュウカラガン Cackling goose Kuril Islands Ekarma Shashikotan Island (8)

中千島で繁殖するシジュウカラガン。くびに白い輪がない個体が幼鳥とのこと、飛び立たせないように距離をおいてゴムボートで接近。

千島列島のシジュウカラガン Cackling goose Kuril Islands Ekarma Shashikotan Island (11)

千島列島、シャシコタン島を背景に飛ぶシジュウカラガン。

現在日本に飛来するシジュウカラガンは、中部千島のエカルマ島で放鳥したものの内、日本への渡り経路を学習した鳥が、その後家族群となり飛来を繰り返すうちにその数は8000羽以上まで増加しました。

このシジュウカラガンの目撃は2018年の8月半ばのこと。その時から日本に飛来するシジュウカラガンを一目見たいと思っていましたが、なかなかその機会がありませんでした。そしてコロナ禍の2020年の冬、西遊旅行が日本のツアーを多く手掛けるようになって、ようやく日本でシジュウカラガンを見る機会に恵まれました。

蕪栗沼のシジュウカラガン Cackling goose Kabukurinuma

蕪栗沼のシジュウカラガン。こんなにいるんだ、とびっくりです!!

千島列島へはこれまで9回遠征ツアーを行っていますが、シジュウカラガンを見たのは2018年のこの遭遇と2019年6月にエカルマ島で遠方に見た2回だけです。2020年はコロナで訪問できませんでしたが、個体数が増えていることを祈ります。私たちも、早く千島列島を再訪できる日を待っています。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Aug 2018, Shashikotan Island, Kuril Island, Russian Far East

Reference : 日本雁を保護する会・呉地正行さま

※2018年のこの遭遇の記事はネットニュースなどにも配信され、詳細なシジュウカラガンの再導入や保護の取り組みの説明記事がありますので検索して見てください。

(動画)沈船のシロワニ(父島・小笠原諸島)

小笠原と言えばシロワニ Sand Tiger Shark。海底の洞窟なんかにいるのが自然な姿ですが、沈船とシロワニの姿は非常にドラマチックです。

父島・二見湾には第2次世界大戦中に被弾した船がいくつも眠っています。沈船自体、すでにドラマチックなのですが、シロワニが住処にしている沈船は格別です。

Sand Tiger Shark at Shipwreck, Bonin island Japan|西遊旅行

小笠原 二見湾の沈船のシロワニ (7) Sand Tiger Shark - Bonin Island Japan

沈没船もその沈み方がいろいろで、空襲でバラバラになって沈んでいるもの、そのまま着底しているようなもの、横向いてるものなど様々。

船体の一部をお気に入りの場所にしているシロワニ、しかも複数発見!

小笠原 二見湾の沈船のシロワニ (3) Sand Tiger Shark - Bonin Island Japan

自分の上をゆっくり泳ぐシロワニ、これにはゾクッとします。深いので、この光景をずっとみているわけには行けません。もう浮上の準備。

小笠原 二見湾の沈船のシロワニ (4) Sand Tiger Shark - Bonin Island Japan

短いシロワニとの時間も最後!!

小笠原 二見湾の沈船のシロワニ (8) Sand Tiger Shark - Bonin Island Japan

シマアジを引き連れたシロワニが最後の個体。これを見送って浮上です。

 

Video / Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Oct 2020, 父島二見湾、小笠原諸島

Special Thanks to くぼちゃん、笠井船長 – FISH EYE

(動画)小笠原・父島二見湾のシロワニ(2)

小笠原諸島、父島・二見湾の沈船のシロワニです。あのおがさわら丸の停留する二見湾、こんなところにシロワニが、と驚かされます。

この沈船は100m級の大きな船が2つに割けている感じで、ボトムは水深42mですが、この日は35m付近でシロワニと出会えました。シマアジを引き連れて泳ぐ姿は、とても魅力的です。

 

