ミナミセミクジラは3種のセミクジラ属の中で最も人間の船の興味を示し、水面での活動がアクティブな種と言われています。 >ミナミセミクジラについて >バルデス半島について
バルデス半島のヌエボ湾で観察したミナミセミクジラの水面行動です。
■ブロー Blow
いわゆる「潮を吹く」行動。いきつぎなので、浮上してくるとブローが見られます。ミナミセミクジラは最大30~40分ほど潜水します。ブローの形はV型です。
■セイリング Sailing
「セイリング」と呼ばれる行動はミナミセミクジラに特徴的で、比較的長い時間、尾びれを高く水面に出しています。その様子が風をつかむようで「セイリング」と呼ばれていますが、遊びなのか、その理由はわかりません。
■ブリーチング Breaching
体長13~18m、40~60トンある体が水面を飛びます。
「どうしてブリーチングするの?」という疑問にはいろんな見解があります。
寄生虫を落とすため、フジツボを落とすため、子供をシャチから守る威嚇、コミュニケーション、単に楽しんでいる、かゆい、繁殖期のオスによるメスの獲得争い、オスが自分をアピール、母クジラが子クジラに教えている・・・諸説ありますが、ミナミセミクジラでは寄生虫説が大きいようです。
■フルーク・アップ Fluke-up
深くもぐる前に尾びれを高く上げ、模様までわかるくらいの状態をいいます。
■ペックスラップ Pec Slup
胸鰭たたき。水面でを横にしてむなびれで水面をたたく行動
■テールスラップ Tail Slup
尾びれたたき。尾びれで水面を激しくたたく行動
■スパイホップ Spy Hop
水面に顔を出し、周りの様子をうかがっていると考えられる行動。
ボートに興味を持ち近づいてきて、頭を出すミナミセミクジラ
これは口を開けて豪快に頭を出している、めずらしい光景。
■メイティング・グループ Mating Group
交尾グループ。1頭のメスに複数頭のオスが集まり水面で長時間にわたる交尾とそれにともなう派手な行動です。
オスが、メスの下に入り込もうと必死。
■採餌 Feeding
ミナミセミクジラはヒゲクジラ。口を開くと真ん中が開いていてそこからオキアミを含む海水を入れ左右のひげを使ってオキアミを濾して海水を出します。
ミナミセミクジラのヒゲ
正面から見ると口が開いていて、舌まで見えました!
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Sep 2016 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina
Reference : Hector Horacio Casin, Wikipedia(EN), Southern Roght Whale Species Guide-WDC, Hermanus.co.za, 他
★2018年ツアー情報 パタゴニアの海、バルデス半島を訪れるコースはこちら!
パタゴニア・バルデス半島自然紀行
【特別許可取得】3日間のチャーターボートでミナミセミクジラの海へ