極東ロシアのコマンドルスキー諸島、トポルコフ島で見た”エトピリカの乱舞”。
トポルコフ島はコマンドルスキー諸島最大の島・ベーリング島の北西の沖4キロに位置する無人島。直径800mほどの平らな島で、夏は海鳥が繁殖しています。
8月半ば、風がとても強い日にトポルコフ島に上陸。母船からゴムボートに乗り、波の間をくぐっての上陸です。
上陸した海岸で待っていたのはこの景色、エトピリカ・オンザビーチ。
どこを見てもエトピリカだらけです。このトポルコフ島の名前<Toporkov>はエトピリカを表します。まさに「エトピリカ島」。
海岸に並ぶ、エトピリカ。
1920年代にトポルコフ島に養狐のためキツネが持ち込まれ、その結果エトピリカを含む海鳥が激減しました。1993年、生態系回復のためキツネを駆除し、海鳥の保護が始まりました。2019年現在のトポルコフ島には5万ペア、10万羽のエトピリカが繁殖していると考えられています。
トポルコフ島は平らな島で、一番高いところで標高9mほど。その島の草地にエトピリカは巣を作り、草がない場所は離発着場になっていました。
少し高い場所にある繁殖地を見ることができるように観察用のテラスが設けられていました。そこから間近にエトピリカを観察。
エトピリカが離発着を繰り返しています。参加者のみなさんは、くちばしに魚をくわえたエトピリカを撮影しようとがんばっていました。
営巣地の上空を飛ぶエトピリカ。この日は風が強く、飛ぶというよりホバリング状態。エトピリカたちが遊んでいるかのような光景でした。
乱舞するエトピリカ。繁殖期真っただ中のエトピリカ。コマンドルスキー諸島では9月半ばまで魚をくわえて巣に向かうエトピリカの姿が見られます。
Photo & text : Mariko SAWADA
Observation : Aug 2019, Toporkov Island, Commander Islands, Russian far East