7月、アリューシャン列島で観察したハシボソミズナギドリの様子です。遥かオーストラリア、タスマニア周辺からオキアミを求めてやってきたハシボソミズナギドリ。ザトウクジラとの競演も。
アリューシャン列島のハシボソミズナギドリ
Videography & text : Mariko SAWADA
Observation : July 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA
Special Thanks to Jimmer & Alyssa
7月、アリューシャン列島で観察したハシボソミズナギドリの様子です。遥かオーストラリア、タスマニア周辺からオキアミを求めてやってきたハシボソミズナギドリ。ザトウクジラとの競演も。
アリューシャン列島のハシボソミズナギドリ
Videography & text : Mariko SAWADA
Observation : July 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA
Special Thanks to Jimmer & Alyssa
アリューシャン列島の旅も半ば。今日から少し海が荒れてくる予報ですが、朝からハシボソミズナギドリの大群を確認し、アリューシャンマジックの期待がふくらみます。
ハシボソミズナギドリの大群が舞い、海から10mほど上が帯のように黒くなっている景色を求めて航行しました。
ハシボソミズナギドリ Short-tailed Shearwater の群れを発見。ハシボソミズナギドリは10~4月にかけてオーストラリア、タスマニア付近で繁殖し、5~9月にかけてオキアミを求めて赤道を越え、はるかベーリング海や北極海まで飛んでくる驚異の渡り鳥です。
オキアミを見つけてどんどん海に飛び込んでいくハシボソミズナギドリ。まるで海に吸い込まれていくように見えます。
海に突撃してしばらくすると、浮かんできます。
水面を蹴って再び空へ。ハシボソミズナギドリの英語名はShort-tailed Shearwater。「尾の短いミズナギドリ」の意味で、その名の通り尾が短く足の長さが目立ちます。
ザトウクジラの群れも集まってきました。アリューシャンマジックへの期待が高まります。
ザトウクジラの群れの周りでハシボソミズナギドリが乱舞。
ハシボソミズナギドリの群れの中に上がるブロー。
オキアミを求めてクジラも潜っていきます。ミズナギドリたちが休んでいるので、ミズナギドリに届かない深さのところにオキアミがいるのでしょうか。
ふたたびミズナギドリの群れが濃くなりました。
ザトウクジラもミズナギドリも海に入っていきます。
海面が少し落ち着いてきました。
さっきまでの現象がうそのように落ち着いた海に戻りました。オキアミを求めてザトウクジラとハシボソミズナギドリが見せる採餌行動。まさに奇跡の光景です。
Photo & Text : Mariko SAWADA
Observation : Aleutian Island, Alaska, USA
Special Thanks to Jimmer & Alyssa
アリューシャン列島、アクタン島 Akutan Island 滞在の初日です。アクタン島はアリューシャン列島のフォックス諸島の島の1つ。人口90人の村に1000人が働く水産加工場がある島です。
本日もお天気が良く、船で出航すると島の大部分をなすアクタン山(1,303m)の外輪山がきれいに見えてきました。緑あふれるアリューシャン列島・・・それは意外な光景でした。
アンカレッジからダッチハーバーへのフライトから見たアクタン山です。アクタン山は成層火山で山頂部は直径2キロほどのカルデラになっています。1600年ほど前の噴火爆発でできたものです。最近では1992年も噴火がありました。
村にある正教会の教会と墓地。「アラスカがロシア領だったころ」の名残です。
住民90人のアクタン島の村。木道で各家がつながっています。
そして1000人が働く水産加工場。日本の方もいらっしゃいます。
出荷されていくシーフード。もちろん日本へもやってきます。
アクタン島の入り江を出たところの岩場に営巣しているツノメドリ Honed Puffin。
エトピリカ Tufted Puffin。
エトピリカはアクタン島のすぐそばにあるアクン島 Akun Islandの小島で大繁殖していました。
意外と数が少なかったハシブトウミガラス Brünnich’s Guillemot。
出会えて超ラッキーだった、シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet。千島列島以外で見たのは初めてです。
ハイイロヒレアシシギ Red phalarope。
沖の方へ出ると、ハシボソミズナギドリが集まっていてザトウクジラのブローが上がりました。いよいよアリューシャンマジックに期待です!
