番外編「働く動物」ラクダ。ダナキル砂漠の塩のキャラバンです。
かつてはエチオピア高地の標高2000mのメケレからダナキル窪地のマイナス115mの塩の採掘場を往復す、片道一週間にもおよぶ過酷なキャラバンでした。今は道路事情がよくなり輸送機関が発達したことから短くなり57キロの道のりを塩をかついで移動するだけになりましたが、高地と低地のキャラバンは続いており、塩の採掘場を目指すキャラバンが減ったわけではありません。
2016年12月のキャラバンの様子です。塩のキャラバンを率いるのは高地にすむキリスト教徒のティグレ族。彼らは塩の採掘場に向かう前日にはベースとなるアハメッド・エラの村のワディに到着して宿営します。
夜明け前に食事を済ませ、準備をするティグレ族の男性とラクダ。
こちらは準備ができたキャラバン隊。
夜明けとともに塩の採掘場に向けて出発です。マイナス115mのダナキル砂漠のアサレ湖は日中の気温が高いため、キャラバンは朝の涼しい時間と夕方の日没時に移動をします。
塩の採掘場を目指すキャラバン。背景はエチオピア高地へと連なる山並み。足元は塩です。
ラクダのキャラバン、ロバのキャラバンが採掘場を目指します。
この日は珍しい現象が起こりました。昨晩降った雨がこのダナキル窪地にたまり、アサレ湖があふれてきたのです。押し寄せる塩水。
押し寄せる水のふちを歩くキャラバン(ドローン撮影)。
キャラバンとお客様(ドローン撮影)。
塩の採掘場に到着するキャラバン。ティグレ族の男性が遅い朝食を食べていました。
塩を整形しています。アサレ湖で塩を採掘するのは地元のアファール族の仕事です。彼らは歩いて採掘場までやってきて、40cmX30cmの長方形をした塩の板を作りだしてゆきます。
1つの板は約6.5kg。ラクダ1頭につき最大約30枚(300kg)、ロバは約15枚(100kg)の塩の板を積み込んで出発してきます。
塩を積んで出発したキャラバン。
あふれたアサレ湖の中を歩くキャラバン。塩をかついだ過酷な旅が、より厳しくなってしまいました。
あふれたアサレ湖の中を進むキャラバン。夕日の中、エチオピア高地へと歩いていきます。
夕日のキャラバン(ドローン撮影)・・・あまりにも美しい、キャラバンの姿でした。
写真をとっていると、「なんでオレたちを撮るんだ」とキャラバンを率いるティグレ族がガイドに聞いてきます。「キャラバンが大好きだから」と答えると、「大変だぞ、俺たちはやめたいのに」と・・・。
Photo, Movie & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Location : Dec 2016 , Danakil Depression, Ethiopia
★西遊旅行のダナキル砂漠特集はこちら >>ダナキル砂漠をゆく
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