Video & text :Mariko SAWADA

Observation : Oct 2020, 父島二見湾、小笠原諸島

Special Thanks to くぼちゃん、笠井船長 – FISH EYE

(動画)小笠原・父島二見湾のシロワニ(1)

二見湾の沈船についているシロワニたちです。9月は別の沈船にいましたが、移動していました。二見湾には第2次世界大戦時に沈没した戦時物資を運ぶ輸送船が何隻か沈んでいます。今はシロワニたちのお気に入りの場所のようです。浮上時にはシマアジの群れが見送ってくれました。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Oct 2020, 父島二見湾、小笠原諸島

Special Thanks to くぼちゃん、笠井船長 – FISH EYE

知床半島・羅臼、カラフトマスの定置網漁

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (4)

8月下旬の知床からのレポートです。今年は例年より少し早く、そして多めのカラフトマスが羅臼沿岸へ帰ってきました。ヒグマは一年で一番痩せている時期でカラフトマスの到来を待ちわびています。それは人も同じです。

羅臼では毎年、「今年の漁は最悪だった」という話を繰り返しています。そんな中、「今年は多いね」と聞くと、漁師さんも、そしてヒグマにも朗報です。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (1)

早朝3時30分に、宿を出発し、相泊の港へ。朝焼けが始まる時間でした。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (2)

定置網を手繰り寄せていきます。遡上を前に、川の前に集まっているカラフトマス。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (3)

網を引き寄せ、救い出して、船へ。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (5)

間もなく国後島に朝日が昇ります。この光景は羅臼の醍醐味。ゆっくりはしていられません、相泊港へ戻り、出荷の準備です。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (6)

満足げな漁師さんたち、「今日はよく獲れた」。

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (7)

私たちも、オスとメス一本づつ、漁師さんからプレゼントされました。知床サライの森田さんが、持ち帰りやすいように、オスは精巣を取り、メスは筋子を別々にして、希望者にはフィレにしてクール宅急便にしてくれました!

知床半島 羅臼 カラフトマス 定置網 知床サライ 西遊旅行 (9)

恩恵を賜ったのは私たちだけではありません。気が付くと、カラス、オオセグロカモメ、オジロワシ、キタキツネに囲まれていました。そしてこの日の漁にありついた勝者はキタキツネくんでした!

 

Photo & text : Mariko SAWADA * The photos were taken during the tour in late August 2020.

Special Thanks : 天神幸吉さま、森田将平(知床サライ)

(動画)シロワニ Sand Tiger Shark(小笠原諸島)

小笠原諸島のシロワニ Sand Tiger Sharkです。

嫁島のマグロ穴 シロワニ|西遊旅行

このビデオは嫁島のマグロ穴で撮影したメスの個体です。カッポレ、そしてシロワニについているシマアジの幼魚がかわいらしい!

シロワニ Sand Tiger Shark 小笠原諸島 鹿浜 (1)

これは弟島の鹿浜で見たシロワニのメス。お腹が大きくお腹に子供がいるメスのようです。

サメの繁殖は神秘に満ちていて、卵生(卵を産む)、卵胎生(母親の胎内で卵が孵化してから子供の形で体外に出てくる)、胎生と種により繁殖の方法が異なるそうです。シロワニは卵胎生なのですが、最初に誕生した子サメが、他の卵や胚を食べて成長する”共食い型”と呼ばれるもの。このメスのお腹には卵・兄弟たちを食べて生き残った丈夫な子が入っているということなんですね、衝撃的な話です。

シロワニ Sand Tiger Shark 小笠原諸島 鹿浜 (3)

シロワニは世界中の暖かい海の沿岸に生息するサメで、全長3.2m。歯はすごくて怖い見た目ですが夜行性で昼はとてもおとなしいサメです。

シロワニ Sand Tiger Shark 小笠原諸島 鹿浜 (5)