Photo & Text : Mariko SAWADA
Observation : Jul 2019, Akutan Island, Fox Islands, Aleutian Islands, Alaska, USA
Special Thanks to Jimmer & Alyssa
7月のダッチハーバー Dutch Harborへ。
ダッチハーバーはアリューシャン列島のウナラスカ島にある港町です。オランダ船が最初に入航した事から「ダッチハーバー=オランダ人の浜」と名付けられました。昔はラッコやキツネなどの毛皮の取引きや捕鯨基地として栄えましたが、現在はベーリング海の漁業や水産加工の拠点です。
訪れたダッチハーバーは漁業関係の出稼ぎの人たちがたくさん。そして漁業は不振と。アンカレッジからダッチハーバーへのフライトはアジア系の人が多く、てっきりアリューシャン列島の住民と思っていたらすべてフィリピン人でした。現在のダッチハーバーの人口は4500人、そのうち1000人がフィリピン人だとか。
いよいよアクタン島へ向けて出航です。船の出航するキャプテンズベイではさっそくかわいらしいアラスカラッコ Alaskan Sea Otter が出迎えてくれました。(かわいいラッコの毛づくろい動画はコチラ)
キャプテンズベイのハクトウワシ Bold Eagle。
キャプテンズベイではウミバト Pigeon Guillemot もいました。いよいよ船が出航しウナラスカの湾内へ。
今年のウラナスカ島の湾内にはたくさんのザトウクジラ Humpback Whale がいました。10頭ほどのグループが湾内のあちこちにいて採餌中です。あちこちにブローがあがります。
近くで尾びれが上がりました。
そして外洋へ出ると、ウミスズメ Ancient murreletの姿が。
ハイイロヒレアシシギ Red phalarope
コアホウドリ Laysan Albatross
さらには私たちと同じ方向へ移動するシャチのグループとも出会いました。
船の右側に来たり、左に来たり、後ろについたり・・・しばらく並走して泳いでくれたシャチのグループでした。
夜9時、アクタン島へ到着。9時と言ってもこの時期のアクタン島はまだまだ夕方です。今日は視界が良く、1979年に噴火したアクタン山の外輪山がきれいに見えました。
島の人口は90人、だけど島の水産加工場には1000人が暮らすアクタン島。
この日の夕食は、イバラガニ Brown King Crabです。
夜10時でしたが、みんなで無言でイバラガニを食べ続けました。
Photo & Text : Mariko SAWADA
Observation : Jul 2019, Dutch Harbor-Unalaska Island & Akutan Island, Fox Islands, Aleutian Islands, Alaska, USA
Special Thanks to Jimmer & Alyssa
2019年7月、アリューシャン列島アクン島の海域で見たアリューシャンマジックと呼ばれる(日本人だけがこう呼ぶのですが)ザトウクジラとハシボソミズナギドリの採餌行動の動画です。
アリューシャンマジック
海に突っ込んでいくハシボソミズナギドリに驚き、ランジフィーディングするザトウクジラに興奮し、夕日の光の中にあがるクジラたちのブローが美しすぎて涙し・・・アリューシャン列島の生き物万歳です。
Videography & Text :Mariko SAWADA
Observation : Jul 2019, Aleutian Islands, Alaska, USA
Special Thanks : Jimmer & Alyssa
★アリューシャン列島「アリューシャンマジック」のツアーについてはお問い合わせください。次回は2020年7月予定です
8月下旬にカムチャッカ半島から南下し、第1クリル海峡(占守海峡)からアトラソヴァ島(阿頼度島)に向かう途中にみたザトウクジラの採餌中の群れです。航行中に近くにいた漁船が教えてくれました。
(ドローン動画)第1クリル海峡のザトウクジラ
お天気が悪くカメラが濡れていますが、ザトウクジラだけでなくハシボソミズナギドリの動きも大変興味深いです。
これは同じ光景を船から撮影したものです。せっかく波がない日なのにカメラのスタビライザーをONするのを忘れ、少しブレ気味動画です・・・。
この時のクルーズはワイルドライフや海鳥観察ツアーではなく、「千島列島最高峰アライド山(2,339m)登頂」のツアーでした。かつての北海道の最高峰であったアライド山に登ろうとやってきた「山男たち」も、クジラとの遭遇を喜んで頂けたようです。
ついでに、貴重な(と思う)アライド山頂上部映像と皆様の雄姿を!
そして山頂での記念すべき1枚。
千島列島最高峰アライド山 (2,339m )登頂達成、おめでとうございます!
Photo / Video & Text :Mariko SAWADA
Dronegraphy of Humpbacl Whale : Nik Pavlov
Videography of Mt.Alaid :Tomoaki Tsutsumi
Observation : Aug 2019, 1st Kuril Strait, Kuril Islands, Russian Far East
Special Thanks : Nik Pavlov & Afina
★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。
2019年夏の千島列島バードスペシャルの航海で出会ったザトウクジラたちです。
第2クリル海峡から第一クリル海峡(占守海峡)を経てカムチャッカ半島の南端・ロパトカ岬に上陸しようと航行しているときに出会った、採餌中のザトウクジラたちです。
北千島列島のザトウクジラ|西遊旅行
今回ザトウクジラたちを観察したポイントに近い、第一クリル海峡では昨年、「クリル・マジック」にも遭遇(昨年のレポート動画はこちら)。
この付近はザトウクジラたちが集まる海域のようです。そして、ハシボソミズナギドリも。
Photo & Text :Mariko SAWADA
Observation : Jul 2019, First Kuril strait, Kuril Island, Russian Far East
Special Thanks : Nik Pavlov & Affina, Hobby’s World – 吉成才丈氏
★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。
8月半ば、千島列島シュムシュ島とカムチャッカ半島・ロパトカ岬の間にある第一クリル海峡(占守海峡)で観察したザトウクジラとハシボゾミズナギドリ。はじめは「ハシボソミズナギドリ多いなー」と思っていて、「なんでこんなに多いんだ」と思い始め、そしてクジラのブローを見たとき、「もしかしてはこれは夢にまで見た”アリューシャンマジック”の千島版?!?」。
日本人もロシア人クルーも大興奮に陥った、「クリルマジック」です!
