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ベンガルトラと出会う ! バンダウガル国立公園(2)

●DSC_4927 バメーラ

バンダウガルの森で起こった支配トラの交代劇のことです。 2014年の春、このバンダウガルでは支配トラの世代交代の時期を迎えていました。

バンダウガルの森のタラ・ゾーンというエリアを支配していた「バメーラ」というオスがいました。「バメーラ」は母親の元を離れてから国立公園外のバメーラ村の森に暮らしていましたが6歳のときに、父親である「B2」が支配していたタラ・ゾーンに縄張りを奪いにやってきました。「B2」を追い出し、それ以来タラ・ゾーンの支配トラとして君臨してきました。「バメーラ」が12歳の今年、マグディ・ゾーンという別のエリアいたに「バゴーラ」という若いオスが、タラ・ゾーンにやって来て、「バメーラ」追い出してしまいました。そして、その縄張り内にいたバメーラの子供たちを殺しました。この出来事でバンダウガルの森のトラは恐れ、身を隠し、「バゴーラ」を警戒しました。この間のバンダウガルの森はまさに「動きがない」森になりました。この時のサファリはトラが闊歩し鹿やサルがアラームコールを発する普段の森の様子とはまったく異なるもので、トラのサイティングが非常に難しい日が続きました。

●DSC_4987

4月下旬、偶然にも縄張りを追われたはずの「バメーラ」を竹林の奥に見つけました。かつての自分の縄張りに現れた「バメーラ」。竹林の奥に座り、やがて立ち上がり目の前をゆっくりと歩いていきました。若いオスと戦った跡か、足を負傷しているのが見えました。何年来と君臨してきた支配オスが去っていく姿でした。

●DSC_4997 バメーラのキズ

5月上旬、ターラ・ゾーンのゲートから入って近い所に縄張りを持つ「カンカティ」という片目のメストラが姿を現すようになりました。彼女には3匹の子トラが産まれていました。もともと彼女は、「バメーラ」の縄張り内のメスでしたが、この「カンカティ」の子供は、「バメーラ」の子供なのか、新しくやってきた「バゴーラ」の子供なのかは不明でした。しかし、カンカティは何度となく私たちの前に姿を現し、また可愛らしい子供たちの姿も見せてくれたのです。カンカティは、ほぼ決まった時間に活動しているのか、夕方のサファリの開始時間に子供たちを連れて、水場の周辺に現れました。この公園内の落ち着いた様子から、彼女の子供は新しいオス「バゴーラ」の子供だということが分かります。

そして8月、バンダウガルのサファリスタッフから便りがありました。カンカティと2匹の子供が縄張りを求めてやってきた別のオスに殺されたというものでした。1匹の子供は助かったが怪我をしており、野生に戻れるように森林局の人が隔離していると。かわいい親子の姿を思い出すとやるせない気持ちになり、トラという動物の習性、野生の厳しさを再認識しました。

バンダウガルのトラは、研究者の間では有名で、中でもターラ・ゾーンを支配してきた歴代のトラ、バメーラの父親の「B2」やその先代の「チャージャー」は多くのドキュメンタリーや雑誌の記事に登場し、「世界で最も強いトラ」なんていう記事になったりしていました。繰り返される縄張り争いは厳しい野生の掟ではありますが、森が小さいためその縄張りがこれ以上広げられない、人間によって森が破壊されてきたという原因にも至るのです。

●DSC_5029 バメーラ最後の姿

かつての縄張りを追われて行くバメーラ。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April 2014  Bandhavgarh  National Park, Madhya Pradesh, India

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インドの森 ペンチ国立公園 Pench National Park

Pench National Park - Bengal Tiger (3)

ペンチ国立公園Pench National Park はマディーヤ・プラデーシュ州の南にある国立公園。公園内をペンチ川が南北に貫く豊かな森を持つ国立公園です。

チークの木、沙羅双樹、インディアン・ゴースト・ツリーと呼ばれる幹の白いクルの木、竹林など変化に富んだ植生を持つ公園内にはベンガルタイガーをはじめとする野生動物が暮らしています。

ペンチの森は、1977年に保護区となり1983年に国立公園に、1992年に「トラ保護区 Tiger Reserve」に指定されました。2011年には国立公園としてBest Management Awardを受賞し、2014年冬~2015年春のシーズンには“インドで最もベンガルタイガーのサイティングのいい国立公園”としてインドのサファリ・ファンの間で話題になりました。

2015年6月現在、コア・ゾーンには33頭のベンガルタイガーと17頭の子供トラ、33頭のレオパードが確認されています。

サファリのベストシーズンは雨期のおわった11月から5月いっぱいです。

私はあいにく、雨期の始まった6月にペンチの森を訪れる機会がありました。5月いっぱいまでは外国人やインド人のカメラマンさんが多いのですが、6月に入ると普通のインド人ツーリストでにぎわっています。

モンスーンの季節ですから、雨の中でのサファリも。雨が降ると正直なところ動物のサイティングは非常に下がります。特に、トラは。

雨にもかかわらずがんばった3回のサファリで、写真こそ取れませんでしたがインドヒョウ Indian Leopard 、いまや貴重な存在になったドール(アカオオカミ)Dhole、コジャコウネコ Small Indian Civet Catなどの珍しい動物、そしてもちろんベンガルトラBengal Tiger にも出会いました。

Pench National Park -Dhole (5)

Dhole ドール(アカオオカミ) 害獣として駆除された過去もあり、その数が激減してしまいました。インドの森で戯れるドールを見たのはこれが初めてでした。

Pench National Park (9)

Spotted Deer (Chital) アクシスジカ の群れ ペンチ国立公園には20,000頭のアクシスジカが生息していると言われています。

Pench National Park -White rumped vulture

White Rumped Vulture ベンガルワシ

Pench National Park (17)

Jackal ジャッカルが道を横切っていきました

Pench National Park -Small Indian Civet Cat

Small Indian Civet Cat インドコジャコウネコ 動きが早く、観察も撮影も難しい動物です。

Pench National Park (18)

Bengal Tiger ベンガルトラのメスが草陰で獲物を食べていました。こっち見て怒ってます。

Pench National Park (1) Bengal Tiger

お腹いっぱいになったベンガルトラ、時間は朝の10時、気温も高くなってきました。もう寝る時間です。

ペンチの森は、キップリングの名作「ジャングルブック」の舞台としても知られています。確かに、ペンチの森は、インドの森の美しさを凝縮したような森です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2015 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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