大人しいとは言われても、あまり近づくと心配になってしまいます。

シロワニ Sand Tiger Shark 小笠原諸島 鹿浜 (6)

何度もそばを通過してくれたサービス満点のシロワニでした。

 

Video, photo & text : Mariko SAWADA

Observation : April  2020, 弟島、嫁島(聟島列島), 小笠原諸島

Special thanks to Fisheye

 

(動画)秋の知床半島・カラフトマスの遡上

秋の知床半島・カラフトマスの遡上

カラフトマス、外国ではピンクサーモン Pink Salmonと呼ばれる魚が知床半島の川へ戻ってきました。およそ2年、北の海を回遊し再び生まれた川へ産卵のために戻ってきたカラフトマス。

目の前で、間もなく命を終わろうとしているカラフトマス。ボロボロになったカラフトマスの姿は、生命の営みそのものでした。カラフトマスを食する私たちは、感謝していただかなくてはならない、と切に思うのです。

さて、カラフトマスは他のサケ科の魚に比べると「母川回帰本能」は強くなく、違う川にも上るそうです。この撮影をした年(2016年)は、8月半ばに北海道に3つも台風が来て、サケの定置網が外れたため川にたくさんのカラフトマスが見られました。

カラフトマス 知床半島 秋 遡上 Pink Salmon run Shiretoko Peninsula (1)

定置網の中のカラフトマス

カラフトマス 知床半島 秋 遡上 Pink Salmon run Shiretoko Peninsula (4)

滝つぼ付近のカラフトマス。水面に背びれがでています。

カラフトマス 知床半島 秋 遡上 Pink Salmon run Shiretoko Peninsula (3)

水中のカラフトマス。背が曲がっているのが繁殖期のオスです。

カラフトマス 知床半島 秋 遡上 Pink Salmon run Shiretoko Peninsula (2)

滝をのぼろうとするカラフトマス

知床半島 羅臼のヒグマ 秋  (2)

ヒグマに捕らえられたカラフトマス。この時期のヒグマは一番痩せていて、必死でカラフトマスを追っています。

余談ですが、私はこの3年ほど夏の間はカムチャッカから千島列島へ行く船での勤務がありました。ピンクサーモンは途中通過するカムチャッカ半島部やパラムシル島、ウルップ島など大きな島の河口部で見られ、そして獲ることができたサケです。ロシアの人たちの間の一番人気はキングサーモン(マスノスケ)ですが、安くて美味しいのがこのピンクサーモン。あ、イクラの話です。

ロシアの船でピンクサーモンが獲れた日は、雌からは卵を出してイクラを作り、オスからは精巣を出して「ロシア風天ぷら」を作り、身は初日はお刺身で楽しみ、翌日からはひたすらムニエルでした。ロシア人クルーたちはお刺身は苦手でした。

コロナが終息し、カムチャッカに行ける日が待ち遠しいです。

 

Photo & video, text : Mariko SAWADA

(Photos/video are from a trip in Sep 2017)
Location: Rausu, Shiretoko Peninsula, Hokkaido

Special Thanks : 知床ダイビング企画 関さま&スタッフの皆さま

(動画)知床のシャチのファミリー、子供の動きが超かわいい!

知床のシャチ Vol 03 シャチのファミリー、子供が超かわいい!|西遊旅行

6月の知床、根室海峡のシャチのドローン撮影で見たものは・・・シャチの家族、そして子供のとても愛らしい動き。親でしょうか、大人シャチの上に乗り上げるようなしぐさも。船から見ていた時は子供は白い部分の「黄色っぽさ」が目立つのですが、ドローンからだと「灰色」に見えるんですね。

 

知床のシャチ Vol 04 シャチのポッド|西遊旅行

船のそばを悠々と通り過ぎるシャチのポッド。さすが海の王者といいたいところですが、どうも他の行動で忙しいようです。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2020, Rausu, Nemuro starit, Hokkaido

Special Thanks to Hamanasu はまなすの皆様