▼クリルマジック
海域を航行しているスタッフに聞いても「めったに見られるものではない」と。千島列島のオキアミ万歳。
Video & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Aug 2018, Kuril 1st strait, Russian Far East
Special Thanks to Afina & Nik Pavlov
★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルーといく人数限定企画です。
千島列島バードスペシャル 北の海鳥の大繁殖地「中千島」へ★2019年6月27日発11日間
海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ★2019年6月15日発13日間★探検隊長として自然写真家・寺沢孝毅氏が同行。(外部リンク)
7月と8月に訪れた千島列島。母船やゾディアックボートから観察した「海のいきもの」をまとめてみました。水中のハシボソミズナギドリ、トド、ザトウクジラ、イシイルカ、そして「クリル・マジック」にも遭遇!!
千島列島の旅で出会った海のいきもの
7月のクルーズではシャチやマッコウクジラに出会いましたが、8月のクルーズではおもにザトウクジラでした。特にパラムシル島のオホーツク海側での遭遇チャンスが良いようでした。
シャチはビデオを撮れませんでしたが、親子シャチの写真をお客様が送ってくださいました!パラムシル島沖で出会ったシャチです。
そしてマッコウクジラの大きなオス。ライコケ島沖で休憩していました。
Video & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Photography: Kyoji KANEKIYO 兼清恭二さま
Observation : Jul – Aug 2018, Kuril Islands, Russian Far East
Special Thanks to Afina & Nik Pavlov
★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルーといく人数限定企画です。
千島列島バードスペシャル 北の海鳥の大繁殖地「中千島」へ★2019年6月27日発11日間
海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ★2019年6月15日発13日間★探検隊長として自然写真家・寺沢孝毅氏が同行。(外部リンク)
千島列島アドベンチャークルーズ シュムシュ島からウルップ島まで★2019年6月4日発13日間
アラスカ、アドミラルティー島海域でザトウクジラを観察した時の写真です。スパイホップ(水面に顔を出し、周りの様子をうかがっていると考えられる行動)をしているザトウクジラですが、まるでこの小さな釣り船を見つめているようで・・・・。尾びれが海底についているんではないかと思うほど、この姿勢で見ていました。
この海域はサーモン・フィッシングのメッカでもありたくさんの釣り船が出ているのですが、滞在中ずっと、「釣り船とザトウクジラ」の距離が気になっていました。
船の真横で「バブルネット・フィーディング」の泡があがってきて船頭さんがかなりあせったことがあります。目の前に「バブル」があがってきて、え、まさかと思い、船頭さんがボートを少しずらしたとたんにパクッと口を開いたザトウクジラが浮上。
その後、一度は海に沈み、再び浮上してきてボートの真下を通っていき、目の前で「ブロー(息継ぎ)」が体感できたことのは至極の幸せでした。
「ブロー」、顔に潮がかかり、なんとも言えない「匂い」も。
ボートの下をくぐって泳ぎさるザトウクジラ。
バブルネット・フィーディングは、よく釣り船の至近で起こります。魚がいるところに、人もクジラもいるので当然でしょうか。そのうちクジラが船にぶつかって怪我をしないか心配です。
これは地元の漁師の小船のそばのバブルネット・フィーディング。さすが地元民、ひるむ様子もなくなにやら作業中。
こちらは観光客の小さなつり船、目の前でダイナミックに泳ぐザトウクジラに圧倒されています。これくらい、水面に近いところから見てみたいものです。
さて、ザトウクジラたちは釣り船をどう思っているのでしょうか、とても気になるところです。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Jul 2015 Angoon, Admiralty Island – Alaska, USA
Reference : Information from Lodge Guide, Wikipedia(JP,EN)
■ 添乗員同行で行く、ザトウクジラのバブルネット・フィーディングを観察するツアー
2017年07月15日(土) ~ 07月22日(土)8日間 東南アラスカ ザトウクジラのバブルネットフィーディング
★クジラに関するお勧めの本 「クジラ・イルカのなぞ99 」「クジラ&イルカ生態ビジュアル図鑑」水口博也著。「クジラ・イルカのなぞ99」は子供向けですが、わかりやすい解説、写真で初めてクジラの本を読む方にお勧めです。