パタゴニアのバルデス半島では9月になるとミナミゾウアザラシが上陸しコロニーを作ります。そこには1頭のオスとたくさんのメス、そして生まれた子どもたちがいます。
海岸のメスと子どもたち。9月は出産シーズンで半日くらいプンタデルガダの海岸にいると赤ちゃんの誕生を見ることができます。
死んでしまった赤ちゃん、その肉を食べてくちばしを真っ赤にしているオオフルマカモメSouthern giant petrel。オオフルマカモメはミナミゾウアザラシのコロニー付近をうろうろしています。
ミナミゾウアザラシの赤ちゃんは生まれて2~3週間ほどで母アザラシが面倒をみなくなり、一人立ちします。そしてメスは出産後2週間もすると再び繁殖可能となります。そのため、コロニーでは赤ちゃんが誕生する海岸でメスを追いかけまわすオス、オス同士の争う様子も見ることがあります。
海岸でメスにいいよるオス。このメスは子どもがいなかったか、もう子育てを終わったメス。
海から近づいてきてコロニーの様子を伺うオス。オス同士の争いが見られるピークは9月下旬から10月です。
オスは生まれてから1~12歳までは「独身オス」として暮らし、13~14歳の時に初めて「ハレム」を持つこととなり、40~70頭のメスの夫となります。9月上旬に海岸に上陸したオスの体重は4トンですが、交尾を繰り返し、10月に海に戻るときの体重は2トン。そしてほとんどのオスは13~14歳でそのまま海で生涯を終えるのだそうです。
時には血を流すこともあるオス同士の闘い。子孫を残し、生涯を終える・・・のですね。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Movie : Morihiko HAYAKAWA 早川守彦
Observation : Sep 2017 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina
Reference : Hector Horacio Casin
※バルデス半島での水中クジラの撮影には特別許可の取得が必要です。
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